はやみね作品ミステリ小ネタ集 ※人によってはネタバレになるのでご注意を。 |
徳利長屋の怪 |
参照本:「ギヤマン壺の謎―名探偵夢水清志郎事件ノート外伝―」 1999年11月15日第1刷発行 |
※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.25 11行目 p.25 13行目 |
恭助 ネコみたいに細い目を〜 |
名前といい、このフレーズといい、はやみねさんの別シリーズで見かけた ような気がするのは気のせい? ←いや。そんな事はない[反語](笑)。 |
P.36 3行目 | 定番の文句 | 記憶力がないので具体的な作品名がだせないのが悲しいです(泣)。 イメージとしては今のミステリより、昔でいう「探偵小説」によく見かけるよ うな印象があります。それもなぜか高木彬光作品だけが頭に思い浮かぶ んですけど、これっておかしいですか(爆)? |
P.37 3行目 | ※下の「おまけ」での 「花見日和」に追記 |
※岡目八目さんからの情報 花見日和に関して、「都筑道夫『なめくじ長屋』シリーズでの「花見の仇 討」に触れぬとは何事だ!!」とのこと(笑)。 江戸の風俗文化が満喫できる本格ミステリシリーズの「なめくじ長屋」。 このなかで落語噺を下敷きにしたり、落語のタイトルをそのまま使ったり しているものが結構ありまして、この「花見の仇討」もその一つ。 作品集『からくり砂絵』に所収されてます。 冒頭から江戸風俗全開で一気に江戸時代にトリップできるし、ミステリ としてもまさにセンセーがホームズさながらの推理を見せる好短篇でご ざいました〜。 で、ふと思いついたんですが、下の「おまけ」のこの項目で書いた落語 「長屋の花見」も『なめくじ長屋』シリーズで取り上げられてるんじゃない かと思ったら、案の定ありました(笑)。 こちらは『きまぐれ砂絵』に所収されてまして、落語「長屋の花見」よろ しく、なめくじ長屋の連中も花見に出かけると、そこで一家死亡事件に 巻き込まれるという、いかにもミステリな話になっております(笑)。 |
P.96 13行目 | 怪盗紳士 | 恐らくは世界で最も有名な怪盗で、ある大御所ミステリ作家の説では日 本でも『○○仮面』っとして仕事をしたことがあるようだし、あるマンガ家に いたってはその怪盗の孫も同じ怪盗として活躍し、アニメで大ブレイクした ようです。・・・もう判りますよね(笑)? ちなみに怪盗ファントマではないだろうと思ってます(爆)。 |
P.102 5行目 | 長谷川勘兵衛 | 現在の歌舞伎界で大道具担当として、その名が引き継がれているのが、 この長谷川勘兵衛で、今は十七代目とのこと。『東海道四谷怪談』での有 名な仕掛け「戸板返し」、「仏壇返し」、「提灯抜け」などは十一代目の手に よるものだそうです。客からのかけ声では役者の屋号が普通かけられます が、なんと大道具に対する「長谷川っ!!」なるものもあるそうで、少しびっ くり。 ミステリでいえば泡坂妻夫の『乱れからくり』に長谷川勘兵衛に関する記 述が少しあり、『写楽百面相』の中の「久二郎代参」という話では、この勘 兵衛が登場人物としてでてきています。何代目かは判りませんが、「道具 方より役者にしたいような目鼻立ちの堂々とした」人だそうです。 |
P.162 14行目 | 勝海舟 | 本当なら「おまけ」のに書かないといけないんでしょうが、ミステリ関連小ネ タがちょっと物足りない(見つけられてないだけ?)ので、こちらに(汗)。 勝海舟は幕末時代の幕臣で人材育成に努めた人。外国文化を排除せず、 先見の明の高い活動家として世評の高い人です。 ここに書いたからにはミステリネタにしないと・・・(汗)。 著名な小説家・エッセイストで、ミステリにも深い愛情を持っていた坂口安 吾に『明治開化 安吾捕物帖』という短篇集があるのですが、このなかで 勝海舟はメイ探偵役で大活躍しています(笑)。 |
