さて日経BPと言えば、日経ネットナビ別冊というところからホームページ(特にSFMレビューのページ)を「インターネットイエローページ」で紹介したいというメールが届きました。どういう雑誌かよく知りませんが、まあこうして読まれていることがわかるとやはりうれしいものですね。意外にも大学の漫画研究会関係者などからもメールが届きますし、インターネットの普及ぶりに驚かされています。
本は、筒井の『邪眼鳥』を読み、今はフィリップ・カーの『殺人探求』。近未来の殺人事件を扱ったサイコ・サスペンスでなかなか面白いです。それでは、また。
中野くんへ
転職に転居とお忙しい中での開設ご苦労さまでした。日経BP社と言うことは、やはり「日経なんたら」の編集者と言うことなのでしょうか。
関係ありませんが日立と言えば、今年気象庁で日立のWSを入れた(おおもとのスーパーコンピュータが日立製なもので)のですが、HPの製品に日立のロゴをくっつけただけのものでげんなりしました。コンピュータハードウェアの開発みたいなお金にならないことは一切やらないっつー事なんでしょうかね。
体のほうもだいぶ良くなってきまして、なんとか来週から職場復帰できそうです。それではまた。
おっと、日経BPですか。中野淳、華麗なる転身ふたたび。まさか「日経エンタ」編集とかじゃないでしょうな。そうだったら、二度ビックリ。幕張といえば、年に1〜2回は出張する場所。今度またお邪魔します。夢はメッセでのドラフト開催か?
ともあれ、中野さん、お忙しい中ありがとうございます。みなさん書いてらっしゃるけど、やぱし「日経ナントカ」の編集ですか?
近況というか買った物でも書いておきますね(笑)
●PS
時代小説ファンなので、ブシドーブレードの発売を期にPS買いました(笑)いやぁこのソフトは期待した以上にいい味だしてます。普通の格闘ゲームとはまったくシステムが違って、右右左ABBBA右上などというコントローラーの必殺技入力や、高橋名人もびっくりのボタン連打も必要なくて、間合いと隙をついた一撃が重要なんですね。藤沢周平の剣豪物を読んだ後にプレイするとはまります(僕だけか)
●PHS
飯島愛の「すすんでるぅ〜」のCM(東海地区のみ)でお馴染みのパルディオ312Sを契約しました。データカードとのセットで、外出先からNiftyやインターネットにアクセスできるモバイル環境ができまして、出張がちなこの時期重宝しました。
●PowerBook2400c
やっぱねぇ出たら買っちゃいますよね(←買わないって)。メモリは80Mに増設。PB5300cに比べて1kg軽くなって毎日の通勤が楽になりました。軽いくせに(Macで)最高の性能っつーのがいいんです。僕の場合飯の種ですもんで。
ま、そんなわけで、こちらでもよろしくお願いします。貯まった僕のHomepageの新規PUTもぼちぼちやっていきますね。
ということで、話はサンリオ文庫に行くのですが(笑)。この間、某社と打ち合わせした後のお昼すぎごろ、オフィスへ戻ろうと三鷹の連雀通り沿いを歩いていると、一本入ったところに古本屋が有るのを見つけました。若干時間もあったので入ってみると、ル・グインのまだ読んでない本が三冊。「ロカノンの世界」、「幻影の都市」、「辺境の惑星」。一冊500円ずつでした。高いのか安いのかよくわかりませんが、とりあえず好きな作家の本です。ラッキー、と思って買いました。
よく見てみると、その他にも数冊サンリオが有る他にも結構青背があったりします。結局、営業かばんが一杯になるくらい買っちゃいました。唯一心配なのが、これ、辻さんか小泉さんが売ったやつじゃないよなあ、ということでした。
近況としてはル・グインのレビュー書きました。SF-Onlineに載ってるので見てね。
音楽関係ではAfter Hoursの次号に3本レビューが載ります。ホームページにも書いたけど、Kyle Vincentは本当にいいので、70年代ポップ・ファン(けーいちくらいか)は是非聞くよーに。大型店で買えます。
ところで、洋泉社から出ている「まんが秘宝館」ってご存知ですか? 特撮ヒーローのコミカライズ本をフィーチュアしたムックなんですが、ついつい買ってしまいました。またよくあるレトロ雑誌かと思っていると、これがちょっと違う。とういか、違わないんだけど、ちょうど書き手が60年代半ばの生まれで、ほとんどこちらと読んできたものが同じなんだね。どっちかというとTV特撮自体にあんまり思い入れがなく、漫画の方に思い入れがあった当方としては、見事にやられたって感じですかね。とにかく「TVマガジン」「TVランド」「冒険王」あたりをここまでディープに取り上げた本は他にないのでは。
何といっても桜多吾作(!)インタビューには驚いた。見るまで、ころっと忘れてましたが、今はつり漫画描いてるそうで。あと、個人的には、「マジンガーZ」のヴァージョン違いの謎がやっと解けただけでもありがたかった。(といっても見るまでこれも忘れてましたが。)
その他、石森章太郎(「スカルマン」は知らなかったなあ)、永井豪は当然として、山田ゴロ、細井雄二、なんていう石森プロの懐かしい名前がずらずら並んでいます。やっぱ、マニアはすごいわ。
#7
>>これ、辻さんか小泉さんが売ったやつじゃないよなあ、
とりあえず、私ではありません。私のサンリオは実家の押入で腐ってます。東京に来てから買ったSFも新刊4〜5冊くらいしかないですし。いまさら古本でサンリオを買うこともないですから(ボブショウとかコニイがあったら少し考えるかもしれないが)。
過去の話を蒸し返して恐縮ですが、話題の論争をチェックするため、大学卒業以来久々にSFMなんぞを立ち読みしてしまいましたが、なんせここ数年殆ど読んでいないので(上記の通りほんの数冊)「プロがあんな芸の無い文章を商業誌に書いていいのか?」ぐらいのコメントしかできません(あれは商業誌ではないとの意見はさておき)。
ただ、小説以外の売上&話題性では、FFやエヴァや「インディペンデンス・デイ」「スターウォーズ」等、結構いい感じだと思います。小説でも筒井も復帰作はベスト10にランクインしてますし、なんたって田中芳樹は高額納税者だし。やはり質的な低下を論じるのが正攻法というものなのでしょう(本当に質が低下したのかについては私はコメントできませんが)。
