2005年
7月29・30日


大平登山口−河原宿(浦)−御浜小屋−七五三掛(しめかけ)−千蛇谷コース
−御室小屋−新山−御室小屋−外輪山(伏拝岳)−七五三掛−御浜小屋−賽ノ河原−鉾立



<新山の頂上>

この山は私にとってはその姿全体をすっきりと見せて貰えない山という印象がある。
栗駒山から見たときも秋の晴れた空にそこだけ雲に包まれた鳥海山があった。
昨年の東北一周の旅で酒田・象潟・本荘とその裾野を通り過ぎたときも、
その裾野の影さえも見せて貰えなかった。

そして今回も天気予報では曇りか雨の予報、
前日は羽黒山の出羽三山神社で登山の安全を祈願して、
登山口の大平山荘に泊まる。

翌30日はここからバスで大平登山口に送って貰い、
ストレッチをして5時過ぎに登山口を出発。

山荘を出た頃は濃い霧で濡れてくるほどの状態だったので、
合羽を着て出発したのだが登るにつれて霧も少し薄れて来た。

登山道はしばらく急な登りが続くがやがて楽な登りになる頃から
高山植物の花をあちこちに見ることができて、
カメラをしまう余裕がないほど、今を盛りの花々に目を奪われ、
歩く速度もいくらか遅くなっていた。

霧も薄らいだのだが遠望は効かず、歩きやすく整備され山道を花を愉しみながら登る。

七五三掛を過ぎて千蛇谷の雪渓を渡る頃はまたかなり濃い霧になっていたが、
11時過ぎに御室小屋前に到着、少し休んで新山に登る。

霧は依然として濃く、霧の合間に新山の頂上が見える。
大物忌神社の裏手から岩を登り、
一旦岩の間を下りて回り込み、さらに登り直して新山の頂上に着いたのだが、
狭い頂上は十数人で満員の状態。

交代して貰い頂上に上がり周りを見るが、なにも見えなかった。
次から次に登ってくるひとのためにパーティ全員で記念写真を写してすぐに引き返す。

御室小屋の前で昼食を取って、12時過ぎに下山開始。
外輪山コースを下るが、霧は依然として濃く、
さらに風も強くなってきた。

眼鏡に直ぐ水滴がついて、足下の距離感がつかめない。
実に危険な状態なのである。

前を歩く人の声で周囲を見回すと
霧の中にコバイケイソウの白い花の群落が見えて実に美しい。
しかし、下山しながら花を楽しめたのはこの頃まで。

その後は見にくい足元を確認するために
全神経を使って下った。

御浜小屋を過ぎて賽ノ河原の辺りから、霧もやっと薄れて来て
鉾立まで一気に下った。

鉾立に5時頃着いて、翌日の月山登山のため羽黒山の宿坊へ移動する。

この時バスの窓から頂上にややガスのかかった鳥海山の姿が
庄内平野の青々とした広大な田の先にくっきりと見えた。

この山の花の種類の多さ、その群落の美しさは
花の名山と呼ばれるのにふさわしいボリュームがある。
見つけざまにシャッターを切るという写真の撮り方ではあったけれど、
これほど沢山の花の写真を撮ったのはおそらく初めてだと思う。

花の好きな人にはぜひ一度行って貰いたい山である。




<チョウカイアザミの花>


<チョウカイフスマ>




山旅のアルバム
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山道で見つけた花
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