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本の出版、『ぼくに涙はにあわない』
千賀 康司 さん

Mr.Yasushi Senga, "WORKING QUADS" guests

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[写真説明:千賀康司 さんの出版した本]
千賀 康司 さん、"WORKING QUADS" Guest、愛知県在住
[ Photo : Mr. Yasushi Senga, "WORKING QUADS" guests ]



本の出版、『ぼくに涙はにあわない』
千賀 康司


 突然の誘いでした。

「本を出してみませんか」

 僕にとっては大恩人にあたる方の紹介で、ある出版社から連絡が入りました。闘病
記を出してみないかとのことでした。

 後先のことも考えず、こんなチャンスはめったにないとすぐにOKの返事。その日の
うちからワープロに向かい、キーを打ち始めました。でも、わずか一週間、壁にぶち
当たってしまいました。一冊の本を出すには原稿用紙300枚に内容をまとめなければ
なりません。なのに、100枚で手が止まってしまったんです。

「もう書くことがない……どうしよう」

 こんなことなら、高校生の時にもっと本を読んで勉強をするんだった。ラグビーと
麻雀と女の子をデートに誘うことしか考えていなかった高校時代を思い、ため息。で
も、あのころもそれなりに楽しかったし、と落ち込まないところが僕のいいところ。
そうやって自分を励ましながら、原稿の続きを書く毎日。

 出版社の編集者にアドバイスと再提出の声を何度ももらいながら、三年間のことを
思い起こして書く。できるだけわかりやすい言葉を使い、精一杯の冗談も交える。半
年後、なんとか、どうにか、やっと完成。原稿用紙に280枚の大作。もう二度とこん
なのは書けない、と完成本を手にしたときは開放感に浸っていました。

 題名は「ぼくに涙はにあわない」。

 なんとも恥ずかしい題名に、人に読んでもらうのも恥ずかしくなってきました。な
んと、実は僕自身、完成した本は一度も読んでいないんです。

 出版した当初は、近所の本屋にも並んでいたのに、8年経った今では、もうどこの
本屋にも並んでおらず、ほっとしているような、なんだか寂しいような。もし読んで
くださる方がいらしたら、ご連絡ください。実は、店頭に並んでいないだけで、売っ
てるんです。

(1998/2/23、電子メールで到達)
(1998/2/23)



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