はやみね作品ミステリ小ネタ集  ※人によってはネタバレになるのでご注意を。

都会のトム&ソーヤ

参照本:「都会(まち)のトム&ソーヤ 1」 2003年10月10日第1刷発行

 

※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。

該当ページ等 小ネタ 説  明
P.13 8行目 内藤内人 先に名前が出たもう一人の主人公、竜王創也の「創也」がトム・ソーヤの「ソーヤ」
の語呂合わせだというのはすぐに判ります。そうすると、「内人」が「トム」の語呂合
わせになってるはずとみてよさそうなものですが、これがどう見ても語呂合わせに
みえません。「これは関係ないのかなぁ・・・」と思っていたとき、公式ファンサイトで
のネタバレ掲示板に、どなたかが以下のような記述を書き込まれていました。

 「内人」→「ないと」→「無いト」→「トが無い」→「ト無」→「トム」

…私は思わず、「バンザッアァ〜イ!」と大声あげて両手をあげておりました(爆)。
ただ、この説の真偽はまだ定かにはなっておりません(汗)。

P.33 13行目 罠(トラップ) ※『怪盗道化師』ページ内、「トラップ(わな)」での記述を基に少しだけ修正。
  「仕掛け」や「妨げる」などの意味を持つ言葉。その内容から、冒険小説などで
  よく使われる言葉かと思われます。
  私がこの言葉を身近に感じたのは、浦沢直樹の名作マンガ『パイナップル・ア
  ーミー』からでしたが、ユーモア冒険小説の大家、トニー・ケンリックにも『バー
  ニーよ銃をとれ』という名作があります。最高にゴキゲンな作品でした(笑)。
P.61 3〜4行目 出版社の
〜ついている
この文中にある「J・H・ワトソン」は、名探偵シャーロック・ホームズの友人・相棒で
あり、ホームズ譚の作者として物語上、位置づけられているジョン・H・ワトソン博士
のこと。
で、その前にある「出版社」とは、恐らく早川書房とならんでミステリ出版の老舗で
ある東京創元社のことだと思われます。というのも、この東京創元社で過去にホー
ムズとワトソン、それぞれのキー・ホルダーが読者プレゼントで作られたことがある
からです。
私はワトソン博士は持ってないのですが、ホームズは持ってますので、とりあえず
公開。「
ここ」をご覧くださいませ。たぶんこの人形が創也のカギにぶらさがっている
のです(笑)。
P.86 9〜11行目 悪魔と契約する
〜ような気がする
このシチュエーションを活かした話は、それこそ星の数ほどありそうな気がします
が、ここでは、すごく短い小説=ショート・ショートで有名な2人の作者の作品をご
紹介。
 星 新一「合理主義者」
      (新潮文庫『悪魔のいる天国』 他に所収)
 都筑道夫「悪魔はあくまで悪魔である」
      (ちくま文庫『悪魔はあくまで悪魔である』 他に所収)
ともに日本のショートショート界を代表する作家さん。これを機会にショートショート
の魅力にとりつかれていただければ嬉しいです(笑)。
P106 11行目
〜P107 4行目
『子牛缶殺人事件』
『モグラ・マグロ』
『ジャムへの荷物』
『匣の中の溌剌』
上から順に、日本の四大(アンチ?)ミステリといわれる、
  『黒死館殺人事件』(作者:小栗虫太郎)。
  『ドグラ・マグラ』(作者:夢野久作)。
  『虚無への供物』(作者:中井英夫[塔晶夫])。
  『匣の中の失楽』(作者:竹本健治)。
が元ネタ作品。
ちなみに『モグラ・マグロ』に関しては、『ドグマ・マ=グロ』(作者:梶尾真治)が元
ネタでは? との意見が……ないでしょうね、きっと(爆)。
P.178 4行目 『なめくじに聞いてみろ』 はやみねさんが心酔するミステリ作家の一人、都筑道夫の1962年に出版された
痛快娯楽アクションミステリ。地方から出てきた青年が、父親の考案した殺人方法
をこの世からなくすべく、その方法を受け継いだ弟子達を抹殺していくストーリー。
本格ミステリを期待して読むのは肩すかしをくらうかもしれません。娯楽モノとして
読めば痛快至極で楽しめるかと。
P207 14行目 『ミネルバのフクロウ
 は黄昏に飛びたつ』
「物事の真理は最後に現れる」という意味だそうです。無理矢理ミステリに関連づ
ければ、『バイバイ、エンジェル』『哲学者の密室』といったミステリで有名な笠井
潔が本格ミステリについて語った『ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?―探偵
小説の再定義』という評論集があります。私は笠井評論は苦手なんですが、興味
を持たれた方はどうぞ(汗)。