もう、何週間も前ですが旅行でロンドンとストックホルムへ行ってきました。ストックホルムで見つけたSF専門書店が祝日(夏至祭)の関係で営業していなかったのが残念でした。でも、ロンドンの書店(大型)にはコニイもK.ロバーツも置いていないことが良く分かりました。ロンドンでは子供向けのアンソロジーを1冊買いました。タイトルは「SCIENCE FICTION STORIES」(そのまんま)。ヴェルヌ、ウエルズからクラークにつながるという正しい子供向けです。たぶん。
何度も見ているから退屈するかと思えばさにあらず、面白いですねー。もともと、スペオペのストーリーなんて単純で予測可能なんだから、粗筋を知っているかどうかなどあまり関係ない。その単純なストーリーにどう味を付けるかが重要なんだけれど、スターウォーズの味付けはやはりひと味違いますな。
特撮技術の凄さが強調されることが多い同作品ですが、誉めるべきは技術の方ではなくイマジネーションの方でしょう。凄い技術があっても、考える頭がなければ駄目だからなあ。また、こうやって見直してみると物語の構成が実に巧く組み立てられているのがわかる。最近のジェットコースターのりの映画に慣れてしまった目で見ても、ハイテンポで話が進み、20年前の作品とはとても思えない。
どこをどうリメイクしているのかはよく分からないが、今の目で見ても違和感がないので、相当手が入っていることは確かだと思う。
先日ルーカスがTVでインタビューを受けていて、このヒットが映画にどんな影響を及ぼすかと聞かれ「皆が古いフィルムをもっと大切にするようになるでしょう」と言っていた。上手いことを言う。大切にしたくなるようなSF映画が増えるといいんですが。
昨年は、パソコン・ベスト・ソフトの投票の商品で28.8モデムが当たったので、ひいきにしてます。
当面の目標は、参考書と用語辞典なしでT.Tの山田さんの原稿が読めるようになることです。最近、本読んでないなあ。今なら何でしょう?英樹さん。
そうねえ、『火星転移』と『ターミナル・エクスペリメント』を読んだら次はジョン・クロウリーの『リトル・ビッグ』か。でも、これは国書刊行会で上下各2600円なので余りお勧めできませんが。もうすぐ『3001年』が出るので、それを待ってもいいですね。そう言えば、国書からは『最初と最後の人間』がいよいよ出るとか。読まなきゃいけないんだろうなあ。うーん。
(註…『最初と最後の人間』は、まだ出ていません。)
SF修行の方は、滞り気味。アンバーも5作読み終わり、云われる程、後半が僕にはしっくりこなかったので、ちょっとがっかり。一番気になったのは、訳文かな。あんまし訳とかにいちゃもんつけたくはないのだけど、読んでていちいちつっかかった。岡部宏之ってこんな風でしたっけ。
引き続き、「魔王子」シリーズ攻略に移りました。こちらの方は、最初とっつきが悪かったけども、読み進むうちに、結構はまりました。1作目の段階では、復讐話としてはあまりにもお粗末な展開と云えば云えるのだけども、それを補ってあまりある描写が続出。こりゃ、結構期待できそうだ。
「まどろみ消去」はちゃんと出てるようですぜ、三輪田さん。といっても、僕は3作目以降すっぽかしているなあ。今月の講談社ノベルスは、森、西澤、清流院、我孫子と、スキモノ揃いですな。今回の清流院はなんだか読んでみたい気がする。でも、とりあえずパス。誰か読んだら、教えてね。
ふむふむ、吸血鬼ものなのですね。最近(といってもここ数年か)吸血鬼ものって増えているような気がしませんか。いや、わたしがそう思って見ているだけかな。アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルは、後藤さんに再三再四勧められているのですけど、未読です。映画化された1作目のノリを期待していると、その先どんどん裏切られるんだそうで、「毎回大爆笑!」と太鼓判を押してくれてるのですが、・・・わたしはホラーが苦手なのでした。吸血鬼ものがすべてホラーか、というのはさておき、苦手、と思って避けているうちに、ますますコワクなってしまっているので、このままではまずいかも、と思いはじめたところ。うーむ、いちど荒療治でもしてみるべきか(そこまでして読まなくてもよかろう、と言う気もしますが)。あ、でも小野不由美はホラーでも読むけど、やっぱり読み返せないな。
>>「まどろみ消去」はちゃんと出てるようですぜ、三輪田さん。
うーむ、やっぱりそうですよねえ。ノベルズって、置いてる店と置いてない店がはっきりしているようで、わたしの立ち回る先は後者が多いようです。置いてある店でもなぜか、ほかの新刊があるのに森博嗣だけなかったりする。タイミングの問題なんでしょうが。「19ボックス」はなぜだか、絶対あるんですけどねえ。やっぱり、ちょっとためらいますねえ。
森博嗣、まあ評価はいろいろでしょうが、5作目の「封印再度」はきれいな出来だったと思いますよ。
京極夏彦、昔のインタビュー記事を読み返していたら、京極堂シリーズ以外の構想として、「時代もので長編怪談」(これがたぶん今回のですね)と、なんと「近未来美少女ハードボイルド」とか言ってる・・・。うーむ、それは楽しみだわ。
海外長編
1 結晶世界 バラード/2 エンパイア・スター ディレイニー/3 エンジン・サマー クロウリー/4 火星年代記 ブラッドベリ/5 ユービック ディック
海外短編
1 時の声 バラード/2 時は準宝石の螺旋のように ディレイニー/3 世界の中心で愛を叫んだけもの エリスン/4 愛はさだめ、さだめは死 ティプトリー・ジュニア/5 ニュー・ローズ・ホテル ギブスン
海外作家
1 J・G・バラード/2 S・R・ディレイニー/3 ジョン・クロウリー/4 レイ・ブラッドベリ/5 P・K・ディック
日本長編
1 果しなき流れの果に 小松左京/2 百億の昼と千億の夜 光瀬龍/3 あなたの魂に安らぎあれ 神林長平 /4 チョウたちの時間 山田正紀/5 バベルの薫り 野阿梓
日本短編 棄権します
日本作家
1 小松左京/2 光瀬龍/3 神林長平/4 山田正紀/5 野阿梓
どんなもんでしょうか? いろいろ悩んだのだけど、結局当たり前の結果になってしまいました。みなさんのベストは如何?
