沈め屋(シンカー)と引揚げ屋(サルベージ) 和久俊三

表紙

〈裏表紙のコピー〉
 元禄時代から続く京都の由緒あるお香の老舗〈香華堂〉。 この店の道楽息子は競馬に狂い、街の金融業者からいつしか数千万円にふくらんだ借金をしていた。 だが、この業者は名うての悪で、京都四条の目抜き通りにある店舗の時価十億円を超える土地を狙っていたのだ。 やがて−一億円にも登る〈香華堂〉振り出しの手形が市場に出回り「沈め屋」と呼ばれるパクリ屋や 「引揚げ屋」と呼ばれるパクリ取られた手形を回収する悪辣な業者達の大がかりな一味が動き始めた。
 事件の依頼を受けた若き弁護士・日下文雄が活躍する長編法廷推理。

〈書評〉
赤かぶ検事シリーズで有名な和久俊三氏の作品。
さすがに和久俊三氏の作品は法律描写が正確である。
アーティクルの初心者向け特集などでも必ず紹介されている。
昭和54年発表の古い作品だが、読んでいて古さは全く感じない。
基本書などには詳しく載っていないいわゆる「パクリ手形」について理解でき、 手形法の勉強にもなる。

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1999(c)Y.Hotta