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障害を持つ子供たちが登場する本

障害を持つ子供たちが登場する本です。 本当は障害という言葉は使いたくないのですが・・・。 たとえば、嫌なことがあるとお腹が痛くなって学校へ行けなくなったり、 渋滞の激しい道路で、不安が強くなって動悸がしたり、 こんなことも障害じゃないのかなぁ。
子どもも大人も色々な人が、あたりまえに色々な生活をしていけたらいいのに。 小さい時から身近に障害(自分のでも他人のでも)とおつきあいしていたら、 偏見も差別も無くなると思うので、 こんな本を集めてみました。

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書名 著者名 出版者 コメント

わたしたちのトビアス学校へいく
ボー・スベドベリ 偕成社  以前に紹介した トビアス の3作目です。スエーデンの特殊学校のようすがよくわかります。 福士が発達した国とは聞いていますが、特殊学校へタクシーで送り迎えしてくれるとはすばらしい。 あとがきには、きれいごとだけではない家族の葛藤も書かれています。

ちえちゃんの卒業式
星川ひろ子 写真・文 小学館  ちえちゃんは715グラムで生まれました。我が家の2人の子どもたちも、どちらも未熟児で生まれたので 身近に思えます。

みえないってどんなこと?
星川ひろ子 写真・ 岩崎書店  目のかわりに、音もにおいも手ざわりも味覚大切なことがわかります。生活用品をどのように識別するかも、目からうろこでした。全部ひらがななのは読みにくかったです。岩崎書店の方針なのでしょうか。漢字まじりにルビがいいのだけれど。
とべないほたる 小沢昭巳    この本はずいぶん前に読んでいたものの、障害について書かれた本という意識がありませんでした。確かに飛べないほたるが主人公ではありますが、特にシリーズ後半は障害があるなしに関係なく思春期に直面する問題をテーマにしているせいでしょうか。
いっちゃんはね、おしゃべりがしたいのにね 灰谷健次郎 理論社  選択的かん黙症も障害のうちでしょうか。一応挙げておきました。
ぼく、哀れみなんかいらないよ ロバート・パークス 偕成社  1987年出版。さすがに文が古い気がします。アメリカでもやはり障害児が生活するのは厳しいものがあるのですねぇ。もちろんポリー先生のように、障害児一人一人の個性に合わせて学習方法をを考えてくれるシステムがあるだけ日本より進んでいるのでしょう。
小児糖尿病とたたかうジョニー トーマス・ベリーマン 偕成社  このシリーズは写真集です。半分は写真でも、説明の部分は字が小さく若干難しいように思います。小学校でも、高学年からでないと手にとらないように思えます。大人が読むほうが、小児糖尿病の原因や普段の生活がわかって「なるほど」と言う感じです。
小児糖尿病とたたかうジョニー トーマス・ベリーマン 偕成社  会話形式の説明があります。著者(写真家)が質問しているのですが、なかなか聞きにくいことをずばりと聞いています。子供たちも対等に答えています。著者も子供たちもすごいことだと思います。
車いすのマティアス トーマス・ベリーマン 偕成社  マティアスは脳性まひです。いつもうっかりしてしまうのですが、脳性まひと知能障害とは分けて考なければいけません。どういう訓練が行われるかというのは興味あります。日本では 日木流奈くんが書いてますね。そういえば、彼の本も紹介しなければ。
さっちゃんのまほうのて たばたせいいち 他 偕成社  どうして指の無い手で生まれてきたのか?ということが子どもにわかるように説明されていると思います。このての絵本には感想がつけにくいです。

こどもの頃、ほんの何度か「人形の手」をした友達と遊んだ記憶があります。今思えば、義手をつけていたのでしょうけれど、当時は不思議に思うでもなく、そんな手なんだと思っていました。子どもは自分なりに説明がつけば、こだわりなく接すると思うのですが・・・。もちろん年齢にもよるでしょうけれど。

お母さんの手、だいすき! 長塚麻衣子 中央法規  『さっちゃんのまほうのて』のその後といったものです。とリンクを張ろうと思ったら、『さっちゃんのまほうのて』を紹介していないことに気がつきました。近いうちにアップします。

この本は著者の半生記といった感じです。障害があるから恋人ができないのでは?結婚できないのでは?という不安へのひとつの答えとなるでしょう。でも、残念ながら、個人史というのはよほど興味がなければ楽しめません。

