●特別編・ちょっとした頼まれ事の話●

えー、何の前フリも無くいきなり何の日記を書き始めたのかこの男はという感じですが、とりあえず今年起こったちょっとした頼まれ事(?)のお話であります。


事の始まりは2002年7月末。都島燈理第六話・中編の更新準備を終了し、丁度一息ついた時の事でした。
何気なくメールチェックなどを行っていますと、とある一通のメールが届いておりまして。知らない方ではあったのですが、ウイルスやその他の類ではない事が見て取れたのでとりあえず読んでみた訳で。

「僕たちは○○高校の□年△組一同です。じつは今度の文化祭で金○一少年と金○先生が一緒に出てくるミステリー?ビデオを全校に公開することになったのですが、まだ全然ストーリーも少ししか決まらず、みんなトリックなどもわからず四苦八苦な状態なのです。そこでオリジナルの小説を作っている人の力を借りたいのですがだめでしょうか?
(〜中略〜)
もし協力してくれて最高のものが出来上がったときは出来上がったビデオなどを感謝のしるしに送りたいと思います。どうか□年△組のピンチを救ってください。よい返事を期待しています。 」


とりあえず目が点になりました。
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いや、まあ。
一応光野も推理物マンガらしき物など描いている身ではありますが、こういう依頼が来るとは全く予想もしていなかった訳で。
ていうか光野はオリジナルの小説は書いていないのですがそれはともかく。
どうしようかなマンガの更新準備も丁度終わっていい気分の所だし息抜き代わりに書いてみようかな いやまてそもそも送る話の内容を考えつかなかったら返事出来ないしな いやいやそれよりこれがイタズラメールの類だとかであったらどうしよう でも別にシナリオ送るだけだし現状では問題無さそうだしとりあえずお話を考えてみてそれで思いついたら思いついたで思いつかなかったらそれはそれでって事でいいじゃないかそうだそうしよう 等と考えていると次の日には何故かシナリオが出来ていたりする訳で。
更に次の日には修正も含めて完全に大まかなシナリオが完成されてたりした訳で。
…やる気満々やん、私。

そんな訳で、高校の文化祭用ビデオである事だとか、見るのがミステリーファンでなく普通の一般高校生であるだろう事だとか、ビデオの上映時間制限であるとか。様々な事を含めた上で原案を書き終えた私はその内容を返信し送ってみた訳で。

ちなみに送った原案は、以下の通り。
大まかな流れ(1〜6)は向こうで決まっていましたので、光野はそれに沿ってストーリーを書きました。


1、金○一少年が金八先生のクラスに転校してくる

キンダイチ少年が転校してきます。
クラスの皆は、彼の活躍について知っているので色々と聞いてきます。
そんな中、実はキンダイチ少年は最近この街を騒がせている犯罪者「ミスターX(仮名)」を追ってこの街に来たのだという事をコッソリと告げます。


2、金○先生のくらすでクラス合宿が開催される

クラス合宿が開催されます。


3、その日の夜みんなで肝試しをすることになる

キンダイチ少年の活躍を知っている生徒が、「キンダイチ君に学校の七不思議の謎を解明して貰おうよ!」と言って、クラス内の一部の人間で肝試しをする事を提案します。
七不思議とは、「誰も居ないはずの音楽室で鳴り響く悪魔の音楽」「この学校で死んだ者が夜中にさまよい歩く中庭」ETC...
しばらくして、夜中。肝試しに参加する人が集合場所に集まります
キンパチ先生は、とりあえず肝試しを許可して、用事があるからとその場を去ります(これ以降は姿を見せません)
一人だけ、集合時間に遅れた生徒がやって来ます。


4、金○先生がなにものかによって殺される

そして、肝試し(七不思議解明?)の開始です。皆で、七不思議を一つ一つ回ってみる事にします。
一つ目の不思議、二つ目の不思議は何も有りません。三つ目、四つ目の不思議も同様です。
そして、五つ目は「誰も居ないはずの音楽室で鳴り響く悪魔の音楽」。
皆で音楽室に近付いていくと、わずかですが音楽室から音楽が聞こえてきます。
皆おびえますが、キンダイチ少年は思いきって音楽室のドアを開けてみます。
すると、中からは大音量の音楽が。どうやら音楽室にあるCDプレイヤーでCDを再生しているため、大音量の音楽が流れて来ているようです。(暗いのであまりよく見えませんが、スイッチが入って機械が動いている事は分かります)そして教室の真ん中では、キンパチ先生がナイフを刺され、胸から血を流して倒れています。
皆びっくりしますが、キンダイチ少年はすぐにキンパチ先生の所にかけよって生きているかどうか調べます。(この際、かがんだキンダイチ少年の身体でキンパチ先生の刺された胸の部分は見えません)
集合時間に遅れてきた生徒が、余りに音楽がうるさいのでCDにかけ寄ってスイッチを切ります。(この際、CD周りはその生徒の身体で隠されて見えません)
キンダイチ少年が、キンパチ先生の手首の脈を取ります。どうやら死んでいるようです。
キンダイチ少年は言います。「この部屋は密室だった」
皆が不思議がるのでキンダイチ少年が説明しますと、音楽室のCDプレイヤーにはタイマー機能が無いらしく、CDのスイッチを入れて音楽を流してから部屋を出ようとすると、外に音楽が漏れだしてしまうはずだと言います。
音楽室は防音(という設定)なので、ドアや窓を開けて犯人が外に出たなら、夜中でとても静かなのだから、肝試し中の自分たちに音楽が聞こえたはずだ、と言うのです。
なるほど、と皆不思議がります。
生徒の一人が「七不思議の呪いよ!」とか言い出します。

