痛み止め(鎮痙剤)
医薬品名
構 造 及び 性状
常用量
作用・適用
副作用及び注意
ロートエキス
ロートコン(ハシリドコロまたはその同族植物の根及び根茎)から製したエキス。
1日最大量60mg。ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンなどを含む。これらのアルカロイドは、アセチルコリン作動域の副交感神経節及び副交感神経筋接合部に作用して、抗コリン作用をあらわす。この作用により、胃液分泌及び胃腸の運動亢進を抑制する。胃腸運動亢進および疼痛(胃酸過多、胃炎、十二指腸潰瘍、痙攣制便秘)。視調節障害、散憧、口渇、悪心嘔吐、便秘、排尿障害、頭痛、頻脈ほか。
臭化ブチルスコポラミン
臭化ブチルスコポラミン
1日最大量30mg。鎮痙効果は主として副交感神経節遮断作用による。消化管運動抑制作用、胃液分泌抑制、胆嚢収縮抑制など。ショック症状(顔面蒼白、血圧低下、不整脈、潰瘍性大腸炎、眼調節障害、口渇、嘔吐、排尿障害、心悸亢進、過敏症(発疹)ほか。
臭化プロパンテリン
臭化プロパンテリン
1日量最大45mg。 抗アセチルコリン作用を有し、胃液分泌の抑制、胃腸運動の抑制、及び胃壁の緊張低下作用を示す。胃炎、胃・十二指腸潰瘍に起因する疼痛の緩解。
視調節障害、頭痛・頭重、眩暈、眠気、不眠、口渇、便秘、腹部膨満・不快感、胸やけ、心悸亢進、発疹、排尿障害ほか。
臭化チメピジウム
臭化チメピジウム
1日量最大45mg消化管、尿管、胆管などの内臓平滑筋に対して強い鎮痙作用を示す。胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、胆嚢・胆道疾患、尿路結石、膵炎に起因する疼痛の寛解。 視調節障害、口渇、食欲不振、下痢、便秘、めまい、心悸亢進、排尿障害、過敏症(発疹)、顔面紅潮ほか。
臭化メチルベナクチジウム
臭化メチルベナクチジウム
1日量最大30mg。副交感神経節後繊維の興奮により遊離したアセチルコリンと、受容体に対して競合反応により神経伝達を遮断する。胃酸分泌の抑制、胃腸運動の抑制、胃壁の緊張低下が認められている。胃・十二指腸潰瘍、胃炎の痙攣抑制、胃腸運動の亢進の作用がある。視調節障害、口渇、食欲不振、下痢、便秘、めまい、心悸亢進、排尿障害、過敏症(発疹)ほか。
塩酸ジサイクロミン
塩酸ジサイクロミン
1日最大30mg。副交感神経末梢でアセチルコリンに競合的に拮抗するアトロピン様作用(向神経性作用)と、非競合的に拮抗するパパベリン様作用(向筋性作用)を有し、消化管平滑筋の痙攣を鎮め、鎮痙作用を示す。胃、十二指腸潰瘍による痙攣。胆石症、胆嚢炎、尿路結石症などによる痙攣。視調節障害、眼内圧亢進、頭痛、頭重、眠気、口渇、便秘、悪心、嘔吐、心悸亢進、過敏症(発疹)ほか。
塩酸パパベリン
塩酸パパベリン
1日最大200mg。
各種の平滑筋、特に血管筋を弛緩させ、痙攣を抑制。内臓平滑筋の痙攣を抑制して痛み止めとしてもちいる。
頭痛、眠気、口渇、便秘、過敏症(発疹)、呼吸抑制、心悸亢進、肝障害ほか。
アミノ安息香酸エチル
アミノ安息香酸エチル
1日最大0.6g。局所麻酔作用。粘膜及び表皮剥離部局所の知覚を麻痺。胃痛時の胃粘膜麻酔作用及び制吐作用がある。過敏症状(発疹)、口渇、食欲不振、悪心、嘔吐ほか。

注意(1)常用量は、大衆薬に配合されうる量を示してある。
注意(2)これら鎮痙薬は、緑内障、前立腺肥大症などでは、服用しないことが原則です。詳細は医師、薬剤師へ。
注意(3)相互作用については、医師、薬剤師に確認をしてください。


鎮痙剤分子立体構造
ブチルスコポラミンメチルベナクチジウム
ブチルスコポラミン
メチルベナクチジウム

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