ビタミンKについて

立体構造赤:酸素
ビタミンK1(フィトナジオン)


立体構造赤:酸素
ビタミンK2(メナテトレノン)
ビタミンKについては、その血液凝固作用のみが強調されてきたましたが、近年とくに、カルシウムの代謝に関係するビタミンとして、大きな注目を集めるに至りました。特に骨粗鬆症については、カルシウムやビタミンDの補給だけではなく、ビタミンKの補給が重要な問題として認識されてきました。また、動脈硬化によるカルシウム沈着も、ビタミンK不足が大きな因子となっていることが明らかになりました。さらに、脳のカルシウム代謝にも影響を及ぼし、ヒトの老化にさえも影響を与えると言われております。
 植物に含まれているK1は体内では、K2に変わり、活性をあらわします。K2は納豆などのように微生物によって作られます。ヒトでは1mg程度で十分といわれていますが、アメリカでは、1日10mg程度が推奨されるべきといわれております。最近日本でも、肉を食べて、グレープジュースを飲んで、パンを食べてなんて言う食生活をしている人がいますが、これでは、ビタミンKはほとんど入ってきません。ハンバーガーですますなんてのはもってのほかです。骨の弱い若い方がいるというのも、食事の影響は大きいでしょう。昔タイプの、ご飯のおかずとして、みそ汁、納豆、のりなどの食品がビタミンKに富んでいますので、食生活をもう一度十分にチェックする必要があると思います。特に、骨粗鬆症になりやすい中年以降の女性にとっては一大事です。
 これほど重要な、ビタミンKですが、はじめは血液凝固のみが明らかになったこと、腸内細菌でビタミンKが合成されることなどから、通常の生活にとって特別な補給は必要ないという意識が一般的となりました。
 しかし、実際には、カルシウム代謝にとって大変重要ですし、血液凝固作用も必要以上におこらないことが明らかになっていますので、むしろ、積極的な摂取によって、骨粗鬆症や、動脈硬化、心臓疾患、老化を予防するという考え方が必要でしょう。
しかし、上記のような理由から総合ビタミン剤などにはビタミンKは含まれていない場合が多く、したがって、食品からの摂取が強く望まれるところですね。
ただし、血液凝固阻止剤ワルファリンなどをお医者さんから処方していただいている方は、ワルファリンの効果を相殺しますので注意しましょう。


戻る