dainacon19 report



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ダイナ☆コン19 レポート (2006年10月28・29日 日進市・五色園にて開催)

 1982年に始まって以来19回目を迎えたダイナコンに行ってきた。前回が2003年なので3年ぶりの開催である。忘れもしない大学一年生の秋、スタッフとしてダイナコン1に関わってから、1989年のEXまでは毎回スタッフか参加者として参加していた経緯もあり、何だかダイナコンに行くと同窓会に参加しているようなホッとした気分になる。企画局長として関わったEXで大きな失敗をしてしまい(詳細は略す)、イベントはしばらく敬遠していた時期もあったのだが、最近は地元のコンベンションにはできるだけ参加するようにしている。何だかんだ言っても、やはりイベント好きなのだ。
 大広間でゲスト紹介・企画紹介を行ってから、夕食。7時半から企画スタート。まず最初は「ダイナコンの歴史を語ろう」に参加。地元ファンダムの重鎮である若尾天星さんとダイナコンをスタートさせ作り上げてきた神北恵太さんを中心に、昔話に花を咲かせる。ダイナコン5・6の頃(1980年代後半)のパンフレットを見ていると、活気もあるし、ゲストも充実していてすごいね。まあ、そういう時代だったんだよなあ。でも、自分がダイナコンと言われてよく思い出すのは、参加者50人程度だったダイナコン1(ハチャコン2と共同開催)で、ビデオデッキと無理矢理配線した米川旅館の古いTVに丁度始まったばかりの「マクロス」第一話を映し出していた、徹夜明けのガランとした部屋なのである。あれから24年。自分もダイナコンも随分遠いところまで来た……はずなのだが、そんなに変わっていないような気もする。驚いたのは、若尾さんが古い資料をきちんと保存していることだ。当時毎週名古屋駅の喫茶店クローバで開かれていた金曜会で回されていた回覧ノートを見てビックリ。時を超えて、どうでもいいことを書いている23年前の自分に再会した。気分はほとんどタイムトラベルである。久しぶりに自分の原点を見つめ直すことができた。若尾さん、神北さん、ありがとうございました!
 さて、その後PXで休憩がてら古本を即売し、11時半からは「プログレの部屋」に参加する。前回のダイナコン18では、巽先生と菊池先生の二大ゲストを招いた「プログレの部屋」に参加し、とても楽しかったので、2004年のG-CONでも「プログレの部屋」に参加した。そのときは先日急逝された米澤嘉博さんもお見えになり、大いに盛り上がったことは記憶に新しい。お元気だったのに、まさかこんなに若くして亡くなられるとは……。今回は、いつものように巽、菊池先生をお招きして、米澤さんの追悼も兼ねての「プログレの部屋」ということになった。最初はキース・エマーソン関連をいくつか。最初に参加したバンドV.I.P.SやバックバンドをしていたP・P・アーノルドを聴いてから、米澤さんのお好きだったというThe Tripsというイタリアのバンドへ移る。変形ジャケ&コンセプトというプログレ二大アイテムはらくらくクリアしている二枚目のAtlantis。これはドラムが名手フリオ・キリコ(後にアルティ・エ・メスティエリ)ということもあり、演奏が上手い! 未CD化だそうで、是非CD化してほしいものだ。後で聞いたもう一つのイタリアのバンド(こちらは今ひとつ)と合わせて、1970年代前半のイタリア・プログレ界の裾野の広さを確認させられた。イギリスで全く売れていなかった当時のジェネシスは、イタリアで人気爆発し、後に「イタリアが我々を救った」と語っているが、それほどプログレが隆盛していたのだということが、こういう音源を聴くとよくわかる。後は、著名なクラシックをプログレ風味でアレンジした曲を聴いたり、新世界という大阪のプログレ(コミック?)バンドを聴いたり。個人的に一番気に入ったのは、East Wind Pot というカンタベリー風の日本のプログレバンド。ハットフィールド&ザ・ノースを思わせる曲調&ジャケットで、Share it をこよなく愛する自分としてはもろに好み。帰ってきてから即注文してしまった。後は、最近人気の iona というケルティック・プログレバンド。これは、その場に見えていた小谷真理さん、ひかわ玲子さんらファンタジイ系の方々にも気に入っていただけたようである。ブートDVDに移って、1972年のシカゴのライブを見た後、なぜか難波さんを写さず、ドラムのそうる透ばかり写しているセンス・オブ・ワンダーの隠し撮りライブ。撮った人は絶対そうるファンに違いない。最後は、菊池誠さんが地元大阪で行っているテルミン奏者とのコンサートの様子を見ながら終了となった。曲はマウロ・パガーニの「ヨーロッパの曙」。テルミン奏者の方の演奏がとても上手く、軽やかな手つきで中近東風のメロディを奏でていたのが印象に残った。あっという間の一時間半、巽先生、菊池先生、参加者の方々、担当の小崎くん(豊富な知識と情報量はとても若者とは思えない。すごい! の一言)、どうもありがとうございました。
 後は、PXで古本を売ったりして時間を過ごす。名古屋大学SF研の副会誌、懐かしの「Milk Soft」が153号を発行していて驚く。久しぶりの発行とのことで、現役2年生の片桐くんが来て売っていた。イーガンで読書会をしたり、セミナーレポートが載っていたりして、結構がんばっている。片桐くんとはいろいろと話したけれど、京フェスにも行くというし、前途有望な若者である。ぜひとも順調に育っていってほしいものだ。顧問の山田くんも来ていて、最近のSF研について話を聞く。来年は創立25周年なんだ。10周年でパーティーをして以来何もしてないなあ。何か出来るといいのだが……。  3時には寝てしまい、7時半に起きる。巽先生らと朝食をとった後、エンディングを迎えた。何はともあれ充実した一夜であった。スタッフの方々、お疲れ様。また次のダイナコンを楽しみにしています。

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