はやみね作品ミステリ小ネタ集 ※人によってはネタバレになるのでご注意を。 |
いつも心に好奇心(ミステリー)! |
参照本:『いつも心に好奇心(ミステリー)』内の「怪盗クィーンからの予告状」 2000年9月25日第1刷発行 |
※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.26 1行目 | なぜかゴールド カードをもって〜 |
深読み・・・というよりも、言いがかりに近いミステリ関連ネタにしたてあげ ます(爆)。昔のマンガの「王道」路線をきっちりふまえてるように思えるマ ンガ家、細野不二彦が10年以上前に書いたちょとクセのあるマンガ『東 京探偵団』で、お金が使いたい放題の何とも羨ましい「C.J.カード」なるも のがありました。 ゴールドカードとすっごく関連してますね ←してないよ(爆)!! |
※新たに追加 P.7 3行目 〜P.8 6行目 |
黒い巨大な〜 のかもしれない |
※國桃櫻さん からの情報 「飛行船に乗船しているクィーンというシチュエーションのほうが「東京探 偵団」らしいのでは?」とのご指摘をいただきました。 全くもって、おっしゃるとおりでございますぅ。そうかそうか。探偵団のスポ ンサーである美少女もそういえばクィーンと呼ばれていたんですね。 完璧に忘れてました(汗)。 |
P.30 1行目 | メフィスト賞 | 大手出版社の講談社が、原稿持ち込みによって京極夏彦の存在を見出し たことをきっかけにして、選考による段階選抜方式でなく、直接編集者が 手にした応募作のなかから優れていると思われる作品に賞を与えるスタ イルが生み出されました。それがこのメフィスト賞です。 第一回受賞作は今をときめく森雅嗣の『すべてがFになる』(実際の応募 作ではなかったらしいですが)でした。その後、ミステリを中心にエンタテ イメント作品が次々に世にだされました。 いろんな意見はあるでしょうが、さまざまな才能が世にでる機会を与えら れたことは良いことだと思います。その後の「作家間の生存競争」はかな り大変だとは思いますが(爆)。 |
P.41 11行目 | 教授の敗北だった | 「なぜ、いつもあんなにいじきたない教授がこのときはご飯粒を一つ残し てしまったのか?」 これをネタにワイワイガヤガヤ楽しく騒いだことがあ りますね(笑)。詳しくは、 「はやみねかおるの拡がるプラレールの世界」TOPの「文芸部」をクリ ックしてみてくださいまし。迷探偵が謎を解いてはります(笑)。 |
P.57 7行目 | 国際警察 (インターポール) |
この組織の存在を知ったのは、世の多くの人と同様にアニメ『ルパン三 世』からでした(汗)。インターポールといえばやっぱり銭形警部ですも んね(笑)。で、ちょっと調べてみたら現在(2003.3)、本部はフランスに あるとのこと。そんなことすら知りませんでした(爆)。 |
P.67 7行目 | 名探偵対怪盗 | 非常に魅力的な言い回しなんですが、別の作品の小ネタ集でおチャラけ て例をだしたことがありますが、実例作となるとホント2、3の例しかあげ ることができません。ルパン、二十面相、シリウスぐらいでしょうか(爆)? ただ、マニアックなミステリファンにも受けのよい作家、芦辺拓に『怪人対 名探偵』というその名もズバリのようなミステリ作品があります。いまだ 積読順番待ち状態なので、この作品に触れられないのが残念です(汗)。 |
P.89 2〜3行目 | 吉村達也 『カサブランカ 殺人事件』 |
国内ミステリ作家で多作家10人を選ぶとすれば、まず恐らく名を連ねる であろうほど、たくさんのミステリを量産している作家。コアなミステリファ ンにも結構支持者がいるようで、私も気になっているんですがどれから手 をだしてよいのやらわからなくてそのままです(爆)。 『カサブランカ殺人事件』はデビュー2作目で1987年に刊行、1991年に 『逆密室殺人事件』と改題して文庫化、2000年にはその文庫の新装版 がでているとのこと(角川文庫)。 密室というのは一般的に「閉じている」ものですが、この事件の現場はま さに逆で、窓・扉から引き出しといったものがすべて「開けっぴろげ」にな っているらしいので、これを吉村ミステリ初体験作にするのがいいかもしれ ませんね。 |
P.98 11〜14行目 | かなりとばしている〜 すりぬけていった |
この本に所収されている「パスワード電子猫事件」(松原秀行)の話とリ ンクしている部分です。どうリンクしているかはP.387〜P.389を参照して くださいまし。ちなみにP.387でそれぞれの作品の挿絵担当者(村田四 郎・梶山直美)も共作されてます。お疲れ様でございました〜(笑)。 |