その他、最近読んでいるものは佐藤亜紀とかですかね。「戦争の法」がとにかく面白かったので、それ以来出たら読もうと思っていました。ハードカバーの新刊を見掛けてすぐ買っちゃいました。「1809」というなんだか味もそっけもない題名ですけど、実に渋い。とにかくこの人の文体が好きですね。抑えがよく効いているのに、どことなく華があると言うか、字面がすごく目に気持ちいい。旦那の方も好きです。この人の本はそれ以外には「バルタザールの遍歴」があると思いますが、もし他にも出しているのをご存じの方は教えてください。
ダン・シモンズの「うつろな男」も面白かったですね。意外とSFだったなあ、という感じです。途中のシーンでは、なんだか「ニューロマンサー」にこんなシチュエーションあったっけ、とと思うようなところがありましたし。それに、なんというか泣けるというか、独特の読後感を残しました。お買得。
海外長編
1 パヴァーヌ ロバーツ/2 黙示録3174年 ミラー/3 分解された男 ベスター/4 ハロー・サマー・グッバイ コーニイ/5 火星年代記 ブラッドベリ
海外短編
1 サンディエゴ・ライトフット・スー リーミイ/2 ク・メルのバラード スミス/3 リトル・ドッグ・ゴーン ヤング/4 みずうみ ブラッドベリ/5 にせもの ディック
海外作家
1 C・スミス/2 J・ティプトリー/3 R・A・ラファティ/4 キース・ロバーツ/5 イアン・マクドナルド
日本長編
1 果しなき流れの果に 小松左京/2 妖星伝 半村良/3 ハイブリッド・チャイルド 大原まり子/4 なし/5 なし
日本短編
1 リヴイング・インサイド・ユア・ラブ 大原まり子/2 遠近法 山尾悠子/3 なし/4 なし/5 なし
日本作家
1 小松左京/2 大原まり子/3 神林長平/4・5 なし
みんなこれ応募してるのかな? 8月8日〆切だからまだ間に合いますよ。
海外長編
ウェットウェア ラッカー/カエアンの聖衣 ベイリー/猫のゆりかご ヴォネガット/アンドロイドは電気羊の夢を見るか? ディック/ブロントメク! コニー
海外短編
スターピット ディレイニー/接続された女 ティプトリー・Jr/PRESS ENTER■ ヴァーリー/伝道の書に捧げる薔薇 ゼラズニー/慣性 ラッカー
海外作家
ルディ・ラッカー/ジェームス・ティプトリー・Jr/バリントン・J・ベイリー/S・R・ディレイニー/アーサー・C・クラーク
日本長編
妖星伝 半村良/あなたの魂に安らぎあれ 神林長平/魍魎の匣 京極夏彦/消滅の光輪 眉村卓/異星の人 田中光二
日本短編
言葉使い師 神林長平/ヨッパ谷への降下 筒井康隆/太陽風交点 堀晃/見果てぬ風 中井紀夫/ゴルディアスの結び目 小松左京
日本作家
半村良/神林長平/京極夏彦/小松左京/中井紀夫
早川からほされた感がある中井紀夫氏には、頑張って欲しいと思います。この前も、ゲームのノヴェライズの本を見掛けて、涙がでました、結局、買わなかったけど、、、。(^^;)
おじゃましてます 岐大SF研OBの加藤章
仕事が忙しいのと、子供が生まれたこととでバタバタしており、ずっとごぶさたしてました。ちなみに子供の方は、6月26日誕生、女の子です。
名前は、素粒子の「そ」、のどちんこの「の」、怪鳥ロプロスの「か」をとって、苑佳と名づけました。
(註…この説明の仕方、いかにも原科的でいいなあ。)
互いの近況、映画・漫画・小説・コンピュータ関係の話で、あっと言う間の3時間でした。SFの話も少しはしたような……。
大矢くんは新たなマックを、原科は東芝リブレット20を、それぞれ持参。宇宙の戦士の予告編を落とすつもりで2時間かかってダウンロードしたら 5th element だったという、その予告編を大矢くんにその場で見せてもらう。うーん、かっこいい。早く見たいなあ。
原科のリブレット20は、何と39800円という安さ! 小さな携帯用パソコンもいいねえ。
睦夫はJemの新しい号を皆に売っていた。800部刷ったとのこと。どこかで見かけたら、買ってあげてください。
創元リストはほぼ完成(遠山くん、本届きました。どうもありがとう)。見本を持っていったが、やはり表紙の印刷はカラーがいいと言われ、がっくり。でも、もう50部印刷してしまったので、とりあえずは白黒で出します。それでは、このへんで。
あ、あとTTの締め切りは9月末まで延ばしますので、皆様よろしく。(註…結局、3月になるまで出なかった)
海外長編
1 ブラッドミュージック(G・ベア)/2 キャッチワールド(C・ボイス)/3 ゴーメンガスト三部作(M・ピーク)/4 バベル17(S・R・ディレイニ)/5 火星年代記(R・ブラッドベリ)
国内長編
1 戦闘妖精雪風(神林長平)/2 幻詩狩り(川又千秋)/3 ノーライフキング(いとうせいこう)/4 ドグラマグラ(夢野久作)/5 鉄塔武蔵野線(銀林みのる)
海外シリーズ
1 火星(E・R・バローズ)/2 キャプテン・フューチャー(E・ハミルトン)/3 コナン(R・E・ハワード)/4 ノースウェスト・スミス(C・L・ムーア)/5 ローダン(たくさん)
国内シリーズ
1 帝都物語(荒俣宏)/2 神獣聖戦(山田正紀)/3 ビッグウォーズ(荒巻義雄)/4 銀河乞食軍団(野田昌宏)/5 悪霊の女王(平井和正)
どんなもんでしょうか。ベスト5は難しいですね。ベスト10やベスト3の方が選び易そう。長編の方は選び直せば動きがありそうだが、シリーズはほぼ一生固定だろう。スペオペ・神話系が圧勝して、ヒロイックファンタジーがコナンだけになってしまった。夢枕獏とムアコックが心残り。
