はやみね作品ミステリ小ネタ集  ※人によってはネタバレになるのでご注意を。

少年名探偵
  虹北恭助の冒険

参照本:「少年名探偵 虹北恭助の冒険」 2000年7月5日第1刷発行

 

※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。

該当ページ等 小ネタ 説  明
P.57  13行目 風街美里 このお方は、はやみねさんのノン・シリーズ作品『バイバイ スクール』にも登場
していますが、実はその前から知るひとぞ知るはやみねワールドの有名キャラク
ターだったようです。
はやみねさんの未発表原稿(といってもWEB上のとあるところで公開されていま
すが)である「教授の一日」「教授の初恋」に登場しています。大学はM大学とい
うところで、探偵同好会に所属していたようですが、部員は風街美里の他に勇嶺
美奈湖という可愛い後輩の二人だけ。しかも顧問の先生はあの○○○○○。こ
んなところでもリンクしてたんですねぇ(笑)。
P.65 1行目 「青か赤か…」 「青か赤か ドラマ」で検索してみたら、国産倒叙ミステリドラマ「古畑任三郎」の
文字がでてきましたので、「元ネタはこれ!」と決め打ちしちゃいます(苦笑)。
この話のゲストはスマップの木村拓也。ひょっとしたらこのシチュエーションが怪
盗クイーンシリーズの「あの作品」に生かされたのかもしれませんね(笑)。
P.81 12行目 「じゃあ、
 除霊をはじめます」
この除霊、言い方を変えれば身にまとわりついた霊=憑き物をおとすことの出来
る名探偵が日本のミステリ界に存在します。
その名探偵は“京極堂”という古本屋の主人で、名前は中禅寺秋彦。しかしなが
ら、ほとんどの人は名前でなく屋号の“京極堂”で呼んでいます。
現実の世界の理屈では説明がつかないような事件に巻き込まれ、戸惑い苦しむ
人々を「妖怪(憑き物)がついた」、事件の謎を解明する名探偵を「妖怪(憑き物)
落し」と位置付け、発展させた世界観は素晴らしいものがあると思います。
P.104 2行目 酔いどれ河戸 う〜ん。元ネタがありそうな匂いがプンプンするんですが、判りませんでした(汗)。
元ネタはないのかもしれませんが、何か見当つく方がいらっしゃいましたらご教示
くださいませ。
※上の項目は
 "おまけ"から持込み
※上の追記 とある人からヒントを頂戴して、小ネタらしき解釈が出来ました〜。

酔いどれ河戸(かわど)
→酔いどれかわど
→酔いどれかあと
→酔いどれカート
………ばんざ〜い! ばんざ〜い!!

※エド・マクベインの別名、カート・キャノン名義で書かれたミステリに『酔いどれ探偵
  街を行く』というミステリがあります。主人公は作者名と同じカート・キャノン。
  つまり、「酔いどれカート」ということで……(笑)
  ちなみに。
  この作品の贋作短編を都筑道夫がものにしています。その短編集の名は『酔い
  どれ探偵』(新潮文庫版タイトル)。主人公の名は「クォート・ギャロン」と、ちょっと
  違っています。
P.133 8行目 メヌエット賞 言わずと知れた、講談社主催の社内選考のみによるエンタテイメント文学賞が
元ネタ。持ち込まれる原稿数がどのくらいの量になるのかわかりませんが、そ
れらを全部読むとなると、編集者さんの作業量は凄い量になるんじゃないかと
思われます。「それが仕事」といえばそれまでなんでしょうが、世のエンタメ好き
のためにも、がんばってくださいませ〜。
P.134 10行目 『すべてが
 トウフになる』
N大学工学部助教授の犀川創平と、同学部学生で犀川と親しい関係にある西
之薗萌絵が探偵役として活躍する、いわゆる「S&M」シリーズの1作目。もちろ
んメフィスト賞第1回受賞作となっています(笑)。
P.134 12行目 『コミック』 ミステリ界で独自の地位を築きつつある(?)個性派作家、清涼院流水が第2回
メフィスト賞の受賞者でして、受賞作品名は『コズミック』。一字加えるだけで大違
いですね(笑)。
『コズミック』の発表当時、ミステリ好きの間ではその内容に関して賛否両論の
意見がだされました。否定論のほうが多かったように思いますが、発表からかな
り遅れて、次作の『ジョーカー』とセットにしたスタイルで読んだ私は、かなり楽し
ませていただきました(汗笑)。
P.134 16行目 『迷走する
 メヌエット賞』
本格ミステリにとどまらない作品たちが受賞作として世に出始めたころ、多くのミ
ステリ好きの人たちがメフィスト賞の性質に疑問を持ち始めたらしいです。最近は
本格ミステリに限らない、極論すれば「なんでもあり」のエンタテイメントに対する
賞としてかなり認知されているように思えます。最近では舞城王太郎、佐藤友哉
、西尾維新といった受賞作家さんたちが幅をきかせているようです。私は全てま
だ未読の状態ですが(汗)。
P.135 5行目 あ、『数の子
広告(ビラ)だ!』
あ、『数の子広告(ビラ)だ!』
→あ数の子広告(ビラ)だ!
→あかずのこびらだ!
→あかずのとびらだ!
→あかずの扉だ!
→『ドッペルゲンガー宮―〈あかずの扉〉研究会流氷館へ』
   (第12回メフィスト賞受賞作。作者は霧舎巧)
………ばんざ〜い! ばんざ〜い!!
P.135 5行目 和鋏とお琴 和鋏(わばさみ)とお琴(こと)
→わばさみとおこと
→わばさみとおとこ
→わバサミ男
→『ハサミ男』(第13回メフィスト賞受賞作。作者は殊能将之)
………ばんざ〜い! ばんざ〜い!!