P.128 1行目 | Q.E.D | もともとはラテン語で「これが証明されるべきことであった」といった意味 だそうです。数学の証明問題などで証明を完了させた最後に引用する 言葉。 ミステリでは、ロジックものの大家、エラリー・クィーンのいくつかの作品 で、名探偵のクィーンが何かの謎に対して推理を披露したとき、この言 葉で締め括るのが有名。キザですねぇ(苦笑)。 でもミステリ好き、特にロジックものといわれるミステリが好きな人たち にとってはとても思い入れのある言葉なので、変に使用したりするとそ れらの人たちから総スカンをくらっってしまうという、恐ろしい言葉でもあ ります(笑)。 |
P.135 15行目〜 P.136 1行目 |
すこしブービー〜 はいらないほうがいい |
戦いの経験のない人たちが、事件に巻き込まれてしまって身の危険か ら守るために、戦いのプロから戦術の指導を受け、罠などをしかけて敵 に対抗するといった話があります。 日本では一般的にも評価が高いけれど、ミステリ好きには更に評価の 高い(笑)、浦沢直樹のマンガ『パイナップル・アーミー』が有名。 ジェド・豪士という主人公が指導教官として活躍しています。 で、たぶんこういうタイプの先駆的な作品じゃないか? と私が勝手に 想像している作品があります。それはユーモア冒険ミステリで日本にも ファンの多いトニー・ケンリックが書いた『バーニーよ銃をとれ』。角川文庫 ででてましたが、たぶん品切れ状態。もし古本屋さんで見かけたらぜひ 手にとってみてください。面白い作品で私は感動してしまいました(笑)。 |
P.142 3行目 | SAS | 昔、この文字が頭についた冒険モノのシリーズを見たことがありますが、 最近になってちょっと気になりだしてます(汗)。検索で調べてみるとどう やらパリ出身の作家、ジェラール・ド・ヴィリエによる「プリンス・マルコ」 シリーズというものらしいです。創元推理文庫からでてたらしく、結構作 品数もあったので、人気の高いシリーズだったのかもしれません。 ううん、どうしようかしら・・・(爆)。 |
※追記 P.155 1行目 |
怪盗は、たぶん魔法を使う | ※夜川深夜さん からの情報 青春ミステリとして評判の高い『風少女』『ぼくと、ぼくらの夏』の作者と して知られているのがミステリ作家の樋口有介。この作者が生み出し、 『初恋よ、さよならのキスをしよう』、『誰もわたしを愛さない』といった一 連のハードボイルド系作品で探偵役をつとめる、元刑事で独自の人生 観・女性観を持つ柚木草平の初登場作品のタイトルが『彼女はたぶん 魔法を使う』であります。「彼女」が「怪盗」に置き換えられてますね。 あっ! これはひょっとするとクイーンが女性(=彼女)という伏線なの かも? ←違う違う(爆) |
*************** ここから下は お・ま・け ***************
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.7 4行目 | TROUBADOUR (トルバドウール) |
吟遊詩人(南フランスを中心に、12世紀から13世紀に活躍した中世の詩 人兼音楽家たちのことらしい)の意味。かなりロマンチックな響きでまさに 「怪盗」がつけそうな名前だと思います(笑)。 |
P.7 5行目 | ツェッペリン号 | フェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵という長い名前の人が会社を設 立して作った飛行船がこのツェッペリン号。でも積載量が300kgしかなか ったらしく、会社は解散の憂き目にあったようです(汗)。 余談ですが、映画評論家の淀川長治が「レッド・ツェッペリン」といったタイ トルの映画を見ることになって「赤く燃えるツェッペリン号を舞台にしたスペ クタクル映画だろう」と思ってたところ、実はイギリスのバンド「レッド・ツェッ ペリン」の記録映画だったという話を淀川さん自身のコラムで読んだことが あります。でも結構好意的な評だったので驚いた記憶があります(笑)。 |
P.9 12行目 | シャトー・ラトゥール | 製造年にもよるんでしょうけど、まず私が自腹で買うことはない高級ワイン のようです(爆)。 |
P.26 5行目 | ゆりかごから 墓場まで |
イギリスの手厚い社会福祉制度を例えた言葉です。人が生まれてから死 ぬまで、福祉の眼が行き届いてるってことを表しているんでしょうね。 |
