真菌症とは


白癬菌(Trichophyton)、小胞子菌(Microsporum)、表皮菌(Epidermophyton)の3種に属する、約40種類の菌(これらを総称して皮膚糸状菌と呼んでいる)による疾患で、日常生活で問題になるのは、表皮性のいわゆる、水虫やいんきんたむしなどです。侵される部位と症状により、頭部白癬(しらくも)、斑状小水疱白癬(ぜにたむし)、汗疱状白癬(みずむし)、頑癬(いんきんたむし)などと呼ばれます。
全体としてT.ruburumT.mentagrophytesによるものが70,25%と多いのですが、頭部白癬のみは、M.canis(45%)、T.ruburum(25%)、T.violaceum(25%)の順です。
いんきんたむしは男性がよく感染するので、経験のある方が多いと思いますが、最近では、女性もズボンをはくようになったため、次第に増加していると言われています。
白癬菌は皮膚の一番上にある角質層だけに存在します。それより下の細胞には進入できません。角質層は、死んだ細胞からできていると言ってよく、したがって、そこに生息している白癬菌は免疫もできにくく、いったん治った水虫でも再感染がおこります。白癬菌は、角質層に生息し、ケラチナーゼという角質分解酵素を分泌し角質をとかして栄養源にして、菌糸をのばして成長します。そして、その白癬菌が分泌する酵素や老廃物が細胞を刺激して、かゆみを生ずることになります。
爪に水虫ができる場合を爪水虫と言いますが、通常の塗り薬では、なかなか治療することが困難ですが、爪に、水虫薬を塗り、その上に尿素の配合されたクリームをぬるという方法で、爪を十分水和させて、ある程度成績を上げている場合もあるようです。しかし、それでもだめな場合は、医師の管理下グリセオフルビン,テルビナフィン、トリアコナゾール、フルコナゾールなど抗真菌薬を内服することになります。


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