※追記

P.135 11〜12行目

わけわかんない
ものばかり
※魚塚塵さん からの情報
『商店街芸術化計画のわけわかんない芸術作品ってもしかして『UNKNOWN』
 (古処誠二)では・・?
わけわかんない=未知のもの=unknown
なーんてただの古処びいきのたわごとなんで聞き流してやってください(滝汗』
ということです。 おおっ! これは素晴らしいです(笑)!!

ただ、気になることが一つ(汗)。
  ・この「透明人間」の話の初出が雑誌メフィスト2000年1月号
  ・『UNKNOWN』の出版が2000年4月
「透明人間」の執筆時に「UNKNOWN」という作品をはやみねさんが既に知って
いたのかどうかが気になるところ。
でも、「透明人間」を含む各作とも、単行本所収の際に加筆されてるらしいので、
そこでこの箇所が加筆された可能性もあるだろうし……。
真相はちょっとわかりませんが、んでも、この情報はとても面白いので、追記させ
ていただきます〜。

P.155 7行目 木の葉は森に隠せ 短編ミステリとしては、あのシャーロック・ホームズ譚をしのぐとも言われている
のが、イギリスの御大作家、G・K・チェスタトンが生み出したブラウン神父シリ
ーズ。そのうちの一話、『折れた剣』(短編集「ブラウン神父の童心」所収)のな
かにある有名なフレーズがこれ。ブラウン神父シリーズは物事を逆説的にとらえ
たものが多く、ホームズ譚に比べて少し読みにくいのですが、ハマれば夢中に
なること間違いなし!! といったところでしょうか(笑)?
P.181 7行目 『犬神家の一族』 横溝正史の長編ミステリですが、ここでは映画化されたものについて。
横溝ミステリ映画は実は古くからありまして、戦後まもない昭和22年に既に『本
陣殺人事件』が『三本指の男』というタイトルで公開されました。金田一耕助を演
じたのは片岡千恵蔵で、この段階で『犬神家の一族』も、『犬神家の謎・悪魔は
踊る』というタイトルで映画化されています。
でも一般的に知名度が高いのは、やっぱり横溝ブームにのって角川春樹事務所
が製作、監督が市川昆で石坂浩二が金田一耕助に扮した昭和51年公開のもの
でしょう。助清のゴムマスクはやっぱり強烈なインパクトでありました(笑)。

 

