口腔細菌の問題について
65歳以上の老人の直接的死因として、一番多いのが口腔内に住み着いている細菌が原因となった肺炎です。また、同じように住み着いているレンサ球菌が循環障害や、心疾患の引き金になっていることが明らかになってきました。
ヒトの口腔内には300種類を越える細菌が数千億も住み込んでいると言われていますが、それらは歯垢(デンタルプラーク)として観察されます。単に歯垢が歯や歯肉だけの問題ではなく、免疫力の落ちた方にとっては全身の疾病を引き起こす重要な問題となっていることがクローズアップされてまいりました。
口腔細菌が関与する全身疾患
老人性肺炎 | 関 節 炎 |
細菌性心内膜炎 | 糖 尿 病 |
循環障害 | 肥 満 |
皮 膚 炎 | 骨粗鬆症 |
糸球体腎炎 | 妊娠トラブル |
口腔内の細菌は、頻繁に血流中に入り込んでいますが、免疫力の低下した老人などでは、ものすごく増殖した細菌が肺にまで到達して肺炎を起こすことが知られています。老人介護などでは特にオーラルケアの重要性が指摘されています。これらオーラルケアには、市販のリステリン、ポビドンヨード、ヒビテン液などが、また歯磨きにも塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムといった殺菌剤が配合されているものが市販されてますが、リステリンはどこでも容易に手に入り、短時間(約30秒)で殺菌力も強いです。
歯周病菌はすべて、内毒素あるいは内毒素類似物質を生産しますが、それが血糖値の上昇をもたらしたり、妊娠トラブル、骨粗鬆症など、上に示した全身疾患の増悪因子となっているのです。日頃のデンタルケアは健康を保つために重要ですね。