 

*************** ここから下は お・ま・け ***************

該当ページ等 小ネタ 説  明
P.3 1行目 トム・ソーヤ アメリカはミシシッピ川流域の田舎町、セントピーターズバーグに住むいたずら小僧
たちが巻き起こす騒動と冒険の日々描いた小説が『トム・ソーヤの冒険』。トム・ソ
ーヤは主人公の少年の名前。作者はマーク・トゥエインという人で、他に『ハックルベ
リー・フィンの冒険』『王子と乞食』といった作品が書かれています。
P.8 1行目 平日半額! 2000年2月、平成デフレ現象の象徴のように語られるほどの企業戦略が日本マクド
ナルド社から打ち出されました。それがこの「ハンバーガー、平日半額!」。
そのあおりを受けてか、その後牛丼を代表とする外食産業は軒並みデフレ合戦に突
入。広域的・長期的視点での評価はいざ知らず、世のビンボー親父にとっては非常
にありがたい現象であったと、私は声を大にして言いたい。いや、マジでこの現象が
あったからこそ今(2004.7時点)の「景気回復」兆候がみえてきたんじゃないかと思
うんですが(笑)。
P.8 8〜9行目 無料の笑顔 今はどうだか知りませんが、昔、マクドナルドのレジ上部の壁にに掲げられている商
品メニューの一番下側に「スマイル ¥0」の表記がありました。このことを最初に知
った時は「おシャレやなぁ〜」と思ったものです。この「スマイル ¥0」に関しては、
全国各地でいろいろなパターンの「都市伝説」があるようです(苦笑)。
P.19 7行目 安倍晴明 今から1000年以上も昔の平安時代、天才陰陽師としてその名を残している人物で
あります。陰陽師とは、中国伝来の陰陽五行説によって天体を観測したり暦を作成
したりする役人の、役職のようなものとのこと。ただ、吉凶を占ったり、自在に式神
(思い通りに動かせる神)を操る呪術師のような面も伝えられていて、今は主にそち
ら方面でカルト的人気を博しているのが現状のようです。
P.72 7〜8行目 超巨大総合企業 私の頭の中で、創也のような巨大グループの御曹司という設定ですぐに思い浮かぶ
のは、週刊少年ジャンプ連載の大長寿マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋
本治)の主役級キャラ、中川圭一。
ジャンプコミックス5巻でその富豪ぶりが描かれていますが、そのなかで両さんが超
豪華な建物を目にした時の中川のひと言ネタは、従来のマンガ家が思いつく発想よ
り一つ飛び抜けたものが感じられて、私のお気に入りネタであります。
P.97 9〜11行目 横にアシスタント
〜ほうに流れる……
私は大阪人だったので、テレビショッピングで頭に浮かぶのは日本文化センター。
「おおさかぜろ〜ろく〜……」で始まる音楽は、買えばもう一本ついてくるという[原
価はいったいなんぼやねん!!]包丁などと一緒に、死ぬまで記憶に残っていそう
です(泣)。
P.104 15行目 おおブレネリ 思わずスキップ踏みたくなるような、明るい調子のこの歌。元はスイス民謡ですが、
半分以上が掛声という大胆不敵のあの歌詞が忠実に訳されたものかどうかは不明
なのよ〜。ヤァッ〜ホ〜、ホ〜トゥラララ。 ヤッホ、ホ〜トゥラララ。ヤッホホ〜トゥララ
ラ。ヤッホ、ホ〜トゥラララ。ヤァッ〜ホ〜、ホ〜トゥラララ。 ヤッホ、ホットゥラララ。
ヤッホホ〜トゥ〜ラ〜ラ〜ラ〜。ヤッホホゥ(爆)!!
P.125 8行目 マイティマウス 1942年頃に誕生した、アメリカの人気アニメキャラ。端的に言えばネズミのスーパー
