アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、体質性の湿疹です。
ここで言う体質とは乾燥体質とアレルギー体質の二つをさします。 このような体質は誰もが持っている可能性があり、このような体質 を受け継いでいるだけでは、病気とは呼べません。アトピー性皮膚 炎というのは、このような体質を背景にして、皮膚に炎症を生じた 場合を言います。

日本では、アトピー性皮膚患者の8割が冬場になると悪化すると言 われます。原因は皮膚の乾燥です。アトピーがなくても、赤ちゃん は肌の乾燥による冬期乾燥湿疹ができやすく、アトピーがあると湿 疹もひどくなり、手足のぶつぶつや耳切れなども起きたりします。


症状の特徴

「かゆみ」
最大の特徴はかゆいということです。
湿疹のあるところもないところも強いかゆみがあります。
かゆいので、かきむしって、皮膚表面を傷つけることで、炎症を起 こします。

「左右対称」
アトピー性皮膚炎の湿疹は左右対象にできます。
湿疹は、顔、口の周り、首筋、ひざの後ろ、ひじの内側などの特徴 的な場所にできますが、かぶれによる湿疹と大きく違うのは、両腕 や両膝のうしろというように、左右対象に発生するということです。

「慢性」
症状が長引きます。
乳児湿疹などは、長くても一ヵ月位で治まりますが、アトピー性皮 膚炎の場合は慢性化して長引きます。

「アレルギー体質」
もともと、遺伝的なアレルギー体質が、原因として影響しています。
赤ちゃん自身卵を食べると吐いたり、下痢をするなどの食物アレル ギーを起こすこともあります。

*これらの特徴の内三つ以上が見つけられるとき、アトピー性皮膚炎 と診察されます。


よく似た症状の皮膚炎

「乳児湿疹」:アトピー性皮膚炎に非常によく似た症状ですが、アト ピー性皮膚炎のように、耳切れができたり、手足の延ばす側に湿疹が できるようなことはありません。また、症状も軽く、放っておいても、 一ヵ月もすれば、直ってしまいます。

「接触性皮膚炎」:接触したことによって起こるかぶれ

「ズック皮膚炎」:靴の中にたまった汗や土によって起こる足の炎症

「なめ皮膚炎」:よだれがたまるところにできたり、唾液によるかぶれ。

「砂かぶれ」:砂場で遊んでいると、汚れ、刺激によって手にできる。

これらはアレルギーによるものではなく、乾燥体質を代表する、部 分症状です。

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