はやみね作品ミステリ小ネタ集 ※人によってはネタバレになるのでご注意を。 |
少年名探偵 |
参照本:「少年名探偵 虹北恭助の新冒険」 2002年11月5日第1刷発行 |
※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
---|---|---|
P.27 11行目 | 『虚無への供物』 | およそ40年前も前に発表されながら、講談社文庫版は今でも版を重ねているで あろう息のなが〜いミステリ。また、文庫以外でも豪華本・限定本などで出版さ れており、根強い人気をほこっています。 このミステリに対する「国内三大(四大)ミステリ」、「アンチ・ミステリ」などの修 飾語はあまりにも有名。 実は、私も既に別ページの小ネタで、この文句を使っておりました。 |
P.30 3行目 | 祖父(ジッチャン) | 祖父(そふ)という漢字にわざわざ「ジッチャン」とルビをふっているところに、『金 田一少年の事件簿』を意識した様子がうかがわれます(笑)。 |
P.44 2コマ目 | 口紅にミステリー | 市川昆監督、石坂浩二主演による映画版金田一耕介シリーズの4作目が『女王 蜂』。この映画のヒロインは往年の二枚目スター佐田啓二(「君の名は」の主演俳 優として有名)の娘、中井貴恵(ちなみに弟は中井貴一)。で、この映画はカネボ ウ化粧品とタイアップされてまして、その時のキャッチコピーが「口紅にミステリー」 でありました。私は記憶にないんですが、等々力警部役の加藤武がこのフレーズ を作中で口ずさむシーンがあったとか。なんか、すっごく不自然な気もしますが(汗)。 |
P.117 13行目 | 特務隊 (イレギュラーズ) |
「イレギュラーズ」という言葉から、真っ先に思い浮かぶのはやっぱり「ベイカー・ス トリート・イレギュラーズ」であります。 これはあのシャーロック・ホームズが、事件の捜査で情報収集等のために活用して いたロンドンの浮浪児たちの団体の呼び名であります。もっともホームズ譚にひん ぱんに登場しているといった印象はありません。私は作品で見るより先に、ミステリ 紹介本のたぐいでその存在を先に知りました(汗)。 『緋色の研究』『四つの署名』の2長編にベイカー・ストリート・イレギュラーズは登場 しているようです。 この設定に触発されて、江戸川乱歩が「少年探偵団」を作り出したという文章を読ん だ記憶がありますが、その真偽は定かではありません(汗)。 また、「ベーカー・ストリート・イレギュラーズ」という名称は、世界で最初に発足した といわれるアメリカのホームズ愛好団体の名称としても使われています。 |
P.136 12〜13行目 | サブリミナル効果 | サブリミナル効果の内容については既に作中で説明されていますので、ここでは蛇 足話を(汗)。 このサブリミナル効果という現象を私がはじめて知ったのは、実はミステリから。テ レビでその作品を見た時は、「うわっ! 人を誘導させるこんな悪魔の手法があるな んて、すごいやん!!」と、すごく感心したものでした(苦笑)。 もし今、あのドラマが再放送されたらミステリ好きからは総スカンくっちゃうだろうと 思うと、ちょっと寂しく思ったり…。製作年からすると、当時ではまだ成立するかも しれないという余地はあったのかもしれませんが、確かなことは不明です。 え? そのミステリの名前は何だって? ……それは内緒。 ←じゃあ書くなよ(怒)!! |
P.180 13行目 | 本名は 〜関係ない |
本名を明かさない探偵といえば、ダシール・ハメットが生み出したタフな探偵「コンティ ネンタル・オプ」を思い出します。 ※「コンティネンタル・オプ」は「コンティネンタル探偵社の探偵(オペレイティヴ)」の意 味で、名前ではありません。 このオプは非常にタフでクールな男であり、若旦那の性質はこのオプの血筋をひいて いるといっても過言ではないように思えます。 そうです。実はこの「外伝の一 おれたちビッグなエンターテイメント」は、はやみねさ んの手になる、初めての「ハード・ボイルド・ミステリ」でもあったのです!! ……ほんとか(爆)? |
*************** ここから下は お・ま・け ***************
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
---|---|---|
P.16 6行目 | 「はぁ〜りうっど〜」 | アメリカはカリフォルニア州にある大都市、ロサンジェルスにある街の名前で、 数多くの映画制作会社がこの地で生まれたことから、ハリウッドは「映画の都」 として、その名を広く世界に知られることとなりました。ここで作られた映画の数 はそれこそ星の数ほどあることでしょう(笑)。 |
P.16 11行目 | ジョージ・ルーカス | スター・ウォーズを生み出した人物として超有名な人ですが、映画ファンの間で はその前から1960年代前半のアメリカ世相を忠実に描いた青春映画『アメリカ ン・グラフィティ』の監督として有名だったようです。監督作品は以外に少なく、製 作総指揮、脚本等で活躍しています。 |
P.17 3行目 | 「いんでぃ〜 じょ〜んずぅ〜!」 |
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、監督:スティーヴン・スピルバーグという組合せ で作られた超娯楽冒険大作映画、『レイダース 失われた聖櫃(アーク)』の主人 公である考古学者の名前がインディ(インディアナ)・ジョーンズ。演ずるはハリソ ン・フォード。この映画のセットの中にスター・ウォーズを思い起こさせるようなもの がいくつかあったようです。スタッフの遊び心というやつでしょうか。 |