風にふかれて 丘修三 偕成社  著者は大学で障害児教育を学んで、養護学級の先生をしています。障害児本人より、 まわりをとりまく人々がよく描けていると思います。「そうそう、こんな人いるよね」とか「私もこんな 反応したかな」という感じです。
シーラスと黒い馬 他
(シーラスシリ−ズ)
セシル・ボトカー
橘要一郎訳
評論社  障害者が登場するという意味では、シリーズ中8巻ぐらいまでです。 全体としてはシーラスの成長物語といえます。 近刊のテーマは女性と仕事(性差別)という方向になってきました。 これから読む方のために、詳しくは書けませんが、悪党ウマガラスの過去が明かされる7.シーラスと マッティ出会いは是非読んでいただきたいです。 このシリーズは完結していません。続編が楽しみです。

 シリーズ第1作です。主人公が障害をもっているわけではありません。 現時点では、障害を持つ友人と出会ったばかりです。今後どのように主人公の人生にかかわっていくのでしょう。 目のない女の子と出会った時の衝撃が、リアルに表現されています。 これが現実でしょう。その後どうするか、そこが分かれ目なのだと思います。

はせがわくんきらいや 長谷川集平 すばる書房  この作品は廃刊(というか出版社が倒産)、復刊を繰り返しています。モノクロの絵と、手書きの文字が印象的。 障害とつきあうということはきれい事じゃすまないところがあって、子ども達もようしゃがない。でも、情けはあるんですよね。 「長谷川くんなんかきらいや」と言いながら、長谷川君を背負って歩いているラストが一番好きです。 大人になったの長谷川君は、トレーニングジムにもかよったし、ピアノもうまくなったのかな。 集平ガレージ
あつおの冒険 田島征彦 吉村敬子 童心社  この絵本では、心の言葉としてあつおのセリフがたくさんありますが、実際声に出したのは ほんの一部なのです。はたから(たとえそれが親でも)見れば、何を考えているかわからないといった 状況でしょう。「ぼうけんの日」犬島で、話のわかるなみきちやおっちゃんに会えてよかったね。
だれもしらない 灰谷健次郎 あかね書房  「まりちゃん」が200m歩くのに休みを2回入れて40分。でもその間にいろいろな友達と触れ合いがあって、辛いばかりの道のりじゃないんだよというのは わかるのですが、タイトルはどうして「だれもしらない」なんでしょう。少なくともお母さんは知っているし、道草好きの子どもだって、実は知っていると思います。 これって、ひねくれてます?
歯形(ぼくのおねえさん所収) 丘修三 偕成社  「ぼく」は友人と3人がかりで、「あの子」をけったり、ぶったりしたことを隠し通してしまいました。 言葉が不自由な「あの子」は、頭や胸をこぶしでたたいて泣きました。 例えば外国語で議論をしようとしたらどうでしょう。言いたいことをうまく伝えられないとき、悔しい思いをするのは健常者も同じです。 また、このようなことがあったら「ぼく」はどう行動するでしょうか。
ペカンの木 のぼったよ
(こどものとも第486号)
青木道代 福音館  りんちゃんは、動くのも話をするのも苦手だけれど、話をきくのは上手。 皆が得意、不得意とうまくおりあって行ければいいのに・・・。
わたしたちのトビアス セシリア=スベドベリ編 トビアスの兄弟文・絵
山内清子訳
偕成社  トビアスは「特別な子」というのがなんだか暖かい。トビアスはダウン症ですが、 兄弟達(4人もいます!)も両親もトビアスが大好き。子どもらしい文章が印象的。
わたしたちのトビアス 大きくなる ボー=スベドベリ編 トビアスの兄弟文・絵
ビヤネール多美子訳
偕成社  1作目の編者であるお母さんは病気で亡くなってしまいました。お父さんが仕事を引き継ぎました。 お父さんは、仕事に出ている時間を減らして家にいる時間を増やしたそうです。そして、それが楽しいことも知りました。 だそうですよ。日本のお父さん! ダウン症のように、いろいろなことを覚えることに時間がかかる子供達に、どのような訓練を したらいいのか、参考になりそうです。
わたしたちのトビアス 学校へいく ボー=スベドベリ編 トビアスの兄弟文・絵
オスターグレン晴子訳
偕成社  兄弟達が描いた絵よりも、お父さんが撮った写真が増えました。一作目から20年経ち、兄弟たちも 独立したり、思春期を迎えたり。そして、新しいお母さんと兄弟も増えました。かわいいばかりじゃないトビアス、 「たいへんなとき」の章が一番大切だと思います。
ぼくはレース場の持主だ パトリシア・ライトソン
猪熊葉子訳
評論社 障害児が登場する本だとはきていましたので、その子が主人公だと思っていました。 でも実際に読み応えがあるのは、その子を取り巻く4人の少年たち、レース場やその周囲にいる労働者たちの姿でしょう。
もし、この本に障害児が書かれていると知らなかったら、最後まで誰のことかわからなかったかもしれません。 すいぶんぼやけ表現がしてあります。「閉ざされた窓のむこうに住んでいる」とか「暗闇に入ってしまった」とか。 読んでいてすっきりしません。 1972年に初版、1988年に再版されていますがこの間に何かクレームが出たのか、最初からなのか、確かめてみたい気がします。 また、書きたいのが少年の周りの人物たちなのであるなら、主人公の少年がが障害をもっている 必要性もあまりないのでは?

