はやみね作品ミステリ小ネタ集 ※人によってはネタバレになるのでご注意を。 |
ギヤマン壺の謎 |
参照本:「ギヤマン壺の謎―名探偵夢水清志郎事件ノート外伝―」 1999年7月15日第1刷発行 |
※説明をみる場合は空欄を反転して表示ください。
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.11 13行目 | ジョゼフ=ベル | ホームズの生みの親、コナン・ドイルの師で、ホームズのモデルとなった 人だそうです。ホームズが『緋色の研究』でみせたような、観察力に基づ く数々の推理を、この人は実際にやっていたらしいです。 |
P.13 4〜5行目 | オーギュスト・デュパン | エドガー・アラン・ポーが生み出した名探偵。今、活躍してる名探偵たちの 祖先ともいうべき人。昼間から窓を閉めきって人工的に夜をつくりだすなど、 「名探偵=ちょっと変わった人」という図式も恐らくこの人が発祥ではないか と・・・(苦笑)。登場する作品は『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』『マリ ー=ロジェの怪事件』の3作品のみ。 |
P.13 7行目 | 避雷針 | ・・・・とっ、とにかくデュパン登場作品を読んでみましょう(汗笑)! |
P.26 10行目 | バリツ | ホームズが学んだことがあるという日本の武術(格闘術?)の一種。宿敵 モリアーティ教授との争いで、このバリツを学んでいたおかげでホームズは 助かりました。で、この聞きなれない言葉「バリツ」とはいったいどういう武 術なのかというと、実はいまだによくわかっていません(汗)。 ・柔術の技法を取り入れた護身術 (バートン・ライトという人がロンドンで一般に教えてたらしい) ・柔術(柔道)の発音が訛ったもの ・ロシア語の「боец(バエーツ)」が訛ったもの (バエーツは「(日本の)相撲」という意味らしいが未確認(汗)) など諸説多数。 |
P.30 14行目 | 三河町の半七親分 | 明治時代に生まれた劇作家、小説家の岡本綺堂による『半七捕物帳』の 主人公。シャーロック・ホームズものの影響を受け、「江戸時代を舞台にし た探偵小説」との位置付けで書かれたとのこと。 読むまでは「昔語り」形式と知らず、軽く驚いたことを覚えています(汗)。 |
P.30 14行目 | 黒門町の伝七親分 | 名前はよく聞くけど、作者はいったい誰なんだろう・・とネット検索で調べて みたら、なんとまぁいろんな人が書いているらしくてビックリ(汗)。 有名どころで野村胡堂、城昌幸、横溝正史、山手樹一郎、角田喜久雄、 村上元三、高木彬光、島田一男,などなど。 どうやら「捕物作家クラブ」同人たちによる共通キャラクターとして企画・競 作されたものらしいです。これはちょっと読んでみたいかも(笑)? |
P.30 14〜15行目 | 神田お玉が池の佐七親分 | 『獄門島』等の金田一耕助、『蝶々殺人事件』等の由利麟太郎を生み出 した横溝正史は、実はこの佐七をも生みだしているのであります(笑)。 『人形佐七捕物帳』は、その男前ぶりが「まるで人形のよう」ということで 「人形」というあだ名がついた主人公の佐七とその女房のお粂、それに 手下の"きんちゃくの辰"と"うらなりの豆六"を加えた捕物帳で、多数の 作品があるようです。 |
P.33 6行目 | 「事件は番屋でおこってる んじゃない。 現場でおこってるんだ。」 |
フジテレビ系列で放映され、ミステリ好きにも多数のファンを生み出した 『踊る大捜査線』の映画版で主役の青島俊作(織田裕二)がお偉い上司 達に聞かせた名言が元ネタ。 個人的にはテレビ版で恩田すみれ(深津絵里)のストーカー(伊集院光) が自ら撮ったビデオをすみれが見た時の「一言」がとても恐ろしかったで す(汗)。 |
P.62 2行目 | からくり訓蒙鑑草 | 「からくり」という文字がでません(汗)。江戸時代にだされたからくり人形 についての本。作者は「多賀谷 環中仙」という人とのこと。ネットで調べ たら泡坂妻夫さん関連のページでこれがでてまいりました。『11枚のとら んぷ』『びいどろの筆』で触れられているそうです。 しかし、この時代背景でもあくまでミステリ関連の本をだしてくるとは・・・。 本当に頭が下がりますです(笑)。 |