P.168 11行目 | 暗殺〜近江屋の2階 〜中岡慎太郎 |
中岡慎太郎は坂本龍馬とともに薩長の和解工作に尽力を尽くした人。 この暗殺を行ったのは、定説では京都見廻組となっていだそうだが、他に も諸説はいろいろあるようです。 『課長 島耕作』などでオジサンのハートをがっしり掴んだ(笑)マンガ家 の弘兼憲史が描いた事件派ミステリの名作コミック『ハロー張りネズミ』の なかにも、坂本龍馬暗殺の新解釈をを手がけたものがありました。ただ私 の記憶に残ってるのは新解釈でなく、龍馬死亡までのエピソードでありま す。かなり強烈なエピソードでした(汗)。 |
P.211 2行目 | 闇は、ぼくの友だち〜 | これについては全くの私見(汗)。 前々から少し思ってたんですが、教授は実は底知れぬ闇といえる「虚無」 に襲われ続けてる人なんじゃないかと(爆)。で、「名探偵の苦悩」が更に 教授に追い討ちをかけてるわけです。 教授は絶望的な「虚無」の中に生き続けながら、それでも「実」はあること を信じて日々過ごしているように思えます。 ・・・小ネタに全く関係ありませんね。すみませんでした(汗)。 |
*************** ここから下は お・ま・け ***************
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.30 6行目 | 若い娘の五人組 | この五人娘を現代におきかえてみれば、それぞれの名前はたぶん「うさ吉」 「えりか」「佳代」「た兵衛」「だんだ」といったもんじゃないでしょうか(爆)? ちなみに並べた順番はあいうえお順。決して寵愛順じゃござんせん。こんな ところにも気を配る私って本当に小心者(汗笑)? |
P.37 3行目 | 花見日和 | 貧乏長屋の一行が花見に出かける・・・といえば、思い出されるのが江戸 落語の「長屋の花見」。上方落語では「貧乏花見」と呼ばれ、よりストレー トなネーミングになっています(笑)。 長屋の大家と店子(居住者)の間で繰り広げられる長屋噺で、根っからの 明るさを感じさせる楽しむ満開のおはなし。私が小学生のくせに古典落語 の本をいくつか読むようになったのも、この話を読んで大笑いしたことがきっ かけ。実は私、噺家さんの口からこの噺がかたられるのを聞いたことが一 度もなかったりします(爆)。 |
P.96 5行目 | アンシャンテ! ミニョン レ ザンジュ! |
フランス語です。フランス語は全然知らなくて往生したんですが、無理矢理 調べたところ、恐らく 「あなたたちに逢えて良かったわ。可愛い天使たちさん!」 という意味ではないかと。それともひょっとしてこれも小ネタなのかも(汗)? |
P.100 15行目 | キノコがはえている | 「キノコが生えてる部屋」で思いつくのはやっぱり九州は福岡県出身のマ ンガ家、松本零士の『男おいどん』であります。生えてるキノコの名前は 「サルマタケ」。栄養素は下着のデカパンでしょうか(笑)。 これは四畳半マンガといわれるもので、都会でがんばる貧乏青年のわび しくもけなげな日常を描いたもの。『銀河鉄道999』、『キャプテン・ハーロッ ク』などスペースSFもので有名な今の松本零士からは想像できないよう な内容でしたが、ラストはびっくりいたしました。 どんなラストかは実際に読んでからのお楽しみということで(笑)。 |
P.102 6〜7行目 | 「唐屋体がんどう返し」 「山門金閣三重せり上げ」 「引屋体」 |
やはりネットで調べたぐらいでは判りませんでした(爆)。きっと島荘ミステ リばりの、大技の仕掛けなんだと思います(笑)。 |
