東海自然歩道(白豪寺〜長岳寺)「山の辺の道

山の辺の道
天理から石上神宮に至る歩道

天気も良かったので、東海自然歩道シリーズを更新する為、柳生街道に続いて「山の辺の道」を歩いてきました。
「山の辺の道」とは、奈良から桜井に至る全長約35`の古道ですが、『日本書紀』に出てくる日本最古の道と云えば何やら壮大なロマンを連想させますね〜。勿論全行程を一日で踏破するには些かしんどいので、取り敢えず長岳寺までの約20`を稼いできたのであります。(^-^)

【日 付】   平成10年5月23日 土曜日
【地 域】   奈良県奈良市&天理市
【ルート】   自宅=阪神高速奈良線=奈良市白豪寺→円照寺→天理教本部→
峠の茶屋→長岳寺→JR柳本駅・・・JR奈良駅---白豪寺=自宅
(=:車、→:徒歩、---:バス、・・・:JR桜井線、) 
【天 候】   晴れ
【メンバー】  単独
【歩行距離】 約20キロ
【歩行時間】 約7時間

いやいや〜今日の暑さには些か参った!30度を超える暑さもさる事ながら、前半はアスファルト車道が多く、その照り返しや注意力散漫から道を間違えての大きなロスタイムを作ってしまった。一部標識が壊れていたり設置場所が曖昧で、すっかり見落としてしまったのだ。特に弘仁寺から天理教本部までの区間で・・・。
午前11時30分から歩き始めてから天理に着いたのが午後3時40分。今日はここでもう終わろうかな〜と思ったくらいのバテ気味。でもここから天理駅までのアスファルトを20分掛かるを考えると、このまま前進してJR桜井線の柳本駅まで行った方がマシやな〜と思い直し、続行したのでした。
やはりその方が正解だった。

「山の辺の道」の本当の良さは、やはり北部より天理から桜井に通じる南部でしょう。南部には車道も少なく伝説を秘めた社寺や古墳が数多く点在し、「日本最古の道」の雰囲気が味わえるからだと思う。

1)白豪寺(びゃくごうじ)〜天理

白豪寺山門
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萩の寺として名高い白豪寺。境内に入らず外から中を見た程度だが中々落ち着いた雰囲気が感じられ、入り口門の土塀が崩れているのが少し気になる。が、それがまた歴史を物語っていて味わい深いものだ。

尼寺「円照寺」の門前から撮影
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ここから円照寺まで車道を歩くが、円照寺は尼寺らしく格式ある雰囲気が覗える。境内は拝観はできない。
大和三門跡寺院のひとつでもある





弘仁寺
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次に進むは弘仁寺までやはり車道を歩くが、比較的車が少なく歩き易い。
弘法大師が創建したと伝えられるこの寺は、静かな山寺といった雰囲気で、この日も中年女性3人連れが訪れていた。


この後の白川溜池に行くべきコースで思わぬ落とし穴があり、標識が左に矢印があったので躊躇わずそれに従う。

ところが、何かおかしい?天理教団所有の敷地内に入り込み、再度戻ってその付近の標識を探すと、古い標識が見つかるも壊れて方向が判別つかない。今日は肝心の地図を忘れ簡単なガイドブックのみ。仕方なく付近にいた人に聞くとどうも逆の右方角との事。「あちゃ〜シマッタ!」

西名阪から東の五ヶ谷方面を望む
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しかし戻るには行き過ぎており、何とかこのまま行ってもやがて天理で合流すると確信して進む事にした。

天理教本部
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でも単調な車道を歩くだけで、面白味も何もない。やや嫌気がしてすっかり気分が萎えた


やっとこさの思いで天理教本部まで辿りつくが、時間も3時40分、もう止めようと思ったが気を取り直して進む事にする。

(2)石上(いそのかみ)神宮〜長岳寺

天理教本部裏山からやっとアスファルト道も開放され気分も戻り、やはりこうなくっちゃ〜。いつもの事ながら大地を歩くと足の疲労感が少ない。昔の人が10里(約40`)も平気に歩けたと云うのも肯ける。

石上神宮
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石上神宮は放し飼いの鶏が境内をうろつき、古代、神宮は武器を収蔵する大和朝廷の武器庫だったと云われるが、とてもそんなイメージから程遠い。東海自然歩道もこの境内を通過し、やがては牧歌的雰囲気の永久寺跡に至る。

歴史好き老夫婦一行にすれ違い際ご挨拶され、「こんにちは〜」で気分も和む。
ただ、この永久寺も明治初期に廃絶したが、その痕跡を残すはひっそりとした池のみで、それ以外は何も残っていない。

夜都伎(よとぎ)神社や竹之内町の環濠集落を通りすぎる時、昔ながらの懐かしい光景に遭遇する事があった。
古い門構えの入り口に90才位のおばあさんが椅子に座って夕涼みしていた。最初こちらも全然気がつかなく、じつとおばあさんが私を見るのでもなく気持よさそうに座っているだけ。昔、子供の時こういった思い出があったな〜・・・。ゆっくりとした時の流れを感じさせてくれる。そうこうしながら、みかん畑の中や田園風景の道は続き、やがて長岳寺に着いたのである。

長岳寺
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長岳寺周辺は石仏が多いといわれ、その数は万は下らないというから凄いものだ。長岳寺の楼門は日本最古のもので重文。ここよりJR桜井線柳本駅まで歩き(PM7時)JR奈良駅、バス経由で白豪寺近くの駐車場まで戻り、車に乗り換え自宅に着いたのでした。









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