『ドロシーとアガサ』  ゲイロード・ラーセン  ★★★

2003.12 光文社文庫
DOROTHY AND AGATHA Gaylord Larsen


 
『螺旋階段の闇』  エリザベス・ルマーチャンド  ★★

1981.02 講談社文庫
STEP IN THE DARK Elizabeth Lemarchand


 
『ストレンジ・シティ』  ローラ・リップマン  ★★★

2003.09 ハヤカワ・ミステリ文庫
IN A STRANGE CITY Laura Lippman


 
『紙の迷宮(上・下)』  デビッド・リス  ★★★

2001.08 ハヤカワ文庫
A CONSPIRACY OF PAPER David Liss


1719年のロンドン. 元ボクサーの調査員ウィーヴァーのもとに,男が訪ねてきた. 彼の父は破産した末に自殺したとされるが,殺された疑いが強いというのだ. しかも事故死したウィーヴァーの父も実は殺害され,二つの死には関連があるという. ウィーヴァーは,調査を始める.
父はやり手の株屋であるばかりか,貿易会社「南海会社」の秘密を暴く原稿を書いていたらしい.
草創期の株取引にからむ歴史ミステリ.

ビブリオ度は低いが,情報が飛び交うコーヒーハウスなど18世紀初頭のロンドンの風景に満足.

 
『地下墓地』  ピーター・ラヴゼイ  ★★★

1999.12 早川書房
THE VAULT Peter Lovesey


シェリー夫人「フランケンシュタイン」とのからみ.

 
『最後の刑事』  ピーター・ラヴゼイ  ★★

1996.11 ハヤカワ文庫
THE LAST DETECTIVE Peter Lovesey


ジェイン・オースティンがかつて暮らしたことがある町での事件. ジェイン・オースティン自筆の手紙の発見と紛失.

 
『水晶の鐘が鳴るとき 上・下』  エリザベス・ローウェル  (未読)

2002.09 ヴィレッジブックス
MOVING TARGET Elizabeth Lowell


金と宝石で飾られて燦然たる輝きを放つ12世紀の写本『賢者の書』. 計り知れない価値を持つその書を代々保管してきた一族の老女が何者かによって無残にも焼き殺された. 犯人の目当ては写本だった. だが,すでに写本は老女の孫娘セリーナの手に委ねられていた. セリーナは中世写本の専門家エリックに『賢者の書』を見せる. 不可解にも,エリックと初めて会ったときに彼女が強く感じたのは,「この人とは以前にもどこかで会っている」という思いだった….

 
『にぎやかな眠り』  シャーロット・マクラウド  ★★★

1987.12 創元推理文庫
REST YOU MERRY Charlotte MacLeod


 
『本の殺人事件簿 I』  シンシア・マンソン  (未読)

20010.1 バベル・プレス
MURDER BY THE BOOK Cynthia Manson


ビブリオ・ミステリのアンソロジー

1.ボディ・ランゲージ       ビル・ジェイムズ
2.作家とは……          ロバート・セネデッラ
3.パルプマガジン・コレクター   ビル・プロンジーニ
4.ジェーン・オースティン殺人事件 ミシェル・ノールデン
5.マクベスの謎          ジェイムズ・サーバー
6.犯罪作家とスパイ        エドワード・D.ホック
7.ハラルド警部補と『宝島』の宝  マーガレット・マロン
8.大いなる遺産のゆくえ      ジョン・ネルソン
9.ザ・ヒット           マイクル・Z.リューイン
10.ウッドパイルの秘密       マイクル・イネス
11.女の声             ジョゼフ・ハンセン

 
『本の殺人事件簿 II』  シンシア・マンソン  (未読)

2001.11 バベル・プレス
MURDER BY THE BOOK Cynthia Manson


ビブリオ・ミステリのアンソロジー

1.八月のエイプリル・フール     カール・マーティン
2.ブルーベルの森で         ジュリアン・シモンズ
3.ウィリー最後のたび        ドナルド・オルソン
4.竜の頭の謎をめぐる知的冒険    ドロシー・L・セイヤーズ
5.ダシール・ハメットを探せ     ウィリアム・ブリテン
6.チズグリグ卿の遺産        ロバート・バー
7.銅の孔雀             ルース・レンデル
8.アルバート叔父と「ホームズ師匠」 ペネロピー・ウォレス
9.最後には微笑みを         ローレンス・ブロック

 
『迷子のマーリーン』  エヴァン・マーシャル  ★★

2004.04 ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
MISSING MARLENE Evan Marshall


 
『赤の文書』  ユベール・ド・マクシミー  ★★★

2001.12 白水社
L ECRIT ROUGE Hubert de Maximy


闇深い中世のパリ. 売春婦失踪にはじまる凶悪な事件を解明すべく謎めいた代書人が夜の町をさまよい歩く….

