剣を抱く少女
-聴罪師アドリアン-

イラスト:なるしまゆり


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二十歳の青年司祭アドリアン。
彼は、死者の罪の告白を聞き、赦しを与える聴罪師(ちょうざいし)である。村の領主の息子ピエモスが、見知らぬ少女を連れて教会へとやって来た。
少女は身の丈ほどもある剣を抱いている。ピエモスの話によれば、剣をどうしても離そうとしないのだという。アドリアンは少女の背後に死者の姿を見た。それは少女の手に剣を握らせる、女の霊だった……。緊迫の中世ホラー第二弾!


登場人物

アドリアン

異例の若さで司祭の品級を得た青年。死者の声を聞き、その罪を裁く聴罪師。庇護者ヴェネデットの死後、司祭としてサラ村に赴任。

ビアンカ

鉄細工師モライシュの娘。母の棺の中で生まれたために悪魔憑きの娘と呼ばれている。

モライシュ

ビアンカの父。20年前から村に住んでいるが、村人からは疎外されている。実直で素朴な鉄細工師。

ピエモス

サラ村の領主、ブラウ伯の息子。24歳。ビアンカを手に入れたいと考えている。

リシア

剣を抱いた少女。両親を亡くして養育院に預けられるところを、ピエモスによって村に連れて来られた。