●財津一郎

 財津さん、ひっじょお〜〜〜に好きなお方である。<てなもんや三度笠>の浪人役が、わたしの脳に強烈に刷り込まれている。あとは、<花のピュンピュン丸>の主題歌。(ありゃりゃん、こりゃりゃん…)というメロディーが頭の中をこだまする(笑)お笑い系から、非情の悪役まで、なんでも幅広くこなされる方である。(子供の頃、南利明さん@ハヤシもあるでよと区別がつかないときがあった。キャラがかぶるのか?)
 面白い役はもちろんだが、わたしは財津さんの悪役が大好き。新五捕物帳の第一回目は、彼が殺し屋の役で、女だろうがばさっと一刀の元に斬り捨てていた。鬼平犯科帳でも、妙義の團右衛門という盗賊の役で、これまた血も涙もない盗人の頭を演じている。人の良さそうな顔から、ぱっと冷徹な顔に変わる、あの表情が大好き。強面の方よりもずっと恐ろしい感じがする
 山形勲版<剣客商売>のエピソードの中で一番好きなのが、彼が三浦金太郎という剣客を演じる<まゆ墨の金 ちゃん>。原作も面白いが、彼が演じる金ちゃんがまた味わい深い。剣客でありながら、薄い眉に眉墨を入れ紅をさすという一風変わった個性の持ち主の金ちゃん。財津さんが演じることで可笑しみと、また、剣客として大治郎に立ち向かい敗れたときの悲しみが見事に描かれている
 脳内出血で倒れられた後、大河ドラマで無事復帰。<葵徳川三代>の安国寺恵瓊の役もよかった。テレビに、映画に、舞台にと、まだまだお元気で活躍していただきたい。そして、たまに<きびし〜〜〜っ>を聞かせて欲しい。(さびし〜〜〜っでも可<^0^>)ほんと、好きです、財津さん!(2003.2.17)
名前 財津一郎(ざいつ・いちろう)
生年月日 1934年2月22日
主な出演作 <てなもんや三度笠>(1962)
MEMO 帝劇ミュージカルの研究生から歌手、石井均一座、ムーランルージュを経て、1964年吉本新喜劇に。
「てなもんや三度笠」で一声を風靡。お笑いからシリアスな役まで幅広くこなす。
1995年脳内出血で倒れるが、翌年復帰している