自分の体は自分で守ると言うこと 
私たちが、健康といっていますのは、医者から、病気と診断されない場合、集団検診などで、とりたてて異常な数値がない場合に限られています。しかし、実際には、疲れやすかったり、しょっちゅう風邪を引きやすかったり、それなりに体の不調を訴えています。これが、いわゆる未病(みびょう)の状態なのです。すなわち、自分で、自分の体を守るのは、まず第一に、この状態を、さらに健康状態にもってゆくべく自己管理をすることなのです。ここに、大衆薬や、健康食品(サプリメント)の意義があるのです。また、漢方薬も、この状態によく用いられているのです。最近のように、ストレスや生活習慣病が多くなっている現状を考えますと、未病の状態を、いかに脱却するかが、将来にわたっての、健康状態を保つ秘訣となることは、あきらかです。
また、未病の状態のまま、ほっておけば、いつかは病気の状態へと移行することになりかねません。お酒を例にとって考えてみましょう。お酒を飲み過ぎて、翌日2日酔い。吐き気がすごい。この状態では、まだ未病の状態と考えて良いでしょう。しかし、それを毎日続ければ、いずれ、胃や肝臓がダメージを受けて、病気へと移行していきます。
 
 次に、病気と診断された場合ですが、これは、医師の治療を受けることになるのですが、自分が、どのような治療をされているのかと言うことを、はっきりと把握しておく必要があります。すべて、他人任せではいけません。薬の副作用にしても、自分の体を注意深く見ていますと、早めに発見できますし、被害も最小限ですますことができます。しかし、現実には、”医師の先生には話しにくくて”とおっしゃるお客さんが多いですね。これについては、医師の方々も、もっと気を遣ってくださいと言いたいですね。
 
また、風邪で医者に行き、薬をもらって一所懸命のむ。ある程度はもちろん良くなるのですが、いつまでもぐずぐず微熱が続いたり2週間以上もずっと治らないと訴えてくる方がいらっしゃいます。これは明らかに、免疫力の低下によって回復が遅れている例です。私たちはこのような場合には、漢方薬を薦めています。


加齢による機能低下について
ヒトの体は年齢と共にその機能は低下していきます。左の模式図で示しましたように、腎臓の標準糸球体濾過率は、80歳代では、30代の約半分となっています。口から摂取したものは、腎臓や肝臓の働きによって、解毒、排泄されていくのですが、内臓機能が低下していきますと、たとえば、薬物であれば、必要以上に体内にたまることが考えられます。したがって、高齢者の場合、薬を連用するにあったては注意が必要です。これは、大衆薬はのみならず、医者からもらっている薬の場合も当然で、効果のない場合に漫然と飲み続けて良いのかを本人も、医師も、薬剤師も気をつけなければならないことです。


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