P.19 6行目 | 魔法使いの弟子 | 検索で調べてみると、一番多くでてきたのが「魔法使いの弟子」を含むいくつか のエピソードを、クラシック音楽にのせてアニメに仕立てられた、ディズニーの代 表作『ファンタジア』でした。山田章博さんという方に同名のマンガがあるようで すが、まずこの『ファンタジア』が元ネタでしょう。詳細は後述にて。 |
P.22 12行目 | 革ジャンパーに 鞭にフェドーラ帽 |
先にでたインディー・ジョーンズのいでたちがこれ。決して考古学者全員がこうい ういでたちをしているわけではありません。世の名探偵たち全員が、黒メガネ・大 食い・常識知らずでないのと同様に(笑)。 |
P.36 9行目 | 『デッドライン』 | なにか意味がありそうな店名なので、小ネタの匂いがただよってるように思いま すが、特定できそうにありません。検索すると映画タイトル(アメリカ映画)でもあ り、ゲームタイトル(インフォコム社)でもあり、ミステリタイトル(マーシー・ハイデ ィッシュ著)でもあり、マンガタイトル(曾禰まさこ著)でもありました(爆)。 |
P.39 2行目 | トム、ディック、ハリー | (1)ドイツ軍の捕虜収容所からの大量脱出をはかった男達を描いた映画、『大脱 走』で、脱出用に掘られた3本のトンネルそれぞれにつけられた名前。 (2)『L.A.コンフィデンシャル』の作者として有名なジェイムズ・エルロイの同シリー ズ1作目『ブラック・ダリア』にでてくる被害者のエリザベス・アン・ショートのボ ーイフレンドたちの名前。 (3)「猫も杓子も」といった意味の英語のことわざに 「every Tom, Dick and Harry 」といったものがある。 はてさて。これらの中に元ネタはあるんでしょうか? |
P.48 13行目 | 綾小路 | 小ネタっぽいですが、よくわかりません(汗)。 神谷悠のミステリマンガ「迷宮シリーズ」にも、佐々木倫子のマンガでドラマ化も された『動物のお医者さん』にも、綾小路という人がでてくるようですが…。 「綾小路きみまろ」さんでないことだけは確かだと思います(笑)。 |
P.49 9行目 | ポール・デュカ | 1863年生まれのフランスの作曲家。よく知られてる作品としては、あの有名なデ ィズニーアニメ『ファンタジア』に使われていた「魔法使いの弟子」という曲。そう、 上に書いている「魔法使いの弟子」にかかってるんですね。そしてこの「夜間飛 行」という物語でみられるシチュエーションを考えてみると、この物語は、周到に 伏線をはりめぐらせた、ミステリ好きのはやみねさんならではの、「魔法使い」を テーマにした物語になっているんだと思います。 |
P.89 12〜13行目 | わたしは、GUI〜 が出てくるのだ……? |
わざわざ取りあげておきながら、実は上手く説明できません(爆)。 「最新式の自動製靴機をもらったのでケースを開けてみたら、たくさんの小人 たちが全員、私をにらみつけた」 といった感じでしょうか? ←全然違うって(汗)!! |
P.90 2行目 | 未知との遭遇 | 1977年製作のアメリカ映画。監督はスティーブン・スピルバーグで、異星人との ファースト・コンタクト(最初の接触)を描いた作品。同時期にジョージ・ルーカス 監督の『スター・ウォーズ』も公開されたので、当時、「えらくSF映画が騒がれて るなぁ」と思ったことを覚えています(苦笑)。 ※051105 加藤さんの指摘でスター・ウォーズの監督をスピルバーグとしていた |
P.102 5行目 | 『勝ち抜きエレキ合戦』 | 当時ブームになっていたエレキ・ギターの腕を競い合わせるアマチュア参加番 組の名前がこの『勝ち抜きエレキ合戦』で、昭和40年にスタートしたとのこと。 そして若かりし頃の加山雄三が主演した映画、「若大将」シリーズの6作目で ある「エレキの若大将」で、若大将がエレキ合戦のテレビ番組にでて活躍する というシーンがあるようです。 |
P.119 15行目 p.120 6行目 |
気分は、忍者部隊だ 拳銃は最後の武器だ |
昭和39年にフジテレビ系列で「忍者部隊月光」という実写ドラマの放映が始ま りました。これは現代でありながら、忍術を駆使して人類の平和を守る特殊部 隊の活躍を描いたアクションヒーロー団体もので、原作のマンガ「少年忍者部 隊月光」(作者はあのアニメ製作等会社「タツノコプロ」設立者の吉田竜夫)と は設定がかなり違っていたようです。 「拳銃は最後の武器だ」は、テレビの中で隊長の月光が口にする名ゼリフ。 ちなみに私は昭和41年生まれで、マンガもテレビも実は一度も目にしたことは ありません。それでも番組タイトルもセリフもちゃんと知っているのは、これらは すべて江口寿史のマンガ「すすめ、パイレーツ!」でその存在を知ったのであり ます(爆)。 |
P.146 14行目 〜P.174 6行目 |
"名探偵はつらいよ リターンズ"の内容 |
このシナリオを読んだ時は、その「凄さ」に本当に驚きました。 何が凄いって、一話目の「夜間飛行」のなかでイラストで描かれていた、あの支 離滅裂としか思えない予告編のシーンが、ちゃんと展開にのっかって一本の話 として仕上がってしまってるところが凄いです。ホント、信じられません(驚)。 |