生徒の一人がケータイで警察を呼ぼうとしますが、犯罪者「ミスターX(仮名)」が街で騒ぎを起こし、ほとんどの警官が出払っているらしくて到着はかなり遅れそうだと言われます。
キンダイチ少年が学校の警備員さんに聞いてみた所、現在この現場の校舎には自分たちしかいないらしいという事が分かります。
とりあえず警察の到着を待つことにして、皆で色々事件の謎について考えてみる事にします。
「CDのトラックとトラックの間にある無音の時間を利用して外に出たのではないか?」
「あのCDは音の切れ目がほとんどないからそれは無理だ」
「犯人は今もあの部屋に潜んでいるのではないか?」
「ちゃんと探したけどどこにも隠れていなかった」
「キンパチ先生の自殺では」
「遺書がないからそれは考えにくい」
そんな中、生徒の一人がトイレに行きたい、と言い出します。
恐いので誰かついて来てくれといいますが、結局一人で行くことになります。
そしてトイレに行く途中ふと中庭を覗いてみると、キンパチ先生の幽霊が歩いている所を目撃します。
無茶苦茶驚いた彼が戻って皆に幽霊の事を告げると、生徒の一人が「やはり七不思議の呪いよ!」と言います。
そんな中、皆の中の誰かのケータイの着メロが流れます。
二人ほどおたおたしますが、どうやらその内の一人のケータイだったようです。
「なんだよー、オレと同じケータイの着メロにするなよー、オレのケータイかと思ったじゃないか」
キンダイチ少年が何かに気付いた、という顔をします。
いきなり走り出したキンダイチ君を皆が追って行きますと、キンダイチ君は音楽室の中で先ほどのCDプレイヤーとは別の小さなCDプレイヤーを見つけています。
「そうか…そういう事だったのか。謎は全て解けた」


5、金○一が放送か何かで犯人はこの中にいることを告げる

「犯人は、この中に居る!」
キンダイチ少年が、皆の前で推理を披露します。
「今、この校舎にはオレ達しかいないのだから、犯人はこの中の誰かだ。だが、ほとんどの人間は集合時間の時にキンパチ先生の姿を見てから、ずっと一緒に行動しているので犯人では有り得ない。だが、たった一人だけキンパチ先生を殺害する事の出来た人間がいる…それは、集合時間に遅れてきた君だ!」
そうキンダイチ少年が告げると、遅れてきた生徒は「じゃあ、僕はどうやって音楽をもらさずにあの音楽室から出たんだい?」と言い出します。
キンダイチ少年は言います。「あの時に鳴っていた音楽は、音楽室のCDプレイヤーが鳴らしていた物じゃない。棚のすみっこの方に、君が隠していたもう一つのCDプレイヤーが鳴らしていた音楽だったんだ。もちろんこのCDプレイヤーにはタイマーが付いているから、君はタイマーをセットしてからゆうゆうと音楽室を出ればいい。この事に気が付いたのはついさっきさ。同じ着メロのケータイが二つあったら、どちらが音を出しているかなんて簡単に分かりはしない。君は音楽室のCDプレイヤーのスイッチを切るフリをして、実はもう一つのCDプレイヤーのスイッチを切ったんだ。これが音楽の密室のトリックだ!」
しかし、集合に遅れてきた彼は「違う!僕は犯人じゃない!」とひたすらに否定します。
すると…。


6以降、????

