ビタミンA,D
ビタミン群
名   称
構  造  式
用法・用量
作用・効能
副作用
ビタミンAビタミンA油 水産動物の新鮮な肝臓及び幽門垂から得た脂肪油か、又はその脂肪油、その濃縮物もしくはビタミンAまたは、その脂肪酸エステルに肝油類もしくは植物油を加えたもので、1gにつき3000ビタミンA単位以上を含むもの。
レチノール、レチナール、レチノイックアシッドなど含む。
(図はレチノール)
−CH2OHが−CHOになると、レチナール(活性型)。
−COOHになると、レチノイックアシッド(活性型)。
補給の目的には1日2000〜4000単位。ビタミンA欠乏症予防及び治療。ビタミンAは腸管から容易に吸収されて、肝臓に貯蔵される。脂質、タンパク質代謝並びに内分泌系の機能の維持に関係。欠乏すると、角膜、結膜その他の粘膜や皮膚の乾燥状態を起こし、夜盲症になることがある。 大量長期投与によりビタミンA過剰症状、頭痛、嘔吐、腫大、脱毛、そう痒感、四肢痛、ほか

酢酸レチノール
補給の目的には1日2000〜4000単位。ビタミンA欠乏症予防及び治療。ビタミンAは腸管から容易に吸収されて、肝臓に貯蔵される。脂質、タンパク質代謝並びに内分泌系の機能の維持に関係。欠乏すると、角膜、結膜その他の粘膜や皮膚の乾燥状態を起こし、夜盲症になることがある。吸収された酢酸レチノールは、大部分がパルミチン酸エステルになる。エステルは、必要により、再び加水分解されて活性型のアルコール(レチノール)になり血中に移行する。 大量長期投与によりビタミンA過剰症状、頭痛、嘔吐、腫大、脱毛、そう痒感、四肢痛、ほか

パルミチン酸レチノール

補給の目的には1日2000〜4000単位。ビタミンA欠乏症予防及び治療。角化性皮膚疾患用薬。ビタミンAは視紅形成に関与。また上皮組織の維持に必要で、粘膜の変性・角化・損傷を防止し、ことに結膜乾燥症および角膜軟化症を防止。ビタミンAは腸管から容易に吸収されて、肝臓に貯蔵される。脂質、タンパク質代謝並びに内分泌系の機能の維持に関係。ショック症状、大量長期投与によりビタミンA過剰症状、頭痛、嘔吐、腫大、脱毛、そう痒感、四肢痛、ほか
ビタミンA、D肝油
マダラまたはスケトウダラの新鮮な肝臓及び幽門垂から得た脂肪油。1gにつき2000〜5000ビタミンA単位含む。ビタミンDも含まれている。
補給の目的にはビタミンAとして1日2000〜4000単位。ビタミンAおよびDが含まれているので、その総合効果が期待される。ビタミンA欠乏症の予防(および治療)、D欠乏症の予防。ビタミンAは腸管から容易に吸収されて、肝臓に貯蔵される。脂質、タンパク質代謝並びに内分泌系の機能の維持に関係。欠乏すると、角膜、結膜その他の粘膜や皮膚の乾燥状態を起こし、夜盲症になることがある。神経過敏、頭痛、食欲不振、嘔吐、肝腫大、脱毛、そう痒感、四肢痛、発疹ほか。
ビタミンDエルゴカルシフェロール(D2)
補給の目的には1日400IU。ビタミンD欠乏症の予防と治療。エルゴカルシフェロールは肝臓と腎臓の酵素により、活性型に変化し生体内のカルシウム代謝に関与する。カルシウムと、リンの代謝を正常にする。血中カルシウム濃度を調節。カルシウム吸収促進作用。骨へのカルシウム沈着を促進。また、リンの尿中への排泄を調整し、骨組織へのリン酸カルシウムの沈着を促進する。ビタミンD過剰症(骨歯異常、興奮、不眠、頭痛、発汗、食欲不振、嘔吐、便秘、下痢、腎障害、多尿、高血圧、皮膚の乾燥、全身倦怠ほか。

コレカルシフェロール(D3)
補給の目的には1日400IU。ビタミンD欠乏症の予防と治療。経口投与されたD3は吸収されて、肝臓にはこばれ、そこで、一個−OH基が導入され、さらに腎臓でまた−OH基が導入されて、活性型ビタミンD3になる。この活性型ビタミンD3になって初めて種々のカルシウム代謝に関与することになり、これは、ビタミンD2でも同じである。ビタミンD過剰症(骨歯異常、興奮、不眠、頭痛、発汗、食欲不振、嘔吐、便秘、下痢、腎障害、多尿、高血圧、皮膚の乾燥、全身倦怠ほか。

カルシトリオール(活性型D3)

補給の目的には1日400IU。ビタミンD欠乏症の予防と治療。ビタミンD3の生体内活性代謝体で、肝臓及び腎臓における、水酸化を受けることなく、腸管で、カルシウムの吸収を促進し、腎臓でカルシウムの再吸収を促進することにより血清カルシウム値を上昇、骨形成を促進する。ビタミンD過剰症(骨歯異常、興奮、不眠、頭痛、発汗、食欲不振、嘔吐、便秘、下痢、腎障害、多尿、高血圧、皮膚の乾燥、全身倦怠ほか。

注意)ビタミン、A,Dを治療量服用することは医師の管理下で行うことで、大衆薬ではビタミン補給の目的のみ使用。
注意)ビタミンA,Dは妊娠している女性は必要以上のまないこと。


ビタミンE
名   称
構  造  式
用法・用量
作用・効能
副作用
トコフェロール
(d−α−トコフェロール)
天然ビタミンE

最大1日300mg。1日2〜3回 ビタミンE欠乏症の予防及び治療。末梢循環障害(間欠性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)、妊娠機能障害、過酸化脂質の増加防止。
α−トコフェロールは大部分が小腸上部から受動的に膜透過が行われ、リンパ系を経由して吸収される。天然に存在するのはd体のみであるが、合成するとdl体となる。生理活性はd体のほうがすこし強い。トコフェロールは生殖腺及び下垂体−副腎系に対する賦活作用のほか、末梢血管内皮細胞膜を安定化させ、血小板凝集・粘着能を低下させ、末梢循環の促進作用を示し、過酸化脂質の生成を抑制する。血中濃度は服用後5〜9時間後で最高値に達すると言われている。吸収率は、服用する製剤や食事によっても大きく影響される。
ときに胃部不快感、下痢、便秘、まれに発疹。
酢酸トコフェロール
(酢酸dl−α−トコフェロール)
天然型ビタミンE
最大1日300mg。1日2〜3回 ビタミンE欠乏症の予防及び治療。末梢循環障害(間欠性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)、妊娠機能障害、過酸化脂質の増加防止。
トコフェロールは生殖腺及び下垂体−副腎系に対する賦活作用のほか、末梢血管内皮細胞膜を安定化させ、血小板凝集・粘着能を低下させ、末梢循環の促進作用を示し、過酸化脂質の生成を抑制する。
ときに胃部不快感、下痢、便秘、まれに発疹。
コハク酸トコフェロールカルシウム
(コハク酸dl−α−トコフェロール)
最大1日300mg。1日2〜3回 ビタミンE欠乏症の予防及び治療。末梢循環障害(間欠性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)、妊娠機能障害、過酸化脂質の増加防止。
胃腸管で容易に加水分解されて遊離型となって体内に取り込まれる。上記の2種のトコフェロ−ルは油状であるが、本品は個体であるので、製剤化しやすい。
ときに胃部不快感、下痢、便秘、まれに発疹。



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