P.66 6行目 | 密室 | この言葉が「P.66の6行目」で「666」という、ホラー映画「オーメン」で示さ れるところの「不吉な数字」のところにくるのが意味深だと思うのは考え 過ぎでしょうか(笑)? ・ヴァン・ダイン『ケンネル殺人事件』 ・カーター・ディクスン『ユダの窓』 ・エラリィ・クィーン『チャイナ橙の謎』(または『日本樫鳥の謎』) ・ノナルド・A・ノックス『密室の行者』(短編) ・クリスチアナ・ブランド『ジェミニイ・クリケット事件』(短編) ・横溝正史『本陣殺人事件』 ・高木彬光『刺青殺人事件』 ・島田荘司『斜め屋敷の犯罪』 ・小森健太朗『ローウェル城の密室』 ・鮎川哲也『赤い密室』(短編) ・土屋隆夫『最後の密室』(短編) さあさあ、いざ飛び込まん。「悪魔」の世界へ・・・・・(笑)。 |
P.170 13行目 | 不思議な事件 | ううううう。何かありそうな匂いがぷんぷんするんですが、元ネタを思いつ きません。都筑さんの「砂絵」シリーズか、泡坂さんの時代物か、はたま た半七、顎十郎等、数ある捕物帳のうちのどれかなのか・・・。 思い過ごしかもしれませんが気になります(苦笑)。 |
P.186 14〜15行目 | まどをしめたまま〜 ろうそくのあかりで〜 |
江戸川乱歩の土蔵での執筆情景を思い浮かべてしまいます(笑)。 が、どうやらこれはあくまで伝説・逸話・噂のたぐいのようであります。 あしからず(汗)。 |
P.191 5行目 | 怪盗九印 | 書き方を少し変えれば「怪盗クイ(ー)ン」。う〜ん。こんな時から怪盗もの の伏線をはっていたんでしょうか(笑)? |
P.192 15行目 〜P.193 1行目 |
値打ちのあるもの〜 ぜったいにぬすまない〜 |
このタイプの怪盗で有名なのは、短編の名手としてその名を知られたエド ワード・D・ホックが生み出した「怪盗ニック・ヴェルベット」です。盗むものは 例えば囚人の持ってるカレンダーだったり、、プールの水だったり、使用済 みのティーバックだったりと、まさに値打ちがありません(笑)。 |
P.249 12行目 | まるで重力から解放 されたみたいにとんだ |
こんな大技が出来そうな人、他には「マメゾー」しか思い浮かびません(笑)。 このマメゾーは、都筑道夫の「なめくじ長屋」シリーズにでてくる、道端で身 軽な技をみせて金を稼ぐ大道曲芸師。「砂絵のセンセー」が名探偵役の主 人公ならば、こちらは副主人公といってもいいくらい大活躍してる人物です。 ミステリ好きの中には、きっとマメゾー・ファンの人も多いはず(笑)。 |
*************** ここから下は お・ま・け ***************
該当ページ等 | 小ネタ | 説 明 |
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P.7 3〜4行目 | 『デイリー・ニュース』〜 エディンバラ |
イギリスの新聞会社。文豪チャールズ・ディケンズが創刊したとのこと。 また、『トレント最後の事件』で有名なイギリスのミステリ作家E・C・ベン トリーはここの記者だったことがあるようです。 エディンバラはイギリス北部、スコットランドの首都。 |
P.7 8行目 | クイーンズ・イングリッシュ | おおよそは「(教養高いイギリス人が話す)標準的な英語」といった意味。 日本語でいうなら標準語みたいなものでしょうか。だったらアメリカ英語、 特にブロークンな英語はさしずめ大阪弁になるんでしょうか(汗)? |
P.27 1行目 | 『水晶宮』 | 万博の時に建設された鉄とガラスの建築物。 全長563m、幅124m、中央頂部の高さ33mとのこと。 水晶でできた宮殿のようだとのことから、この名前がつけられたそうです。 |
P.35 4〜5行目 | ウシのちちしぼりを 思わせるような名前 |