P.111 15行目 | 表具師 | 大まかにいうと、紙・布・糊(のり)を使用して、掛物・巻物・屏風・襖などを 作る職人さんのこと。厳密にいえばそれぞれの内容で仕事が違っていた ようです。 |
P.133 1行目 | 寺鰤座 | 『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』などの超ヒット アニメを製作してきたのがスタジオ・ジブリ。なのでこの寺鰤座の公演な んて、いったいどんな仕掛けが飛び出すことやら、考えただけでワクワク してしまいますね(笑)。 |
P.133 4行目 | 駿さんは〜銀色の 髪がおしゃれだ |
ネットで調べてみると、どうも宮崎駿さんは私が生まれる前からアニメ製 作に携わっていたようです。 「レインボー戦隊ロビン」「魔法使いサリー」「長靴をはいた猫」「空飛ぶ ゆうれい船」「ひみつのアッコちゃん」等々。ううう。み〜んな再放送など でしか見たことありません。まさしく「人に歴史あり」です(汗)。 |
P.133 6行目 | 亜朱 | なぜにジブリにアッシュの姿が(笑)。これはP.133〜134にある「するど い顔をした・・・配置されている」という風貌から判断して、少女マンガの 範囲にとどまらず、より幅の広いファン層をかかえる吉田秋生のマンガ 『BANANA FISH』の主役、悲しいヒーローであるアッシュ・リンクスでしょう。 吉田秋生作品は他にも『吉祥天女』『河よりも長くゆるやかに』などの名 作がありますので、未読の方は一度お試しくださいまし〜。 |
P.133 9行目 | 「夏野」「錐谷宗・・」〜 | この作品が書かれる前、「役者名を考えてくれれば、作中に使おうと思い います」という、なんともサービスたっぷりなはやみねさんからの企画が、 昔、HP上でありまして(ここに書かれた名前全てがそうかは判りません が)、採用された名前がここにずらっと書かれています。 ・・・・・・私がどうしようもなく大人げないってことがモロバレですね(爆)。 |
P.137 1行目 | ♪ど〜こかで〜 だ〜れかが〜 |
この歌いだしで思い浮かぶのは、1972年に放映された笹沢左保原作の 時代劇『木枯らし紋次郎』の主題歌です。ドラマで「あっしにはかかわりの ねえことでござんす」と、長いつまようじをくわえながらの、このセリフが流 行りました(笑)。 タイトルは『だれかが風の中で』。歌っているのは俳優・歌手の上条恒彦。 作詞の及川恒平と作曲の小室等は当時、「六文銭」というフォーク・グル ープのメンバー。この曲とは別に、「上条恒彦と六文銭」で発表された『出 発の歌』は、これまた名曲として知られています。 |
P.140 5行目 | 『三味線を持った渡り鳥』 | 亜朱主演のこの芝居全体の骨格は、まるで昔の日活映画「渡り鳥」シリ ーズのようであります。いや、私は現物を見たわけではありませんが(汗)。 「渡り鳥」シリーズとは当時、石原裕次郎にならぶ若きスターである小林 旭を主人公として、地方が舞台・歌が入る・アクションシーンも随所にある といったコンセプトで作られたアクション娯楽映画シリーズ。その1作目の タイトルは『ギターをもった渡り鳥』でした(笑)。 余談ですが、「渡り鳥」シリーズの影響を他にうけてるものとしては、「人 造人間キカイダー」がそうなんじゃないかと私はにらんでいます(爆)。 |
※上の追記 | ※國桃櫻さん からの情報。 「渡り鳥シリーズの影響」として、「人造人間キカイダー」もそうだけれど、 より色濃く受け継いだものとして、昔に放映された『怪傑ズバット』という 特撮ヒーローものを忘れちゃいけない〜とのことでした(笑)。 調べてみるとこの『怪傑ズバット』はかなりカルトな番組のようで、人によ っては狂喜乱舞するか、あるいは鳥肌立ちまくりになるか、かなり意見が 分かれそうです(苦笑)。 ちなみにほとんどの脚本は『浅草エノケン一座の嵐』で乱歩賞受賞、また コロンボばりの倒叙推理2時間ドラマ「刑事 野呂盆六」シリーズの脚本 で有名な長坂秀佳によるもののようで、このあたりにも普通の特撮ものに 終わらない何らかの特殊性が感じられます(笑)。 |