中世の代書人が主人公というのはちょっとめずらしい. ビブリオ度は低いが,歴史ミステリとしては傑作.

 
『読後焼却のこと』  ヘレン・マクロイ  (未読)

1982.02 ハヤカワ・ミステリ
BURN THIS Helen McCloy


 
『マジック・サークル(上,下)』  キャサリン・ネヴィル  ★★

2003.09 学習研究社
THE MAGIC CIRCLE Katherine Neville


アイダホの核施設セキュリティ技師エアリアル・ベーンは,従兄サムの事故死により謎の古文書を相続したが,身辺に不可解な出来事が相次ぎ,周囲に対して不信をつのらせていく.

非常にややこしい家族関係.上巻にあった系図を見ても把握できない.その系図が下巻には無い.しかも最初と途中幾度か古代の逸話が挿入され,わけが分からなくなりました.

 
『謎めいた出逢い』  ケイト・ネビンズ  ★★

1985.07 日本メール・オーダー社
BREAKFAST WITH TIFFANY Kate Nevins


 
『闇に刻まれた言葉』  ジャック・オコネル  ★

2002.01 ヴィレッジブックス
WORD MADE FLESH Jack O'Connell


闇を生み,悪をはぐくむ街,クインシガモンド. その街の廃墟で,皮を剥がれ肉を切り刻まれた惨殺死体が見つかった. 被害者を最後に目撃したタクシー運転手ギルレインに,その日から追っ手がかかる. 連中が探しているのは,被害者が隠した一冊の書物のようだ. 元刑事のギルレインゆえ,この街の暗部は知り尽くしている. しかしその彼でさえ知らない血塗られた街の記憶が,失われた稀覯本には隠されていた!書に宿った言霊が街をさまよう. その後に残された恐怖を道標に,ギルレインはふたたび街のふところに 飛び込んでゆくが・・・.

凝った構成がかえって退屈.傑作なのだそうだが,私にはチンプンカンプン.

 
『古書殺人事件』  マルコ・ペイジ  (未読)

1985.12 ハヤカワポケットミステリブック
FAST COMPANY Marco Page


 
『大聖堂の悪霊』  チャールズ・パリサー  ★★

2000.09 早川書房
THE UNBURIED Charles Palliser


 
『文豪ディケンズと倒錯の館』  ウィリアム・J・パーマー  ★★★★

2001.11 新潮文庫
THE DETECTIVE AND MR.DICKENS William J Palmer


1851年のロンドン. 私ウィルキー・コリンズは,先輩作家ディケンズとの夜ごとの散策がきっかけで辣腕刑事フィールドと出会い,奇しくも殺人事件の捜査に加わることになる. 被害者は劇場の出資者兼顧問弁護士. 容疑者の演出家も殺され,ディケンズが一目惚れした娘が現場から姿を消した―. 若き日の文豪が殺人の謎に挑み,欲望渦巻くロンドンで冒険を繰り広げる.

 
『ゴッドウルフの行方』  ロバート・B・パーカー  ★★

1986.09 ハヤカワ文庫HM
THE GODWULF MANUSCRIPT Robert B. Parker


 
『散文売りの少女』  ダニエル・ぺナック  ★★★

2002.03 白水社
La petite marchande de prose Daniel Pennack


出版社で「身代わりの山羊」として働くマロセーヌ.会社のドル箱たる謎の覆面作家をめぐって殺人事件が起こり,自分の身にも危険が迫る….

 
『ナインスゲート』  アルトゥーロ・ペレス・レベルテ  ★★★★

2000.04 集英社文庫
EL CLUB DUMAS Arturo Perez-Reverte


 
『チャタトン偽書』  ピーター・アクロイド  (未読)

1990.12 文藝春秋
Chatterton Peter Ackroyd


 
『ベストセラー「殺人」事件』  エリザベス・ピーターズ  ★★★★

2003.06 扶桑社ミステリー
NAKED ONCE MORE Elizabeth Peters


世紀の大ベストセラー『氷のなかに裸で』の原作者キャスリーンの失踪から七年後,続編の出版が決定した. 厳選なる審査のすえ,続編の執筆者に抜擢されたジャクリーン. 彼女はよりよい原稿を仕あげるべく,原作者が暮らしていた田舎町に活動の拠点を移した. だが,過去の資料をひもとくにつれ,彼女に関する謎は深まるばかり. しかも,偶然とは思えない事故が重なり,ジャクリーンの身に危険がせまるようになり…. 1989年度アガサ賞受賞作,本格ユーモア・ミステリー.