恐らくは出島のオランダ商館医として派遣されたドイツ人医師のシーボ ルトのことでしょう。 医師シーボルト、いししーぼると、ちししーぼると、ちちしーぼる・・・・。 バンザーイッ(爆)!! |
P.47 9行目 | 犯人は、もっともあやしくない 人間って、きまってるんだ |
ミステリは意外性を重視する面があるので、最も怪しくない人間を犯人 とする話がまず多く書かれ、それではすぐに犯人の見当がつきやすい から、次には最も怪しいやつが犯人である話が多く書かれ、そうすると 意外性がなくなるからまた最も怪しくない人が犯人となる話が多くなっ て・・・・。そうしてミステリは迷宮の袋小路に入り込むのです(嘘)。 |
P.49 10行目 | 赤本や青本、黒本が〜 黄表紙、錦絵、かわら版 |
子供・女性向けという建前で、挿絵が主・本文が従といったかたちの本 が江戸時代にあり、時代によってその名が変わったとのこと。最初が赤 本、次に黒本、青本、黄表紙の順。 錦絵は浮世絵の一種で、幕末期は世相風俗を描写した作品が多かっ たようです。かわら版は世に起きた事件をいち早く伝える情報紙で、今 でいう号外みたいなもの。 |
P.87 7行目 | 組合角に桔梗 | 紋とは、他の人・物と区別するための模様のこと。この紋はある有名な 歴史上の人物の紋であります。それが誰なのかは内緒(汗)。 |
P.91 13行目 | 才谷梅太郎 | 幕末の頃、ある人たちは幕府等からの追及を逃れるため、変名を持っ ていた人が多くいます。この名前も実は変名です。「才谷」は今の高 知県南国市の才谷地区からとられたものだそうです(笑)。 |
P.98 14行目 | すみす あんど うえっそん | アメリカの銃器メーカー。第二型というのは33口径らしいです。で、この ピストルは京都伏見のとある旅籠(はたご)で紛失した模様。 |
P.102 1行目 | 攘夷論、開国論、佐幕派 | 攘夷論―外国との通商に反対し、外国の排撃を主張する思想。 開国論―攘夷に反対し、鎖国をやめ外交関係を結ぶべしとした主張。 佐幕派―江戸幕府に忠節を尽くす一派・団体 う〜ん。まさに激動の時代だったんですねぇ(しみじみ)。 |
P.103 5行目 | 『すてき』 | ステーキのこと。私も好きですが滅多に食べることが出来ません(泣)。 |
P.109 13〜14行目 | 北辰一刀流 長刀兵法の目録 |
北辰一刀流は江戸後期の剣術界の流派のひとつ。千葉周作という人が 創始者。道場は神田お玉が池にもあったらしい。ひょっとすると人形佐七 にでてくるのかも(笑)? 目録は免許状みたいなものらしいので、梅太郎は長刀の「使い手」だと いえそうですね。 |
P.113 14行目 | 箱根の寄せ木細工 | たくさんの種類の木材を使い、それぞれの色や木目を活用して精緻な 模様をあしらった木工芸品。この時代でもミステリの論理性をたとえる ものがあることに驚いてしまいます(笑)。 |
P.116 6行目 | 銀十二匁 | う〜ん。なんだか国内ミステリ界の「粋なご隠居」都筑道夫さんの『な めくじ長屋』シリーズにでてきそうな額面であります(爆)。 ※本当にでてるかどうかは不明(汗) |
P.122 3行目 | 異国では、 カタツムリを食うたとも〜 |
日本では「エスカルゴ」と呼ばれている食用カタツムリはあります。フ ランスでは代表的な食材のひとつ・・・・・なのかなぁ(苦笑)? |
P.141 7行目 | 『せく はんど』 | 「シェイク・ハンド」でしょう。いわゆる「握手」であります。そういえば私は ここ何年(十何年?)、大人の人と握手をしたことがないなぁ・・・(爆)。 |
P.149 7行目 | 総司 | 江戸末期、京都の治安を守るために結成された国の組織を「新撰組」と いいます。その幹部の一人であり、若いながらも剣の技にすばらしく秀 でた人物がこの沖田総司。しかしながら結核におかされて短命でありま した。 |
P.150 11行目 | 近藤さん | 新撰組局長。局長とはいわゆる組のトップの人。100人以上の組織だっ たとのことなので、剣の腕はもちろん、人望も厚くないと出来なかったん じゃないかと思われます。このシーンではそんな姿もあらわされてるよう に思います。「両ほほのえくぼ」も含めて(笑)。 |