森博嗣を4冊。小説としては未熟だが、インパクトは強い。彼がなぜミステリ界でこれ程話題になったかはわかる気がする。ミステリーは約百年前に基本形が整えられて以来、さまざまな要素を付け加えながら今日に至っているが、森博嗣は百年間で加えられてきたこれらの要素を不要な装飾物として切り捨て、19世紀末並のシンプルな作品を現代に再提出している。しかも常識的には失敗しそうなこの試みが成功しているのだ。この百年間の進歩を全否定する冷めたミステリ観が、衝撃の原因だろう。
山田正紀のミステリ2冊(「妖鳥」「螺旋」幻冬社ノベルス)は逆にこの百年で加わってきた雑多な要素を出来るだけ使ってやれというコンセプトで書かれた作品。その意味では京極夏彦を意識していのるかも。個人的には、京極は優しさが鼻につくところが気がかりだったが、山田のほうは乾いていて好感が持てる。過剰性は京極の方が上なので一長一短か。
海外長編:『ユービック』『火星のタイムスリップ』『アンドロ羊』『暗闇のスキャナー』『流れよ我が涙』の5つです、っていうと怒られそうなので(^^;)
『ユービック』『タイタンの妖女』『火星年代記』『ハロー・サマー、グッバイ』『緑の瞳』
海外短編:『にせ者』『サンディエゴ・ライトフット・スー』『ブルー・シャンパン』『ニュー・ローズ・ホテル』『去りにし日々の光』
国内長編:『七胴落とし』『処女少女マンガ家の念力』『旅のラゴス』『消滅の光輪』『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
国内短編:『リヴイング・インサイド・ユア・ラブ』『抱いて熱く』(神林)『たたずむ人』(筒井)『還らざる空』(眉村)『マインドイーター』のラストの話(タイトル失念)
※筒井、眉村はもっと面白い奴があった筈だがタイトル失念のため断念。海外短編はバーカーの『ミッドナイトミートトレイン』を入れたかったがSFと言えるか怪しいのでパス。ブラッドベリも短編1つとなるとどれにしていいかわからないのでパス。(長編で連作を選んだこともあるし)『ユービック』は気分次第で『火星のタイムスリップ』になり、『緑の瞳』も気分次第で『モナリザ・オーヴァードライヴ』になる。となると、バラードもディレーニーもゼラズニイもティプトリーも入らずじまい。うーむ。ともかく、実家の本棚の前で考えたら全く別のリストになるのは確実(^^;)
オールタイムワーストも考えましたが(『××××伝説』とか『竜の×』とか)論議を呼びそうなので自粛(^^;)
「エヴァ」もまあ予想通り。僕はTV版の方が好きだなあ。特に劇場で見る価値はない気がする。
最近日本のアニメが世界に誇れるという話題が、新聞・TVニュース等、一般メディアでも語られていますが、今や危ないという気がします。アニメの質は80年代で頂点に達して今は下降気味なのでは。商業的には今が頂点ですが。日本を代表するアニメがいまだに宮崎・押井・手塚ではなあ。そんな中で一人頑張ったTV版エヴァは今考えても評価に値すると思う。
「ロストワールド」は特撮以外見所なし。結局アニメ・SF映画大激突だったはずのの今夏一番の出来は「スターウォーズV」なのか? まだ見ていない「バットマン」にはちょっとだけ期待しているのですが。
いやあ、やっとでけましたなあ。足掛け4年ですか、長かったですな。一時は英樹氏個人の楽しみのみに終わるのかと思ってもいたので、こうして目にすることができて、感激もひとしおです。それも個人的にSF熱が高まった現在、手にすることができて、なおさら喜んでいます。
当初、カバー絵取り込みにこだわっておられた時には、「なんでそんなにこだわるのかな、リストだけでも有益じゃん」と思っていたのですが、こうして全編取り込まれた冊子を目にすると圧巻ですな。こんなに眺めているだけで楽しいリストがあったでしょうか。いや、まあ、リストというものは眺めているだけで楽しいものですが、それとは少し違った意味で、楽しい。これが、オールカラーだったらと思うと、背筋がぞくぞくします。きっと、1部はオールカラー版があるのでしょうから、是非見せて下さいな。
「文庫データボックス一覧」「全短編リスト」が漏れたのは惜しい。しかし、分冊で続刊とのことなので、首を長くして待つこととします。創元が終わったら、ハヤカワ、サンリオもやっちまいましょうぜ。協力は惜しみません。それとは別に手に入りにくいもののリスト化も是非リクエストしたいですね。専門SF文庫外文庫SFリストとか、以前睦夫氏が少しやった、主要作家別リスト(未訳・雑誌掲載分含む)とかね。
ぐわぐわっ。うーむ、確かに減っているのに気付きました。しかし買う人は買うんだなあなどと思っていたら、やはり身内であったか。最近金欠気味なので、無茶買いはできませんでしたが、確かに安かったですよね、それなりに。美本であったし。トレペがかかってたんで、うーむ、どっかの古本屋の放出品かなどとも思ったのですが。海星堂とか。そんなバカな。
あの中で、他に欲しかったのは、メリル編の『宇宙の妖怪たち』と『ヒューゴー賞傑作選』ぐらいでしたかね。この間訪れた大府市の古本屋も結構銀背が揃ってたけど、美本はあまりなく、価格もちょっと高め。でも昔のようなことはないのだけどね。それより、そこは、最近他所であまり置いていないSFMの近年のバックナンバーが揃っていたのが、僕にとっては収穫でした。
最近小説を全く読んでいなかったものでご無沙汰です。先週末家族で東京へ行ってて、移動中久々に時間があったので読んだのが、堀晃「遺跡の声」。アスペクトから出てるトリニティ・シリーズをまとめたものです。最初の「太陽風交点」は十数年ぶりに読んだけど、こんな短い小説だったかとびっくり。いやあ、やっぱSFは宇宙だなあ。