P.26 12行目 | 気狂いピエロ | 今までの映画のない新しい表現運動を指す、フランス語で「新しい波」とい う意味の言葉「ヌーヴェル・バーグ」の第一人者、ジャン=リュック・ゴダー ル監督がつくった映画のタイトルがこれと同じです。フランスの個性派俳優 であるジャン=ポール・ベルモンド主演。 |
P.36 7行目 | 大食い大会 | 「大食い大会」という設定ではないけれど、「大食い」を一つの素材として扱 ったものとして私のなかでとても印象深いマンガがあります。ミステリファン には、ハヤカワ文庫のサラ・パレッキー作品でのイラストでお馴染みの江口 寿史の名作ギャグマンガ「すすめ !! パイレーツ」後半期に描かれた一作。 チームの一員である粳寅(うるとら)満太郎の父、粳寅満次が中華料理店 に入って店のメニューを一品ずつ注文し、店にある全料理制覇に挑むという もの。ナンセンスな名作ですので興味のある方はぜひ(笑)!! |
P.65 2行目 | 壇呂の『迷える人』 | この語句からすぐに思い浮かぶのがフランスの彫刻家オーギュスト・デュパ ン・・・ならぬ(汗)、オーギュスト・ロダンの彫刻「考える人」。 日本人が思い浮かぶ彫刻の代表的存在ともいえるこの「考える人」は、実 は美術館の装飾扉としてつくられた『地獄の門』の中央に位置するものだっ たようですが、この『地獄の門』は結局未完に終り、「考える人」は後に独立 して完成させたものだとのこと。 |
P.66 7〜9行目 | すべての彫刻は〜、 といっている |
この主張と精神的に繋がりがあると思われるのは、ミステリファンにも人気 の高い細野不二彦の美術マンガ『ギャラリー・フェイク』の1巻におさめられた 「触角の絆」で主人公の藤田のもつ彫刻観。ぜひご一読を(笑)。 |
P.84 5行目 | BOVET社製 | 1822年に時計職人であったエドアール・ボヴェがフルリエ村で興したそうで す。このメーカー、私は初耳でございました(汗)。 |
P.88 3行目 | 青汁 | 生の緑黄色野菜をすりつぶして搾った汁を青汁と呼ぶようです。私なんか は製造過程を想像しただけで、そのまずそうなイメージにかなりげんなりし てしまいます(汗)。 |
P.108 10行目 | マグリット | ベルギーの画家であるルネ・マグリットのこと。宙に浮かぶ岩の上の城(ピ レネの城)や、明るいまっ昼間の空と夜の街との共存(光の帝国)させたり と、なんとも非現実的で摩訶不思議な感覚にとらわれてしまう作品が有名。 |
P.137 4行目〜 P.140 14行目 |
そして黒田さんは〜 こわくなかった |
ここで書かれた内容は非常に難しい問題で、簡単に答えがでるもんじゃな いんでしょうね。でも、「こういう問題がある」ということと「それに対して私は こう考える」という、自分なりの考えを持っておくことは非常に大事なことだ と思います。 |
P.160 13行目 | 蟷螂拳、形意拳 | ともに中国武術の一派。蟷螂拳は山東省の王朝によって生まれたそうで、 蟷螂(かまきり)の動作を元にして作られたのでこの名がついたそうです。 形意拳は山西省の姫隆風という人によって創始されたとのこと。動物の動 作の特徴をとりいれた形もあるらしいです(笑)。 |
P.162 8行目 | 鳴かぬなら殺し てしまえホトトギス |
このひと言から恐怖の連続殺人がはじまった・・・わけではなく(爆)、戦国 時代の三人の武将、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康のそれぞれの性格を 「鳴かぬなら〜ホトトギス」という語句を使って言い表した俳句のひとつで、 この句は織田信長の性格をあらわしたもの。ちなみに秀吉は「〜鳴かせて みよう〜」で、家康は「〜鳴くまでまとう〜」であります。 |
P.183 2行目 | ショッカー | 昔は子供達のヒーロー、今は若奥様たち(汗)のヒーローに変わりつつあ る仮面ライダーですが、仮面ライダー初期シリーズの敵組織の名称がこ の「ショッカー」であります。 |
P.190 6行目 | このマンガを〜 | このマンガは実在します。作者は「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫。 マンガのタイトルはあえて書きません。が、ヒントをちょっとだけ(苦笑)。 このマンガの主人公の誕生日は2003年4月7日です。 興味をもたれた人は、いちど手塚少年マンガを手にとってみてください。 古いタイプのマンガですけど、人の、いつまでも変わらない「何か」が、き っと見つかるはずですから(笑)。 |