P.151 1行目 | 土方歳三 | こちらは新撰組の副長。局長を補佐する人で、新撰組の活動のため部 下に、更には自分自身にも大変厳しい人だったようです。写真が残って いて、それを見る限りでは本当に美男。でもその性格はもっともっと美男 だったように感じさせます。 |
P.162 5行目 | 中村半次郎 | 「人斬り半次郎」というぶっそうな異名も持つ人。ただ、実際に人を斬った 記録として残されているのは一度だけだし、実際には偵察や交渉など、 他の活動でいろいろ活躍してたそうです。剣の腕は本当に凄いようだっ たので、「人斬り」は噂が噂をよんだものかもしれませんね。 |
P.164 1行目 | 加州金沢在長兵衛藤原清光 | 長い文字ですね。出身地等も含まれてるんでしょうが、これでたぶん人の 名前になるんだと思います(汗)。実践的な刀を作る人だったようですが、 かなり偏屈な人でもあったそうです(笑)。 |
P.164 14行目 | 天真流 | はやみねさんが考えた独自の流派ですが、この「ネーミング」に関する元 ネタはあるかもしれない・・・ということであげてみます(汗)。 ・近藤、土方、沖田などが習得していた「天然理心流」からの発想 ・「鉄人28号」「バビル2世」「三国志」などの作品でおなじみのマンガ家、 横山光輝のマンガ『暗殺道場』(設定が都筑道夫の名作『なめくじに聞 いてみろ』に似てるらしい)にでてくる、天真流という流派名。 ・昭和のミステリ作家「天藤真」からの連想。 などなど。まさに無理矢理(爆)。 |
P.170 3行目 | 江戸城の 庭そうじをする人たち |
恐らく「御庭番」のことだと思われます(笑)。御庭番は徳川幕府八代目将 軍の徳川吉宗が設置した、将軍直属の情報収集機関とのこと。でもなん で情報機関に「御庭番」という名称がついたのかは不明。やっぱり職務を 公にしたくなかったのかしら? |
P.186 8行目 | 絵者さん | オランダ出身の版画家、グラフィック・アーティストにM.C.エッシャーという 人がいます。この人の作品でよく知られてるのはいわゆる「騙し絵」で、 その幾何学的で精緻な構成・タッチと、そこから浮かび上がるめくるめく 怪しさは、美術界よりも数学者の間で評判になって作品が有名になった ようです。ちなみにエッシャーの父親は明治時代に土木技術者として日 本にしばらく滞在していたとのこと。 |
P.198 2行目 | 『江ゐ里庵』 | 1979年にアメリカで製作されたSF映画のタイトルが『エイリアン』。意味 は「異星人」「異邦人」といったもの。ホラー、サスペンスとしても評価の 高い映画で、このエイリアンの存在はまさに「恐怖」だったようです(笑)。 |
※上の追記 | ※りょうさん(HN)からの090716情報を基にSAMANAが記載。 りょうさん。情報提供、ありがとうございましたです〜(ぺこり)。 ところで、『江ゐ里庵』ですが、蕎麦屋ということを考えると梶尾真治さん おおお。ソバ繋がりだし、はやみねさんが年齢的にこの年代のSF作家 |
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P.238 10行目 P.238 13行目 |
おじいさん〜越後の人〜 この印籠を見せなさい |
今は5代目ががんばっております、テレビ番組『水戸黄門』ですね。 「おじいさん」は、水戸黄門こと本名、徳川権中納言光圀。 「越後の人」は、世を忍ぶ仮の姿が、越後のちりめん問屋。 「印籠」は、もとは携帯の薬入れで、将軍の代理であることを示す証明 書代わりにも使われています。 |
P.264 13行目 | 『双子探偵』 | NHK教育で、この教授シリーズが映像化されたことがあります。そのタ イトルがこの『双子探偵』。タイトルからわかるように岩崎三姉妹が双子 姉妹にかわってました(汗)。ああ、茉奈佳奈姉妹の間にもう一人「佐奈」 という女の子がいてくれたなら・・・(苦笑)。 |