その勢いで「六枚のとんかつ」蘇部健一(講談社N)を帰りの飛行機のなかで読了。最初の数編を読むと、「シュロック・ホームズ」の線狙いかと思ったらそうはならず。他人のアイディアをひねらずに堂々と借用している態度は立派? 表題作は島田某の某作品のパクリと堂々といっているからなあ。(ことわってる分、金田一某の事件簿よりかはましか?)それにアリバイトリックとしちゃ穴あるし。「しおかぜ17号四十九分の壁」はおもしろいとおもうが、徳島にすんでるものにとっちゃ、まったく笑えない。普通のミステリでは使えないいいかげんなトリックだからギャグにしてごまかすという佐野大先生が激怒される手法はまずいよなあ。野暮といわれても、おれは嫌いだな。
その勢いで徳島に戻り(一人になったので)、最近開いてもなかったSFMやHMMをぱらぱらとみてました。以前このパティオ(いやその時はHPか)で話題になってた論争は、こんなだったかとようやく知った次第。浦島太郎状態。結局、SFの読者数が少ないってことだけでしょう。
きょう一日つぶして、『クーロンズ・ゲイト』終了致しました。ポスト・サイバーパンクって謳ってあるんですが、わたしはそーゆーのってどーでもいいです。面白かったからいいや。貸してくれた高間さんの言のとおり、攻略本の役に立たなさは特筆もんでございましたが。何せギブスンの『あいどる』を巻頭に引き、巽孝之がサイバーパンク、荒俣宏が風水、中沢新一が神話を語り、表2にはサイバーパンクの、表3にはジャパニメーションの年表を載せる徹底ぶり。いったい何の本なんだ・・・。わたしが実際ゲームに利用したのは、ほんの数ページでありました。ちなみにA4判で\1,800の豪華本。これを買うとは、高間さん偉いわ。
『火星夜想曲』読みました。いやあ、いいですね。なんか懐かしいSF・・・っていうと何か違っちゃうかな? 懐かしい物語、というのでしょうか。SFってこーゆーのもありだったんだよな、としみじみ思ったりして。(わたしがSFから離れすぎてるだけ?(^^;)
ずうっと藤沢周平作品を怒涛のように読んでましたが、平岩弓枝「はやぶさ新八御用帳」に突入。丁度文庫の6巻が出ましたので追いついてやろうという勢いです。女性の描く武士の世界って結構、はっとします、面白い。うーむ、なんか我が道を行っているなぁ(笑)
>>「クーロンズ・ゲート」
これ、あまりにも時間がかかるので止めました。今はまっているのはセガサターン版「ボンバーマン」です。わっはっは。
報告が滞っておりましたSF修行の方ですが(別に報告の義務はないのだが)、『ストーカー』『天の光はすべて星』『九百人のお祖母さん(半数以上再読)』ときて、『ハロー・サマー・グッバイ』、そして今はなんと『都市と星』を読んどります。順に、期待ハズレ、期待と違ったおもしろさ、期待通り、期待過剰、期待以上?、といった感じであります。
『火星夜想曲』は、流石、かなり面白かったですね。決して読みやすくはないが、また読みにくいわけでもない。物語にいったん引き込まれてしまえばグイグイといった感じで、久々に物語の強さを感じさせてくれました。想像力/創造力を拡げてくれる書物だったように思います。
うーん、『フィアサム・エンジン』も読みたいのだが、なかなかハードカバーには手が出ない。金銭的というよりか携帯性の面でね。家で読むのはエッセイ類とか軽いものじゃなきゃダメな体質になってしまったもので。
表紙画像を眺めているだけでも楽しいですね。特に古い(70年代半ばまでのやつ)のは味わいがあります。創元以外では考えられない表紙で。印刷の色が違うだけの表紙は、今となると素晴らしく思われます(SFマークだけじゃなく、創元推理文庫全体がそうでした)。昔は、なんという手抜きや、と思ってましたが。もはや目にすることのできない表紙の数々は、ぜひカラーで、といいたいとこですが、カラーはコストがねえ。リストの表紙のカラー表紙画像の選択は意図的でしょうね?
リストとなると、403冊中何冊読んでるか数えるのが習性でして、記憶にあいまいなとこはありますが、120冊あまりで、3分の1にもなりません。シリーズものはおいといても、5冊以上収録の作家ですべてよんでるなんて、ブラウンとブラッドベリ(とブラッドリー)ぐらいですもん。若いころは、新刊に追われて結局読み残したのが数多くあります。もうなかなか手に入らないけど、また読んでみたくなりました。
で、ここで問題。HMMは海外ミステリ専門誌ですが、いわゆる「怪奇と幻想」(今のホラーとファンタジィ系)とか「奇妙な味」系の作家の作品を載せることでも知られています。じゃあ、SF作家はどうか。
Q1 次の作家でHMMに作品が掲載されていないのは誰か?
A.C.クラーク I.アシモフ R.A.ハインライン P.アンダーソン R.ブラッドベリ F.ブラウン T.スタージョン R.シェクリイ C.D.シマック F.ライバー H.カットナー J.フィニイ W.テン J.ウインダム J.ブリッシュ B.オールディス E.C.タブ H.ハリスン P.K.ディック J.ヴァンス R.A.ラファティ D.ナイト E.パングボーン K.ヴォネガット W.S.テヴィス
Q2 同じく次の作家でHMMに作品が掲載されていないのは誰か?
J.G.バラード M.ムアコック T.ディッシュ J.スラデック R.ゼラズニイ R.シルヴァーバーグ B.N.マルツバーグ H.エリスン J.ヴァーリィ E.ブライアント M.ビショップ G.マーティン N.スピンラッド L.タトル G.A.エフィンジャー M.Z.ブラッドリー J.ケッセル K.リード B.スターリング S.マクラム M.レズニック
Q3 今度は日本人作家で掲載されていないのは?