マン版といったところでしょうか。アニメを見たことがあるように思うんですが、どんな
性格してたかなど、いっさい記憶にありません(汗)。
「親指トム」とか「スーパースリー」は確かに見ていたと胸はって言えるんですが…。
P.125 9行目 トム&ジェリー こちらもアメリカの人気アニメーション。仲良しコンビのイメージが強い2人(匹)です
が、個人的には猫のトムがねずみのジェリーを本気で追いかけていた初期の頃のド
タバタぶりが好きです。たまに登場する人間(主にお手伝いさん)も下半身しか姿を
見せない、視点のこだわりっぷりが今から思えばとてもシブいです。
P.143 5行目 スパイ大作戦 1966年にアメリカで放映された、テレビ・ドラマシリーズ。アメリカ合衆国の当局か
らIMF(Impossible MissionForce)という名称の民間秘密機関に様々な依頼がな
され、IMFに所属するプロフェッショナルなスパイたちがその任務にあたって活躍す
るといったもの。実は私はほとんど未見。オープニングでオープンリール・デッキか
ら煙がでてくるシーンは見たことがあるように思うのですが……。
P.176 8行目 『雨の音が聞こえる』 少年名探偵 虹北恭介シリーズのイラストでお馴染みのやまさきもへじさんが作画
を担当しているマンガ作品がこれ。原作は大塚麻巳子。主人公の男子高校生が、
義母でありながら同級生でもある女子高生と共同生活する様をえがいたラブ・ストー
リーとのこと。
設定は違いますけど、私なんかはやっぱり『おくさまは18才』の岡崎友紀の姿が浮
かんでしまいます(汗)。
P.192 1行目 『アメリカン・グラフィティ』 1973年製作のアメリカ映画。故郷をでて新しい町で生活することになった若者たち
の、一夜の青春群像を当時(1962年)の忠実な世俗描写をからめて描いた映画。
監督はあの『スター・ウォーズ』で有名なジョージ・ルーカス、製作には『地獄の黙示
録』のフランシス。フォード・コッポラと、後にビッグネームとなる人達の関与と作品の
出来があいまって、ある意味、伝説化された映画であります。
P.192 13行目 『ロッキー』 1976年製作のアメリカ映画。フィラデルフィアに暮らす無名ボクサーのロッキーは、
しがない生活をしいられていたが、代役でヘビー級チャンピオンと対戦するチャンス
を得ることに。周囲の応援と猛特訓の末、チャンピオンと対戦したその結果kは……
といった映画。映画の成功と共に、アメリカンドリームを地でいくような脚本・主演の
シルベスター・スタローンの境遇も話題に。
P.247 12行目 トンファ 武器の一種。石臼の取っ手や、荷車や人力車の取っ手などから発展したものと言
われています。また、アメリカの警察官が持つ警棒の形はこのトンファにならってい
るとのことですが、真偽は不明。
P.261 3行目 『風子の風景』 この世の中に『寄生獣』という傑作マンガがあるとのこと。講談社のコミック雑誌「ア
フタヌーン」に連載され、作者の名前は岩明均。この作者が同社の別雑誌「モーニン
グ」に連載していたマンガのタイトルが『風子のいる風景』。引っ込み思案の女の子
が喫茶店でバイトすることで、少しずつ人との交流を体験していくという日常マンガ
らしいです。地味ながら良いマンガということですが、たぶん1、2話は雑誌で読んだ
ような記憶があります。絵がそんなに上手くなかったのでコミックスを買うまではい
かなかったんですが、ひょっとするとすごく損をしているのかも(苦笑)?

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