 
『読後、死が訪れる』  アンナ・ポーター  ★★

1989.05 二見文庫
HIDDEN AGENDA Anna  Porter


 トロントの老舗出版社の社主が地下鉄にひかれて死亡し,その数日後,ニューヨークの大手出版社の社長が殺された.彼らと面識のあった女性ジャーナリスト,ジュディスは友人の出版社社員マーシャと共に調査を始め,死んだふたりが同一の原稿の出版を計画していたことを知る.が,問題の原稿は消え失せていた.しかも,その行方を追ってロンドンへ飛んだマーシャを待つのは第三の死.果たして幻の原稿に秘められた恐るべき陰謀とは?

 
『脅迫』  ビル・プロンジーニ  (未読)

1983.01 新潮文庫
HOODWINK Bill Pronzini


 
『(ドルリー・)レーン最後の事件』  エラリー・クイーン  ★★★

1996.03 創元推理文庫,ハヤカワ文庫HM
DRURY LANE'S LAST CASE Ellery Queen


 
『国会図書館の秘密』  エラリー・クイーン  ★★

1985.06 ハヤカワ文庫「クイーン犯罪実験室」所収
MYSTERY AT THE LIBRARY OF CONGRESS Ellery Queen


 
『エイブラハム・リンカンの鍵』  エラリー・クイーン  ★★

1985.06 ハヤカワ文庫「クイーン犯罪実験室」所収
ABRAHAM LINCOLN'S CLUE Ellery Queen


 
『犯罪は詩人の楽しみ』  エラリー・クイーン編  (未読)

1980.12 創元推理文庫
ELLERY QUEEN'S POETIC JUSTICE Ellery Queen


詩人たち(チョーサー,バイロン,イェーツ他)が書いたミステリ,サスペンス18編. クイーン編集のアンソロジー.

 
『隻眼のガーディアン』  アマンダ・クイック  ★★★

2004.07 ソニーマガジンズ
DECEPTION Amanda Quick


 
『ミネルヴァのふくろうは日暮れて飛び立つ』  ジョナサン・ラブ  ★★★

1999.08 文春文庫
THE OVERSEER Jonathan Rabb


 
『誤植聖書殺人事件』  ロバート・リチャードソン  ★★

1988.01 サンケイ文庫
THE LATIMER MERCY Robert Richardson


 
『老人たちの生活と推理』  コリン・ホルト・ソーヤー  ★★

2000.07 創元推理文庫
HE J.ALFRED PRUFROCK MURDERS Corinne Holt Sawyer


老人ホームでの事件.被害者は入居者で元司書の女性.元気のいいお年寄りたちが犯人探し.

 
『龍頭の秘密の学級的解明』  ドロシー・L・セイヤーズ  ★★★★

1980.02 創元推理文庫「暗号ミステリ傑作選」所収
THE LEARNED ADVENTURE OF THE DRAGON'S HEAD Dorothy L. Sayers


 
『不和の種,小さな村のメロドラマ』  ドロシー・L・セイヤーズ  ★★★

1979.03 創元推理文庫「ピーター卿の事件簿」所収
THE UNDIGNIFIED MELODRAMA OF THE BONE OF CONTENTION Dorothy L. Sayers


 
『箱の中の書類』  ドロシイ・セイヤーズ  (未読)

2002.03 ハヤカワポケットミステリブック
THE DOCUMENTS IN THE CASE Dorothy L. Sayers


 
『稀覯本『ハムレット』』  ヴィンセント・スタリット  ★★★

1984.12 ハヤカワ文庫「シャーロック・ホームズの災難」[上]所収
THE UNIQUE HAMLET Vincent Starrett


 
『あぶない暗号』  アンドリュー・テイラー  ★★★

1984.03 ハヤカワポケットミステリブック
CAROLINE MINISCULE Andrew Taylor


 
『獲物は狩人を誘う』  ジョナサン・ヴェイリン  (未読)

1983.12 ハヤカワポケットミステリブック
FINAL NOTICE Jonathan Valin


 
『死体あります』  リア・ウェイト  ★★

2003.09 文春文庫
SHADOWS AT THE FAIR Lea Wait


アンティーク・フェアを舞台に相次いで四人の古美術商が殺された.アンティーク図版専門のマギーが事件解決の手掛かりを求めて調査に乗りだす.

