個別改善編その三 |
[小改善、チリも積もれば山となる] 個別改善の対象テーマの内容から、改善の技術的困難度、改善投資金額など改善の規模から判断して改善の期間が決められる。 ・長期大改善(6ケ月〜1年) ライン全体の改善、または技術的困難度が高く、改善投資金額の高い内容。中期改善を束ねた改善であり、管理者が中心でプロジェクトチームを編成して取り組む。 ・中期中改善(1ケ月〜4ケ月) 特定工程や設備の改善、または技術的困難度がやや高く、多少の改善費用と製作期間が掛かる内容。短期改善を束ねた改善であり、監督者やサークルが中心で取り組む。 ・短期小改善(1日〜1週間) 特定作業や特定のロスアイテムの改善、日々の改善であり、リーダーやオペレーターが中心で取り組む、尚、「2日間改善」と称してプロジェクトチームを編成して短期間に中期改善相当の改善を実施する場合もある。 いずれにしても、大きな改善は大きな成果を生み出す、よってテーマも絞って取り組んだほうが良い。また、小さな改善は小さな成果しか生まれないが、チリも積もれば山となるから、数多くのテーマを短期間に解決することである。 |
[現状把握の基本は4W1H1F1T ] 個別改善のテーマと取組メンバーも決まり、さて取組み開始の第一歩は現状把握である。 現状把握の基本は4W1H1F1T What -------------- -何が、何の種類、 Where ------------ --どの部位、場所で Who ---------------- 誰が、(どの設備で) When --------------- どんな時 How ---------------- どんな量、大きさで Frequency ----------- どんな頻度で Trend ------------ ---どんな傾向で (この現状把握の段階ではWhy(なぜ)は使わない) 特に慢性的なチョコ停や不良、手直しなどはWhen(どんな時)が重要である。 一般的などんな時の分類は・連続稼動中・段取り換え時・朝の立ち上げ時・昼休み後・勤務交替時・工具交換時・チョコ停止時・その他に分類されるが問題は連続稼動中のどんな時である。朝の立ち上げから一日の連続加工の中でどう変化しているか連続データーを取らないと分からないからである。この調査方法は「一直連続測定方法」と称している。 さらに月曜日から週末の一週間でどのような変化があるのか調査する「一週間連続測定方法」、さらに季節による不具合の発生調査も必要な場合がある。いづれにしてもこれらの測定は単に不具合の結果測定だけでなく、設備の温度や作動油、加工液の温度、工場内の温度、湿度、気圧の測定と合わせてデータを取ることが重要である。 詳細な現状把握を実施しただけで、原因が判明する場合がある。このような場合はその原因の即対策を実施する、後付け的な解析は必要無い。原因が分からない場合のみ要因解析に進む(PM分析の進め方ページ)。 |
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