ビタミンB1,B2
ビタミン群
名   称
構  造  式
用法・用量
作用・効能
副作用
ビタミンB 塩酸チアミン
硝酸チアミン
塩酸チアミン
硝酸チアミン
1回1〜10mg。1日1〜3回。 ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。チアミンは、生体内でATPからピロリン酸の転位を受けコカルボキシラーゼ(チアミンピロリン酸)となってピルビン酸、あるいはα-ケトグルタール酸などの脱炭酸反応の補酵素として作用する。またグルコース代謝の直接酸化路に生じるtransketolation反応の補酵素として働き、炭水化物の代謝に不可欠のビタミンである。
塩酸(硝酸)チアミンは主として十二指腸から吸収されるが、1回10mg以上に増やしても吸収量は増えない。
内服でまれに発疹。

フルスルチアミン
1日5〜100mg ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合で神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、心筋代謝障害、便秘等の胃腸運動機能障害。
塩酸チアミンに比べ、細胞内によく取り込まれ多量のコカルボキシラーゼを生成し、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害と関係する神経機能障害、心臓障害等を改善する。心臓細胞への取り込みがよい。腸管蠕動運動亢進作用がある(チアミンにはほとんどなし)。
発疹、悪心、胸焼け、胃痛、胃部不快感、下痢、口内炎。

オクトチアミン
1日5〜100mg
ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合で、神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、便秘などの胃腸運動機能障害。
塩酸チアミンより吸収がよく、血中濃度も高い。
ときに、悪心、下痢など。

チアミンジスルフィド 1回1〜10mg。1日1〜3回。 ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合で、神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、便秘などの胃腸運動機能障害。
組織に対する親和性が強く神経組織、血球、髄液をはじめ諸臓器へ高濃度に移行する。また体内貯留性がよい。細胞内で速やかにビタミンB1に還元された後、活性を示す。
まれに発疹、悪心、嘔吐。

ビスベンチアミン
1日塩酸ビタミンB1として、5〜100mg。 ビタミンB1欠乏症の予防及び治療。ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合で、神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、便秘などの胃腸運動機能障害。
腸管吸収性及び組織移行性のよいB1誘導体で、ビタミンB1作用のほかに鎮痛作用、腸管運動亢進作用、副腎皮質刺激作用を示す。
軽度の食欲不振、胸やけ、嘔気、軟便、下痢など。

ベンフォチアミン
1日塩酸ビタミンB1として、5〜100mg。 ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合で神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、心筋代謝障害、便秘などの胃腸運動機能障害。
腸管吸収性および組織移行性のよいB1誘導体で、ビタミンB1作用のほかに鎮痛作用、腸管運動亢進作用、副腎皮質刺激作用を示す。
ときに、胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢。
ビタミンB2リボフラビン
リボフラビンとして1日2〜30mgを1〜3回に分割。 ビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:口角炎,口唇炎,舌炎、肛門周囲及び陰部びらん 、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、ペラグラ、尋常性ざ瘡、酒さ、日光皮膚炎、結膜炎、びまん性表層角膜炎。
リボフラビンは回腸下部から吸収されて、リン酸化され、さらにアデノシル基を結合してFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)となって、活性を示す。
尿の色を黄変させるので注意。

リン酸リボフラビンナトリウム
リボフラビンとして1日2〜30mgを1〜3回に分割。 ビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:口角炎,口唇炎,舌炎、肛門周囲及び陰部びらん 、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、ペラグラ、尋常性ざ瘡、酒さ、日光皮膚炎、結膜炎、びまん性表層角膜炎。
リン酸リボフラビンナトリウムはきわめて水に溶けやすいので、医療用では注射剤に用いられている。
尿の色を黄変させるので注意。

酪酸リボフラビン

酪酸リボフラビンとして1日5〜20mgを2〜3回に分割。
抗脂血漿の適用には1日60mg〜120mgを、2〜3回に分割。
高コレステロール血症。ビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:口角炎,口唇炎,舌炎、肛門周囲及び陰部びらん 、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、ペラグラ、尋常性ざ瘡、酒さ、日光皮膚炎、結膜炎、びまん性表層角膜炎。
血中脂質代謝改善作用があり、コレステロールや中性脂肪の増加を抑制する。
尿の色を黄変させるので注意。



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