星新一 小松左京 筒井康隆 豊田有恒 眉村卓 光瀬龍 福島正実 石川喬司 半村良 平井和正 山田正紀 田中光二 かんべむさし 栗本薫 夢枕獏 菊地秀行 大原まり子 神林長平 草上仁 村田基 松尾由美
答えはいずれまた。
ちなみに同月のEQは20周年記念号で、同じように分厚く付録は現代作家名鑑でした。
ま、これだけたくさん読むとなんとなく落ち着いてきまして、『今宵銀河を杯にして』とヴォネガット『青ひげ』でもって私のリハビリ(?)は一応修了とする予定。(って、結局は未読の神林と大原をつまみ読みしただけですが)
皆様の評判をきくと『火星夜想曲』も面白そうではありますね。『都市と星』はいいですね。古き佳き正統派ジュブナイル。いま読むには(割り切って読める分)かえって好都合?
おかげさまで、「創元推理文庫SF全リスト」は初版50部が完売、現在2版として、20部を印刷中です。予定では100部くらいはいけるだろうと思っていますが、どうでしょう。
ただ、表紙画像の件で加藤直之氏から間接的に連絡があり、やはり、著作権の関係上、画像の配布は印刷物に限るとのお達しがありました。いずれはネット上でアップしようかと考えていたのですが、これはボツ。ただし、こういう試みは支援していきたいので、次の「創元SF文庫リスト」も「サンリオSF文庫リスト」も協力はしていきたいとのことでした。あと、有名どころでは、石原藤男先生や、吉永和哉さん(ワンダーワークス)などからも注文をいただきました。さすがに石原先生のところへは、贈呈にしましたが。
名大SF研の後輩、林哲也くんからも注文をもらい、近況も届きました。就職し、元気でやっているようです。
現在は『時間旅行者は緑の海にただよう』を読書中。自分は宇宙人の子どもだと主張する女性が精神分析のセラピストを誘惑する変てこりんな話。ディック的世界と解説にはあるが、どうかねえ?
山口雅也『ミステリーズ(完全版)』は、95年版『このミス』1位作品。ノベルズ落ちだが、今回は未発表作を1つ「ボーナストラック」として加えてあるため「完全版」なのだそうだ。奇妙な味的な秀作揃いだが、95年の年度代表作にしては(短編集として評価したとしても)やや小粒。とはいえ(新本格に分類するには小説技術が高すぎるのだろうが)きわめて新本格っぽい面白さに満ちた好短編集には違いない。
森博嗣『眩惑の死と使途』は、普通の新本格で水準作(かな?)。この作者については私は評価する基準(能力?)を有していないようなので自信はないのだが、なんか段々平均的な新本格に近付いてきているようで、作家的成長とか成熟というより、寧ろ個性が薄れてきて当初の魅力が減衰してきているような気がする。
ヴォネガット『青ひげ』は、文庫落ち(89年刊)だが、老いたりといえども、ヴォネガットらしさに満ちた佳品。村上『ねじまき鳥』のなんとも半端な文体との格差は歴然(訳者の功もあろうが)。さすが巨匠。老いてはいるが。余談だが、本書には「大量虐殺を生き延びた両親から生まれた子供たちのことを書いた小説」が登場する。もちろん、その題は、『アンダーグラウンド』である。
笠井潔『熾天使の夏』は(遠い昔に書かれているので当然だが)あまりにもOut of Fashonなんで、どうしても読む気になれず。でも、永田さんか浜田さんか谷山さんは読んでますよね、きっと。笠井潔・編のミステリー評論集は、一瞬、全部笠井の執筆かと勘違いして買いそうになってしまった。危ない危ない(^^;)
わたしは面白かったですよ。ただし、さいきん気付きましたが、わたしはこのシリーズ、ミステリと思って読んでないですね、どうやら。京極と同じく。
SF大賞と言えば、第一回のときの裁判の記録を描いた堀晃の宇宙法廷がようやくホームページ上でアップされています。まだ第一回と第二回だけですが、面白いですよ。
あと、昨年のSF大会(コクラノミコン)で大会のお金400万を横領して菱田なんとかという人(ダイナコンの最後で出てきた人ですね。覚えてるかな?)が訴えられた事件の記録もインターネット上で読めます。馬鹿馬鹿しい事件ですが、本人を知っているだけにこれも面白く読みました。どちらも大森ページからとべますので、まだの人は是非読んでみてください。
春陽文庫ってご存じです?あ、たしか大矢さんは時代小説を読んでらしたからわかるでしょう、角田喜久雄の作品が収録されてる地味な文庫です。これが、3年まえから「探偵CLUB」と題して、昔同文庫で出てた、ふるーい国産ミステリの再刊を始めました。国書刊行会の「探偵クラブ」(全15巻・戦前から戦後初期の過去の名作を集めたもの。私は狂喜乱舞して全部読みました)の成功? に影響されてかなんなのかわかりませんけど、後発の悲しさか、絶対売れそうにない作品を連発し、案の定最後は息切れで、この10月にやっと完結しました。で、その最後を飾ったのが、江戸川乱歩「蠢く触手」と江戸川乱歩&横溝正史「覆面の佳人」。
「蠢く触手」は長らく幻とされておりました。戦後の全集には収録されなかった長編です。理由は簡単。戦争中の国策小説(鬼畜米英のプロパガンダ)ということで、戦後しばらく出版されなかった「偉大なる夢」と違い、代作だったからです。
ほんとの作者は、岡戸武平。B級ホラーファンには「五体の積木」で知られる名古屋在住の作家(故人)。だから、文庫の表紙に「江戸川乱歩」とあるのは、明かな嘘。
SFにも代作ってあるのかね。ミステリじゃE.クィーンが有名ですね。晩年の作品は、スタージョン、ヴァンス、デヴィットスンなどの代作だったわけで。日本でもベストセラー作家は代作の噂が絶えません。最近だと、高木彬光(故人・私は高木の現代版が京極夏彦と思っている)が出版芸術社から出した「神津恭介のなんたら」は誰が読んでも代作だと思った。
読んでみましたが、はっきりいって時間の無駄でした。1行読んだだけで乱歩の作じゃないとわかる代物です。島田一男みたいな(ほめすぎかな)新聞記者が主役で、とりあえず、あの方も出てきますが、他人には勧められません。強いて、乱歩の小説で似たようなのをあげれば、破綻しまくった「猟奇の果て」ですかね。まあ、乱歩は他にも渡辺剣次(ひかわ玲子の叔父・故人)が殆ど書いた「十字路」を自作と言い張ってますが。
もうひとつの「覆面の佳人」は気力がなえて読んでません。なんと、これが初の単行本化。1929年に新聞連載されてから、70年近くが経ってます。連名ですが、乱歩は名前を貸しただけで、(「さよならジュピター」?)正史の単独作。もっとも、原作があって翻案。原作の忠実な翻訳ではなく、舞台や人物名を日本に置き換えて、筋も変えたりする、今では考えられないやつです。(超訳?)明治時代の黒岩涙香に代表される手法ですな。乱歩の「緑衣の鬼」や「幽鬼の塔」「三角館の恐怖」が翻案だってことを知らない人は少ないでしょうけど。
すいません、こういう話題だと、つい長くなってしまいました。
>>角田喜久雄の作品が収録されてる地味な文庫です。
「下水道」でしたっけ。残念ながらこっちは読んでおりません。角田喜久雄といえば私は講談社の大衆文学館の方の「髑髏銭」を読みました。テンポは昔風(間延びしているわけではないけどおっとりした展開)だけどとんでもなく面白い。NHKの金曜時代劇の枠でドラマ化せんかね。戦前に映画化されてるらしいけどさすがにそっちは今の目では苦しそう。(大体ビデオとか出てるのかな?)
