Makro-Planar T* 60mm f2.8 C

お妃が使用しているマクロプラナー60mmは、最短が3センチ長く、そのため最大撮影倍率が1:2のCタイプである。等倍撮影可能なマクロプラナーと比べて、半分以下の重さしかない。定価は2万円安。コンパクトなアリアにはこちらのほうがお似合いだ。
メーカー公表のMTFによれば、f2.8の絞り開放時に、画面中心でミリ10本のラインが95%に達している。像面はきわめて平坦らしく、画面の隅まで下降はなだらかで、画面中心から20ミリの位置でも80%を維持する。
f5.6に絞るとさらに向上し、同心方向の曲線は弧を描くものの、放射方向のラインは画面中心から隅まで95%を保ったままだ。
以上は無限遠での結果であり、マクロ撮影では、像倍率1:10、f5.6で、ミリ10本のラインは放射、同心方向ともに画面中心から隅までピッタリ90%を維持する。
マクロプラナーの名はあるものの、近接撮影から無限遠まで、オールマイティーに使える性能を狙ったものだろう。
作例はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのリシュブール1986のコルク。何か威張れるコルクはないかとガサゴソやっていたらこれが見つかった。正面から差し込んだ光が床に反射し、フードのないレンズにとってはつらい条件だったかもしれない。絞りはf8である。