| アドリアンの身の回り品など
 <乳香(にゅうこう)>
 アドリアンの使っている香。とっても高価なものなの
 で、荘厳な典礼の時にしか使わないのですが。ためし
 に吉田も使ってみましたが、すっごくさわやかないい
 匂いがします。アロマテラピー関連のグッズを売って
 いる店にあると思います。フランキンセンスという名で
 売っているでしょう。
 
 <スプーン>
 アドリアンは質素な暮らしを心がけながらもスプーンだ
 けは贅沢品の銀製品を使っています。これは名付け
 親のヴェネデットからおくられたものだからです。
 
 <果実水>
 アドリアンは病気の時くらいしか葡萄酒を飲みませ
 ん。発酵したものを口にしないという考えがあるようで
 す。ピエモスが来ても葡萄酒でもてなさず、水っぽい
 果実水しか出さないので、ピエモスがいつも不平を言
 っているわけです。
 
 <施物袋(オーモニエール)>
 聖職者たちが持っているポシェット
 みたいな袋です。使い方としては
 ウエストポーチに近いかも。
 これに施し物を入れて貧者に施していたのが
 名前の由来ですが、後には財布や小物入れとして
 使われました。
 
 <死霊(マネン)>
 マネンというのはドイツ語からきてます。
 主に先祖の霊をいうそうです。
 一応アドリアンシリーズというのはフランスの
 寒村のイメージで書いているので、
 日常用語についてはフランス語の発音でルビを
 ふるようにしているのですが(宗教用語はラテン語
 ですが)、死霊についてはフランス語だと
 「マーン」、ラテン語だと「マーネース」で、
 どうもびしっと決まらない感じがしたんです。
 それで、この言葉だけはドイツ語読みのルビで
 いこうと……。まあ、架空の国という設定なので、
 ご容赦くださいね。
 | <名前>アドリアン・ブランシュ
 枢機卿ヴェネデットが名付け親である.
 実はアドリアンというのは,ローマの五賢帝のひとり
 「ハドリアヌス」のフランス読みです.
 一応本編は架空の設定なのでローマとか,
 そういうの関係ないですけど.
 ブランシュという姓は重要なポイントですので
 要チェックですよ!
 
 <血液型>
 A型.むろん中世なので血液型鑑定なんて
 ありませんが.冷静なようでいて怒ると
 こわいところが,それらしくありませんか.
 (A型の人,ごめんなさい)
 
 
 <用語解>
 
 アドリアンが使う呪文のような言葉について……
 
 「永遠の安息を」…レクイエム・センピテルナム.こ
 れはミサ曲などに出てくる有名な言葉です.
 ラテン語です.
 
 「断罪する」……ポエナム・インフェルニ,
 「地獄の懲罰を」という意味のラテン語から.
 動詞を略しました.
 「ダーモ」の一語で断罪するという意味ですが,
 なんとなく物足りないので前者を採用.
 
 「帰天」……死ぬこと.「昇天」と同じ意味.
 聖人などにこういう言い回しをすることが多い.
 アドリアンシリーズでは魂が安らかに
 天上の国へ旅立つことをさして言います.
 
 「聴罪」……司祭などが,信者の告白を聞き,
 罪のつぐないのためにしなくてはならないこと
 (たとえば何日間の断食とか,断酒とか,
 教会へ行けないとか,他の人と同じ場所で
 食事できないとか……)を教え諭し,
 赦しを与えること.信者の立場から言うと
 「告解」.有名な「免罪符」は,
 その罪のあがないを金銭で代用するという
 あまりよくない考えからきたものです.
 
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