TPMパート2への取組み
活動の停滞は後退なり、後退は最大のロスなり 
TPM優秀賞の審査後は、審査時の指導項目や今後の課題が提示される。 これらを折り込んだTPMパート2活動計画のマスタープランを作成することになる。そして、TPMパート2活動のキックオフ大会までは従来の活動の継続を行う。特に自主保全はステップアップの遅れていた職場や,まだまだ不良やチョコ停、故障の多い職場の個別改善を継続しなければならない。
 しかし、ここで多くの企業が経験している次のような事態が発生する。 
TPM優秀賞の審査が無事終りほっとする。大変ご苦労さんでした、活動は少し休みましょうとなる。さらに、これでTPM活動を卒業した。後は日常活動にしよう、よって今まで特別に与えていた活動時間はここまで、今度はその分生産性に振り向けてもらうと言って、活動時間を無くしてしまう。
これは最悪である。まずは自主保全活動が停滞し、個別改善もやらなくなる。その結果 5Sが乱れ、故障と不良が増加してくる。すなわち活動の停滞はイコール後退となる。3年間の活動で築いた成果は、半年で基の姿に戻る。これは最大のロスである。
なぜこのような事になるのか、筆者なりに整理すると以下のようになる。
1).TPM優秀賞の合格により、TPM活動を卒業したと勘違いしている。  
TPM優秀賞の合格はTPMの入学試験の合格であり、これからが本当のTPM活動である事を認識する必要がある。TPM活動の神髄を経営者が十分理解していないと勘違いしてしまう。
TPM活動には卒業はない。例え継続賞や特別賞を合格しても卒業試験の合格ではない。
2).全社活動にならず、工場だけの活動にしている工場だけの活動と位置付けをしていると。やはり前記のような間違いを起こす。本社部門がTPM活動を理解せず、継続賞や特別賞への挑戦を考え ずに、別の活動メニューを展開する。当然TPM優秀賞を区切りに活動時間を切ってくる。
 経営者は以上のような事に成らないように、早く気が付いてほしい。
継続活動のキーワード10ケ条
TPM優秀賞の審査後はパート2活動につなげ、継続賞、特別賞へ向けた継続活動のキーワード10ケ条として以下のに整理した。
 1)トップマネージメントの真価はTPM活動をきっちり継続するかどうかで問われる。
 2)TPM優秀賞の受賞はTPM活動の卒業でなく継続活動への入学であり
  活動の消滅は最大のロスである。
 3)本当の活動成果はこれからの継続活動で得られる。
 4)活動の基本名称を変えないこと。 
 5)推進事務局の体制を継続すること。
 6)必要な活動時間をきっちり与えること。
 7)役員、管理者、監督者の異動時、TPMの基本教育を実施すること。
 8)各種活動(ISO9000、同期生産、TQMなど)と整合を取ること 
 9)他工場への水平展開を実施すること 
10) 工場活動から全社活動に拡大すること。            
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