話を春陽堂文庫にもどすと、木々高太郎とか夢野久作辺りは手に入れようと思ってるのですがおいてある本屋が意外と少ないんですよね。まあ、あんまり売れるとは思えないし、しょうがないか。
「下水道」は戦前のミステリ短編集ですね。春陽文庫ってどっちかというと時代小説中心の文庫で、角田喜久雄は「妖棋伝」をはじめとする伝奇時代小説を多数収録してます。ただ、書店で手に入るのかは別でしょうけど。かつては、ミステリの方の作品も収録されてて、加賀美警部物の「高木家の惨劇」や「奇蹟のボレロ」、短編集の「笛吹けば人が死ぬ」なんぞを読んだものです。
古い探偵小説の紹介は、とだえることなく続いており、てことは、すくなからず需要があるということでしょう。私にはうれしい限り。
角田喜久雄は、ほかに「髑髏銭」「風雲将棋谷」を読んでいますが、「風雲将棋谷」が一番面白かったように記憶しています。大学院にいた頃一時期いわゆる大衆文学を何冊かまとめ読みした時期のことですが、この頃読んだ本の中では国枝史郎の「神州纐纈城」は別格として、吉川英治の「鳴門秘帖」と横溝正史の「神変稲妻車」が特に印象に残っています。
日経パソコンを購読し始めました。11月17日号では、中野の年賀状ソフト紹介記事が読めます。紹介のためにいろいろなソフトを使って大変だなあと思いながら読みました。ちなみに、うちではいつもインプレスの年賀状CD-ROM(1600円)を買って、データを画像ソフトで加工し、Wordに貼り付けて作っています。宛名はAccessの住所録から差し込み印刷をしていますので、大変楽チンです。ああ、今年もそろそろ作らねば……。
ところで、最近ミュージックマガジン増刊「シンガー・ソングライター」という本に原稿書きました。90年代の新人を紹介するコーナーとレビュー5本を担当しているので、興味がある方は本屋で立ち読みでもして下さい(29日発売。普通の本屋で買えます。音楽雑誌コーナーに置いてあるはず)。できれば買っていただけると嬉しいんですが、1200円と高いので、無理は言いません。
SFMは一応買いました。スタージョン全集は僕もほしい。
「グリンプス」ルイス・シャイナー
60年代に製作されなかった幻のアルバムを作ってしまうロック・ファンタジー。個人的には大変楽しめたのだが、半分を占める父との確執は今一つピンとこなかった。ドアーズとジミヘンもあんまり好きではないので、もう一つ。では、どこがよかったのかというと、ブライアン・ウィルソンの章ですね。「スマイル」が完成していたら...というファンの夢想をこれだけストレートにかつリアルに描かれたら、たまりません。
「赤い右手」J.T.ロジャーズ
「このミス」海外ベストで一番面白そうだったので読んでみたが、これにはがっかり。確かに意外性はあるけど、うまくだまされたっていうよりは詐欺にひっかかったみたいな後味の悪さが残る。ネタばらしになるので詳しく書けないが、いくらなんでもxxがxxxxだったってのは無理があるよ。そんなにほめるほどの作品ではないだろう。
「クリスマスのフロスト」R.D.ウィングフィールド
「フロスト日和」を読む前に、まずは前作から(実は読んでいなかった)。これは素直に読んで、素直に楽しむミステリで、特にけちをつけるところがない。うまくまとめてあって、楽しめました。読みやすいのが取り柄でしょう。
ビデオ:
「グレイス・オブ・マイ・ハート」
キャロル・キングをモデルにした女性が主人公のポップス/ロック・メモリアル。ここにもブライアン・ウィルソンを模した人物が出てくるが、まあそれはどうでもいい。ストーリーもどっちかっていうとつまらない。とにかく素晴らしいのは、当時の雰囲気を見事に再現した曲の数々だ。コステロ=バカッラクの共作もよいが、エヴァリー・ブラザーズへのオマージュであるウィリアムス・ブラザーズの曲が見事でした。サントラ聞いとけば、それでいいって気もするけど。ブリジット・フォンダ(「シングルズ」以来ファンです)のアイドル姿は笑えるし、パッツィー・ケンジット(ex-エイス・ワンダー)も友人役で好演。ただ、主役のイレーナ・ダグラスはもひとつでした。
日時−−1月4日(日)午後6時
集合場所−−栄丸善北口
参加予定者−−山田、けーいち、原科、永田、三輪田、睦夫
といまのところ、こんな感じです。大矢くんのご都合は? また、けーいちは一度都築くんに連絡してみてね。
(註…結局、永田さん以外の7人で行われた模様。その後の書き込みがないのでよくわかりません)
1月10日(土) 午後6時から
新宿の昔からある紀伊国屋書店の前
参加者が3人以上なら決行ですが、二人なら中止にします。皆さん都合などを書き込んでください。日時の変更も可能です。お店は参加人数を見て今週の半ばごろに決める予定です。アドバイスあれば歓迎します(特に鵜飼君)。それではまた。
ともかく、私が最初にはまったプロパーの作家でした。合掌。
多くのSFファンと違い、ジュブナイルSFを経験することなく、(ミステリもそうだけど)、星新一が最初に出会ったSFでした。中一の頃、なんかの雑誌の広告として載ってたSSがおもしろくて、それで角川文庫の「きまぐれロボット」を読んだのが最初。
それから、星作品は9割は読んだでしょう。結局、ノンSF「人民は弱し官吏は強し」等は未読。エッセイ集はかなり熱心に読んだ記憶があります。