だんまりベニ
ペーター・シュタインバッハ
榊直子訳
佑学社   主人公のベニには、障害があったのでしょうか。確かにほとんどしゃべらないし、しゃべることも とにかく自分がしゃべりたいことだけだし。難産の末、仮死状態で生まれたということで想像はできるけれど、モーターボートを 軽々と運転することや、火事の時の的確な判断力は、先入観の無い者が見たら、並以上の子どもでしょう。
冒険読み物のように読みました。

ヒルベルという子がいた
ペーター・ヘルトリング
上田真 子訳
偕成社   脳に障害をもつ子どもの話です。このような子が暮らしていることを知らせるという 目的にはかなっていますが、結局、ヒルベルは病院に入れられ、忘れられてしまうという結末を真似してはいけないでしょう。

なぞの娘キャロライン
E.L.カニグズバーグ
小島希里訳
岩波書店   コピーライトは1976年。ずいぶん前に書かれた本です。 この本は、読むより先に筋を知ってしまい、面白みが半減してしまいました。残念。 
 障害児を妹に持つことで、その、環境に縛られてしまう兄。 障害児本人より、その家族にスポットを当てている本は珍しいと思います。

ダニーはふつうの男の子
ヘレン・ヤング 石井清子訳 佑学社   てんかんの持病がある男の子。日本でのそういう子どもに対する理解はどうなんだろう?

わたしの妹は耳がきこえません
ジーン・W・ピーターソン
土井美代子訳
偕成社   耳が聞こえないと、聞こえる人とどんな違いがあって、どんな気持ちがするのか、 きちんと書いてあります。 
「(耳がきこえないって)耳はいたくないの。でも、むねがいたくなるの。 みんなに 自分の気持ちをわかってもらえないときにね。」

どこかちがうマリア
リセロッテ・セルピーターセン 木村由利子訳 偕成社   難聴の子どもの気持ちがよく書いてあります。 「聞こえない」ことさえ気づいてもらえなかった間の子どもの気持ち、それを後悔しているお母さんの気持ち。 さすが、難聴の子どもを持つおかあさんです。
こわいことなんかあらへん 福井達雨 偕成社  編者の息子が、止揚学園の子ども達と接っする日常で話したことをまとめたものです。 ここでみんなにこわがられているやよいちゃんは、赤ちゃんの時に頭の中が病気になってしまいました。 
たっちゃん ぼくが きらいなの さとう としなお 岩崎書店   たっちゃんは自閉症です。自閉症の子どもがどんな行動をするのか、自閉症がどういうしくみで起こるのか、 お母さんがたに読んで欲しいです。しくみがわかるだけでも、接するのがこわい気持ちが減ると思います。 
ぼくのおにいちゃん 星川ひろ子、
星川治雄
 小学館  ほかのお兄ちゃんとは違うお兄ちゃんを持つ男の子。でも、ほかの兄弟のように、遊んだりけんかしたりします。 パパのことばがいいです。 
「人にはそれぞれ もち味っていうのがあってね、みんなちがう味が するんだよ。」 


書名 著者名 出版者 コメント
せなかをとんとん 最上一平 ポプラ社  お父さんは耳が聞こえません。聞こえないということは、うまくしゃべれないということです。 息子のしんぺいは、「たったいちどでいいから、おとうさんに、しんぺいと、よんでほしい」と思います。 こんなラストは前向きではない、というか、障害を否定しているのではないでしょうか。 「絵本としてこの本を好むのは個人の自由だけれど、XX推薦とか選定となると、問題ではないか」と、 ある評論家が言っていました。
おとうさんといっしょに
(こどものとも第486号)
白石清春 福音館  お父さんは脳性小児マヒです。「せなかをトントン」とは違い、あきくんは「お父さんと一緒に歩ければ良い」とは思いません。著者の実生活だからでしょうか。
おとうさんといっしょに
ーおばあちゃんのうちへー
(こどものとも第486号)
白石清春 福音館  電動車イスで旅行しようとするとどうなるでしょう。東京ではエレベーターが無く、苦労したのに、郡山では エレベータだけで外に出られたとあるのは、新幹線の駅だからだろうか?それとも、著者がオフィスを作っている場所だからだろうか?
番外編:この3冊はどうしても紹介したかったのです。
「障害をもつ子ども」は登場しませんが、障害者を父にもつという点で比べていただきたい3冊です