*************** ここから下は お・ま・け ***************

該当ページ等 小ネタ 説  明
P.14 10行目 軍人将棋 大将、中将、少将、ヒコーキ、タンク、スパイなどと書かれた駒を伏せ、盤上で駒を
進めて、相手の「司令部」にいち早く駒をのり込ませたほうが勝ちとなる将棋の一
種。駒を進めていくなかで、相手の駒とぶつかったときは審判が両者の駒の種類
を確認し、定められた勝敗ルールにのっとって勝ち負けを判定します。
私が小さい頃によく遊んだゲーム。盤となる紙はペラペラ、色鮮やかな黄色とオレ
ンジ色の駒と、将棋や五目並べとはかなり異なった、チープな匂いがぷんぷんす
るゲームでした(笑)。
P.62 16行目 『死霊 第9章』 埴谷雄高は日本の文芸作家で、1997年2月に87歳で亡くなられました。『死霊』
は氏の代表作として名高い作品。
検索してヒットした埴谷雄高関連のサイトをいくつかぼんやり眺めてみました。
・・・・・『死霊』の内容、難しそう(爆)。
食わず嫌いで私はいまだこの作品を読んでおりませんし、この先も恐らく手を出
すことはないでしょうが、これは悪い見本(汗)。
好奇心旺盛な人はぜひともチャレンジしてみてくださいませ〜。
P.75 1行目 『大怪獣』 「なんでこんな奇妙な名前を付けたのか?」ということですが、それはやっぱりカ
メラ屋さんだからでしょう。
  『大怪獣』というカメラ屋。
  『大怪獣』カメラ屋。
  大怪獣カメラ
  大怪獣ガメラ・・・・・。
ということで、引っ付けるとあのガメラ初登場時の映画タイトル『大怪獣ガメラ』に
なるのです(笑)。
P.106 10行目 透明人間 『透明人間』を最初に生み出したのはイギリスの作家、H・G・ウェルズとのこと。
他に『宇宙戦争』、『タイムマシン』などの有名作があります。『海底二万里』、
『地底旅行』などで有名なジュール・ヴェルヌとならんで、SFの開祖とされてい
ます。
このウェルズとヴェルヌ。ともに月世界旅行をテーマにした作品があるようで、
一度読み比べてみたいなという気がしてます(笑)。
P.115 2行目 ゾロアスター教 古代イランの宗教で、教義で火を重視する事から拝火教ということもあるそうです。
開祖はザラスシュトラという人だそうで、綴りは確認できてないんですが、この名
の英語名が「ゾロアスター」になるとのこと。ちなみにドイツ語名は「ツァラトストラ」。
う〜ん。なんだかとってもよく耳にするお名前です(笑)。
P.124 13行目 カルチェラタン フランスはパリのセーヌ川左岸に広がる学生街をカルチェラタンと呼ぶそうです。
意味は「ラテン語の街区」とのこと。フランスの大学としてよく耳にするソルボン
ヌ大学もここにあるそうです。
P.134 12行目 SAMANA書店 かなり気前のいい本屋さんですね。こんな商売で本当に経営が成り立つのか
どうか疑問です。家族の方たちはすっごく苦労されてるんじゃないでしょうか。
お気の毒に思います……って、私がその店長だったんですね(爆)。
※実際はしがない一サラリーマンですので誤解されないように願います(笑)。
P.138 12行目 シェークスピア 1500年代末期から1600年代初期のイギリス、エリザベス朝期に活躍した世界で
最も有名な劇作家ともいえる人。
『真夏の夜の夢』、『ベニスの商人』、『ハムレット』、『オセロ』、『リア王』、『ロミオ
とジュリエット』といったタイトルは、きっとどこかで聞いたことがあるかと思われま
す。これら全部がシェークスピアの作品であります。
P.146 8〜9行目 ケルルンクック 福島県いわき市出身で、蛙にまつわる詩を数多く残した詩人、草野心平に『春の
うた』という詩があり、その中にでてくる語句がこれ。たぶん蛙の鳴き声なんでしょ
うね。
P.184 4行目 『男はつらいよ』 祭り・縁日の客を目当てに商売するテキ屋。そのテキ屋稼業で全国を旅しながら
いろいろ騒ぎを巻き起こす「フーテンの寅」こと車寅次郎の行動を描いたのがこの
『男はつらいよ』シリーズ。寅次郎を演ずるのは喜劇役者の渥美清。国民的映画
と形容されることもあるほど、人気の高い映画シリーズだったようです。
余談ですが、主役俳優の渥美清も映画『八つ墓村』で金田一耕助を演じたことが
あります。
P.191 9行目 ディオゲネス 樽の中で生活していたとか、アレキサンダー大王との面白いやりとりの逸話とか、
型破りなイメージのある哲学者。日本のミステリ作家である小峰元の、哲学者の
名前を冠した青春ミステリ・シリーズにも登場している。そのタイトルは『ディオゲ
ネスは午前三時に笑う』。内容が忘却の彼方となった今では、意味不明なタイト
ルであります(苦笑)。
P.195 8行目 『第三の男』 1949年製作のイギリス映画。監督はキャロル・リードで、主なキャストはオーソ
ン・ウェルズ、ジョゼフ・コットン、アリダ・ヴァリ。
あらすじを見る限りではサスペンスものになりますが、ストーリー以外にも映像、
音響、音楽、そしていくつもの名シーンで映画史にその名を残す名作とのこと。
P.197 4行目 『気狂いピエロ』 1965年製作のフランス映画。ジャン=リュック・ゴダール監督で、主なキャストは
ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ。
斬新な演出や手法等で、映画界に新しい波(ヌーヴェル・バーグ)をもたらしたと
されるゴダール監督の集大成ともいえる作品だそうです。
P.239 14、15行目 MO、CD-R 余談ですが、この文章から、「Zip」というメディア名を書き足せないはやみねさん
の無念さを、ひしひしと感じてしまうのは私だけ(爆)?
※上の文章を読んで「なんのこっちゃ」と思われた方は、はやみねさんの公式HP
  コンテンツ、「だカル」を参照願います(笑)。
P.301 2行目 二時間三十五分 あとがきのこの部分を読んで、はじめてこれに元ネタがあると知ってビックリしま
した。さっそく検索で調べたところ、これがたぶん元ネタだろうというものを見つけ
ました。
日本のロック・バンドのカリスマ的存在といえるRCサクセションのデビュー・アル
バム『
初期のRC・サクセション』の1曲目が「2時間35分」という曲であります。
この頃はまだ忌野清志郎
小林和生・破廉ケンチの3人組だったようです。

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