角川文庫はあとは「ちぐはぐな部品」ぐらいしかなかったから、新潮文庫、早川文庫JAと進んでいったわけです。星新一をあらかた読んでしまえば、あとはF.ブラウン、「火星年代記」と素直に進み、現在に至るわけです。ああ、星新一の「火星人記録」のエピソードを知る若者は今はいないだろうなあ。
思えば、SFMを最初に買ったのも、矢野徹によるインタビューが載った号(何号かは失念)だし(第2次奇天は横溝正史なんですね、きっかけは)。早川文庫JAの棚の前に立ったおかげで、「果てしなき流れの果てに」も「宇宙ゴミ大戦争」も読んだわけで、「あたしの中に・・」をハードカバーで買ったのも星新一激賞のせいでした。で、いまだに日本SFを追いかけているのですね。
海外SF作家の死亡記事は冷静でしたけど、今回はそうもいきませんでした。
長くなって失礼しました。一昨年死んだ父と年齢が近く、また父も星ファンだっただけに、いっそう心が動いたのかもしれません。
思えば、最初に読んだのは多分「ブランコの向こうで」のジュヴナイル版。題名が違っていたんだよな。何だったかな。ショートショートはそれほど読んでいるわけではなく、『夢魔の標的』とか、『進化した猿たち』とかを読んでいたくらいです。森鴎外の妹が祖母だったなんて全然知りませんでした。
辻くんも浜田くんもSFを読み出すきっかけだったようですが、そういう人はきっと大勢いることでしょう。中学校のときもクラスに星新一のファンは何人もいたように思います。彼の残した業績は、計り知れないものがあると言ってよいでしょう。
浜田くんが最初に買ったという星新一インタビュウが載ったSFマガジンは78年7月号ですね(現物を見ながら書いてます)。山尾悠子の「えるにゃ国異聞」とかが載ってるなあ。もう20年近く前の号なんだよね。
それにしても、もうすぐ死にそうな作家リストまでつくって騒いだ昔が、懐かしく思い出されてしまいました。昔は若かったんだ...って当たり前ですね。(^_^;)
御冥福をお祈りします。
新年会ですが、どうやら都合がつきそうなので参加させて下さい。久しく行っていないので紀伊国屋書店にたどり着けるか不安なのですが、まあ何とかなるでしょう(^^;。
1/10の新年会、参加させて下さい。日祝は予定があって、時間があわせられないかと思われるので、このまま土曜日を希望します。
私も新聞で星新一氏の訃報を読みました。物は壊れる人は死ぬ、とはいうものの。またひとつ時代に区切りがついた感が(私的には)あります。
(註…豪華メンバーを集めた東京地区新年会がその後どうなったのか、これも書き込みがなかったのでよくわかりません)
さすがに2億ドルかけただけあって、タイタニックが沈んでいく様子はすごい迫力で、個人的にはジェームズ・キャメロンの映画はこれまで「これでもかこれでもか」と言う感じがちょっとくどくていまいち好きになれない部分があったのだけど、今回はそれが微に入り細を穿つと言う感じになったというか、くどいまでのディテールへのこだわりとなって現れたようで、かえって良かったような気がします。「豪華な内装を事細かに復元した」と言うことが話題になっていましたが、そういうところばかりでなく、機関室なんかもでっかいクランクシャフトががっこんがっこん動いていてすごかったぞ。
ご存知のとおり、基本的にはべたあまのラブストーリー(あれじゃ「ターミネーター」といっしょだ)でしたが、やはり、死の恐怖に直面しながらも自らの責任を果たす人々の姿こそがやはり「タイタニック」映画の華でしょう。ただ、美談ばかりでなく、このような極限的な状況下でも階級差別により粗略に扱われた3等船客の様子がきちんと描写されていたのが目新しく感じました。
封切後1ヶ月たっているので、土曜日の朝一ならすいているかなと思ったらさにあらず、みんな並んでてびっくりしました。座れたからよかったけど。これなら2億ドルかけても十分もうけられるでしょう。ロビーですれ違った掃除のおっちゃんが「まったくタイタニックってのは」と言っていたのが変に印象的でした。それにしても女の子が多かったな。あれじゃ映画館が火事になって「婦女子が先だ」っていわれたら、絶対に生き残れないなあ。ちなみにレオナルド・ディカプリオは、よかったです。最近は情報誌とかをぜんぜん見ないので、いわゆる「かわいこちゃん」だと思っていたのですが、そうではありませんでした。ケイト・ウィンスレットは、「あんぱん」というのが先に立ってしまって、あまり良い印象を受けませんでした。タイタニックの設計者を演じていたビクター・ガーバーが個人的にはカッコ良かったです。
字幕は戸田奈津子だったのですが、「舵取り車」にはまいった。それじゃなんだかわからないぞ。「舵輪」と書いてもみんなわかると思うけど。
3時間15分と言う上映時間が特に長いとは感じなかったな。
うーむ、ここら辺を読んだところで、やっとベスト常連読破の修行は一段落を迎えるのである。でも、ベスト常連じゃないものも読みたいしなあ。とーぜん、山風とか、非SFも読みたいものがたくさんあるわけだし。いつになることやら。
びっくりしました。寡聞にして私はそんな話は聞いたことがありません。たしかクラークは2・3回結婚していて結局すべて失敗に終わったと記憶していますが、意外とそんな事が原因だったのかも知れないですね。作品にそれっぽいところと言うのはあんまり記憶にありませんが、「都市と星」のアルヴィンとケドロン(だったっけ?)ってそれっぽかったかも。