ラストは拍子抜け.
ビブリオ的には,アンティーク・フェアに出展する人の中に古書店主がいる,というただそれだけ.図版もビブリオミステリの範疇に入れてよいなら随所に薀蓄あり.

 
『「新聖書」発行作戦』  アーヴィング・ウォーレス  ★★

1981.02 新潮文庫
THE WORD Irving Wallace


 
『盗まれたスタインベック』  ウェイン・ワーガ  (未読)

1988.09 扶桑社ミステリー
HARDCOVER Wayne Warga


 
『荊の城(上,下)』  サラ・ウォーターズ  ★★

2004.04 創元推理文庫
FINGERSMITH Sarah Waters


 
『メディチ家の短剣』  キャメロン・ウエスト  ★★

2002.01 ハヤカワ文庫
THE MEDICI DAGGER Cameron West


メディチ家の依頼でレオナルド・ダ・ヴィンチは,どんな手段でも破壊できない短剣を作り上げた. そして500年後,スタントマンのレブは,短剣のありかをダ・ヴィンチが暗号で記した手稿を手に入れた. が,その手稿を武器商人が狙っていて,父はその一味に殺されたという. 復讐を誓った彼は,もう一枚の手稿があるヴェネチアに向かうが...

レオナルド・ダ・ヴィンチが作った超合金というリアリティのなさが興ざめ. 主人公のトラウマもうっとうしい.

 
『サラマンダー ― 無限の書』  トマス・ウォートン  ★★

2003.08 早川書房
SALAMANDER Thomas Wharton


究極の書物を作るため,不思議な冒険の旅に出た職人の姿を描く,めくるめく物語. ときは18世紀. ロンドンの印刷工フラッドは,スロヴァキアのある伯爵から,からくりに満ちた奇妙な家に招かれた. 奇書コレクターの伯爵は,「始まりも終わりもない無限に続く本を作製せよ」とフラッドに命じる. だが,フラッドは伯爵の美しい娘イレーナと恋に落ちて伯爵の逆鱗に触れ,城の地下に幽閉されてしまう. 11年後,地下牢のフラッドの前に,彼の娘と名乗る少女パイカが現われた. 伯爵も亡くなったいま,二人は魔法の活字,哀しみを誘うインク,伝説の製造法による最高級紙など,極上の材料を探し求め,仲間とともに世界中をめぐる航海に出る.

この物語は一体どこへ行こうとしているのかさっぱりつかめないまま終わった. 雰囲気は大変良かっただけに残念.

 
『『ケルズの書』のもとに』  ペーター・R・・ヴィーニンガー  (未読)

2002.08 水声社
Die spur der katzen Peter R. Wieninger


中世の装飾写本『ケルズの書』が辿る数奇な運命とそこに密かに刻まれた謎の文字…かたや現代のウィーンでひき逃げ事故を起こした男のもとに舞い戻る無傷の愛車…絡み合う2つの時間,2つの謎.

 
『女性司祭』  バーバラ・ウッド  ★★

2000.12 講談社文庫
THE PROPHETESS Barbara Wood


キリスト教関連の古文書がテーマ.

 
『悲鳴を上げる本』  コーネル・ウールリッチ  ★★

1982.05 ハヤカワミステリ文庫「レディのたくらみ」 所収
THE BOOK THAT SQUEALED Cornell Woolrich


 
『難事件鑑定人』  サリー・ライト  ★★★★

2001.01 ハヤカワ文庫
PURSUIT AND PERSUASION Sally Wright


大学で古代の骨董品を鑑定し,分類・修理・管理する記録保管人のベン. 彼のもとに,教え子から女性資産家の殺人事件の調査依頼が届き,早速ベンは被害者宅を訪れた. が,そこには海千山千の容疑者が集っていて…稀覯本,微生物学,鷹狩りなどの蘊蓄を盛り込んだミステリ.

 
『ミステリ原稿』  オースティン・ライト  (未読)

1997.04 ハヤカワポケットミステリブック
TONY AND SUSAN Austen Wright