校内放送が突然入ったかと思うと、声が聞こえてきます。
「その推理は残念ながら間違いだ!」
どうやら、キンダイチ少年の声のようです。
「断言してもいい。警察があのCDを調べたって、彼が犯人だという証拠なんて何一つ出てきやしない。なぜなら、本当の犯人は別に居るからだ。キンパチ先生を殺害した真の犯人…それは。
君だ!キンダイチハジメ!いや、俺に変装した犯罪者『ミスターX(仮名)!』」
皆は驚きます。
「お前は、キンパチ先生に『肝試しで皆を驚かしたいので、音楽室で音楽を鳴らして死体の役を演じてはくれませんか?』と頼んで死体のフリをしてもらって、その死体を見つけた皆が驚いて固まっている間に、生きているかどうか確認をするフリをして近づき、密かに持っていたナイフで先生を殺害したんだ!」
皆は更に驚きます。しかし、キンダイチ(ミスターX(仮名))は、「そこまで言うなら証拠を見せてみろ!出来ないだろう!」などと言います。
しかしキンダイチ少年(本物)は少しも慌てず「いいだろう、そこまで言うなら完全な証拠を見せてやるよ!」と言います。
次の瞬間、教室に誰かが入ってきます。なんとそれは、死んだはずのキンパチ先生でした。
先生「ボクは死にましぇん!」(※キンパチ先生を演じていた俳優さんの別のドラマでの名セリフ。ギャグです。)
皆、滅茶苦茶に驚きます。
「お前がオレに変装してこの学校に転校してきたと聞いて、キンパチ先生にだけは本当の事を話しておいたんだ。お前が先生に死体の役を頼んだと聞いたとき、お前の考えている事はピンと来たよ。きっとキンパチ先生を殺害し、デタラメな推理を語る事で、オレの評判をおとしてやろうと思っているんだってね。だけど、その場でオレが出ていってお前を捕まえようとしても、ずるがしこいお前の事だ。上手いことを言ってすぐに逃げてしまうに決まっている。だから、こっそりお前が隠していたナイフを、刺しても刃が潰れて血のりが出るだけのニセ物にすりかえておいたんだ。お前が決して言い逃れ出来ない状況を作ってしまうためにね。中庭でのキンパチ先生の幽霊は、死んだフリをしていた先生が、たまたま出歩いている所を見られてしまっただけだったという訳さ」
キンダイチ(ニセ)「だ…だが、たしかにキンパチ先生の脈は止まっていたぞ!」
キンダイチ(本物)「テニスボールなんかを脇の所に入れて強くはさんでおけば、一時的に脈は止める事が出来るんだ。その事に気が付かなかったとはうかつだったな、ミスターX(仮名)!」
キンダイチ君がそう言うと、教室に刑事さんが入ってきて、ミスターX(仮名)を逮捕します。
ミスターX(仮名)はがっくりとうなだれます。

次の日の朝。
別れが惜しまれる中、キンダイチ少年は、また別な学校へと転校して行きます。
めでたしめでたし♪

(念のために書いておきますが、このお話は本物の金○一少年・金○先生とは一切関係有りません)


…とまあ、こんな原案を書いて送ってみた訳です。


で、何度かのメールのやりとりの末、どうやら向こうでは原案を元に脚本を完成させたようで、あとは練習をしてビデオを撮って、文化祭当日に発表するのをひたすら待つばかりという事になったりした訳で。

光野的にはビデオの完成を待つだけ、といった感じになった訳で。

そして。

月日は流れ、10月始め。
メールではそろそろ向こうの高校での文化祭が始まっている時期だったので、とりあえず様子見にメールを出してみたりする私。
どうやらビデオは見事に完成・発表し、割と好評であったらしいという事であったり。


そんなこんなで再びメールでのやりとりの末、完成したビデオとパンフレット、あと脚本を光野の所に送って貰える事になった訳で。
そしてビデオが届いたら、今回の出来事をビデオの取り込み写真付きで秋色日記に載せる了解も得たりした訳で。
ただ、クラスのみんなにビデオをダビングしている所なのでそれが終わってから光野の分を作って送る形になる、という事。
光野は、ビデオが届くのを楽しみに待つことになります。

一ヶ月経過。

送られてきません。

…いやいや、クラス全員分のダビングをするには、1クラス30人としても一日一本のダビングで30日かかるのだから、まだまだ余裕です。

二ヶ月経過。

…一応、どうなっているのかメールを出して尋ねてみたりする事にします。

返信、無し。

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…いや!住所を間違えたりしたのかもしれないし、事情があってメールアドレスを代えたりしたのかもしれないし、他にも考えられる可能性は幾らでもあります!
ていうかダビングするビデオ代であるとか、それに加えて郵便小包を送る代金であるとかは、高校生にとってはなかなかの出費で、おこづかいが足りなかったりするのかもしれません!

そして現在(02年12月24日)。ほぼ三ヶ月が経過。
音沙汰、無し。

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えー…。

このまま放っておいたら何もかも無かった事になってしまいそうな気が致しましたので、とりあえず年内にそれなりの決着を着ける為にこの日記を書いた、という次第です(=▽=;

まあ結果(まだ結果かどうか分かりませんが)はともかく、光野的には今回の出来事はやっていてかなり楽しかったです。
いわゆる二次創作(?)の類を書いたのは光野にとっては初めての事でしたし、何より高校の文化祭に関しては、光野が高校生だった頃演劇部に関わっていた事もあったので割と思い入れが深く、原案を書いていて感慨深い物がありました。

とりあえず今回の事は現状ではこんなんなっちゃってますが(汗)怒っているという事は無く、むしろ今でもビデオが届くのを楽しみにしている自分がいたりするくらいで(^^;

まあ、そんなこんなで。

「今年はこんな事がありましたよー!」といった感じの秋色日記・特別編でありました♪
(いやそういう日記だったの?Σ(==;)



P.S.
もしこの日記を見てましたらまた連絡下さいね〜○○o ○さん。


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