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P.154 11〜12行目 | 巧之介さんの〜 〜「褐色の肌」) |
この記述は非常に興味深いです。 真の姿をとうとう暴いてしまっちゃってますから(笑)。 |
P.163 1行目 | 坂本龍馬 | この人もまた幕末期に活躍した人。土佐藩出身で薩長同盟の立役者で あり、新政府の方針(大政奉還など)の骨格を示したりと、これまた勝海舟 とならんで、世評の非常に高い人です。 前作『ギヤマン壺の謎』を未読の人は、まずそちらを先に読んでから、この 『徳利〜』を読んだほうがより楽しめますよ(笑)。 |
P.203 14行目 | 『歳代』『五月』『不二』 『待子』『人江』 |
それぞれの名前から一文字とって並べてみると「歳月不待人」。おぼろげ な記憶で漢文の返り点などを打つと「歳月、人を待たず」という慣用句にな ります。"キャピキャピしてられるのも今このときだけ"ということなのでしょ うか(汗)? ちなみに残った文字は「五代二子江」。これで何かできれば なお面白いんですが(笑)。 |
P.239 3行目 | 西郷隆盛 | 九州の薩摩藩士で、同じく幕末期に活躍した人。幕府に対抗する新政府 側で鳥羽伏見の戦いにも関係している。上野の銅像はあまりにも有名だ し、鹿児島ではいまだその人気は衰えていないようであります。 |
P.242 11行目〜 P.243 2行目 |
教授は、きゃんきゃん〜 〜のようなことばだ。 |
まるではやみねさんと編集者さんのやりとりをそのまま書き写したかのよ うな文章で、変に迫力がありますよね(苦笑)。 |
P.249 6〜9行目 | 「いや、今夜は〜 確保にでかけた |
同じパターンのやりとりがP.245にありました。同じ言葉・行動等を繰り返す ことによって笑いをとることを演芸用語(?)で「天丼をかます」といいます。 (天丼には海老が2匹のってるから という説があるようです)これなどはま さに、美味しい天丼がかまされています(笑)。 |
P.278 14行目 | 『あらぶゆ』 | 「あらぶゆ」 昔、アーティストの小田和正が在籍していたバンド、オフ・コースのアル バム&シングルタイトル。 「Hello,あらぶゆ」 伝説のバンド「ドアーズ」の大ヒット・シングル 「あらぶゆより愛してる」 アン・ルイスのヒットソング。ちなみに作曲者のNobody側のタイトルは 「LET ME BE」。 「あらぶゆ SAYONARA」 昔のアイドル・グループ「チェッカーズ」のヒット・シングル。 「あらぶゆ、OK」 永遠のロッカー、矢沢永吉のバラード・ナンバー。 ・・・・これぐらいで「あらぶゆ」の意味はわかっていただけたでしょうか? しかし、みんな例が古いですねぇ(苦笑)。 |
P.285 15行目〜 P.286 1行目 |
安倍晴明 | 平安時代中期に実在した人物。中国発祥の「陰陽五行説」というものに基 づく、さまざまな学問・技術を習得し実践する人は「陰陽師」と呼ばれ、この 人はその中でも「死者を生き返らせた」などの噂もあった伝説的な人。 でもきっと対決したら教授が勝つんでしょうね(笑)。 |
P.286 4行目 | 講談社編集者 阿部薫 |
はやみねさんの担当編集者の方。現時点(2003.3月)でも担当されてるか どうかは不明。美形の方だそうです(笑)。 |