第9回定期演奏会 曲目紹介 

(第9回定期演奏会プログラムより転載)

1st stage..  一ノ蔵フェイバリッツ!

 初の試みとして、数多くの候補曲の中から全団員の人気投票により選曲を行いました。メンバーひとり一人の思いの詰まった珠玉の名曲の数々をお楽しみください。

Heidenrslein(野ばら)
 恋多き詩人ゲーテの若き愛の芽生えを綴った詩。この詩に付けられた曲は実に154曲とも言われています。中でもお馴染みのウェルナーのメロディで歌います。

Ave Maria
 聖母マリアのキリスト受胎に対する祝福の言葉が歌われています。やはり数多くの曲が付けられていますが、有名なアルカデルトの作品を選びました。

Greenfields
 1960年に大ヒットしたThe Brothers Fourのデビュー曲です。「緑の草原は冬枯れとなり、ともに歩いた貴女はもういない。去って行った恋人との日々を思う…」と歌います。

中国地方の子守唄
 岡山県井原市出身の声楽家上野耐之氏が故郷の母親が唄っていた子守唄を披露したところ、恩師・山田耕筰は感動してすぐ編曲にかかり、数日後には“中国地方の子守唄”として発表されました。

茉莉花
 古くから中国全土で広く歌われている民謡です。ジャスミンの花の香りや美しさに魅かれる少女の心情が活き活きと歌われています。

運がよけりゃ
 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」からのナンバーです。勝手気ままに生きるドゥーリトルは、娘イライザが上流社会に通用するための特訓を受けることを聞き、「運が向いてきたぞ」と歌います。

Dry Bones
 旧約聖書エゼキエル書の「枯骨の谷」の章で、バラバラに散らばった骨が次第にくっついていく様をリズミカルに表現しています。1942年にThe Delta Rhythm Boysが歌って大ヒットしました。

2nd stage.. ゲストを迎えて

MAAM2002 のご紹介
 2002年2月2日、ハマ音の仲間8名で立ち上げた結成8ヶ月の女声合唱団。普段はハマ音の混声合唱団で共に歌う団友ですが、今日はゲストで登場です。
 「若い指揮者とピアニストを迎えて月2回の練習を楽しんでいます。新しい曲に出会う喜びにひたりながら心と声を合わせ、年齢を忘れ歌い続けられたらこんな幸せなことはありません。音楽を通して人の和を大切にしていきたいと思っています」とのコメント。
 「一ノ蔵女声合唱団」(?)と聞かれることもあるとか。実は『MAAM』とはフランス語で「貴婦人」と言う意味なのだそうです。その雰囲気を感じながらフレッシュなハーモニーを聞きましょう。

静岡パパさんコーラス のご紹介
 静岡市を中心とした、お父さん達だけの合唱団として1963年に発足。
 一ノ蔵男声合唱団の記事(1997年1月 静岡新聞)を見たパパさんコーラスから連絡を頂き、以来交流が続いています。「メンバーは40〜80歳代、物質的な豊かさより精神的な豊かさを重視して、高度なテクニックは求めず、歌う仲間の心の触れ合いを大切に、家庭にあっては良きホームリーダーとして『明るく楽しい人生を過ごそう』がモットー。毎年静岡市合唱連盟主催の市民合唱祭に、また地域の各種催しにと歌を通じ市民との触れ合いを大切にしています。さらに、県内外の男声合唱団との交流など歌う仲間の輪を広げ、5年に1回コンサートを開催し、合唱技術の向上と活性化を図っています」とのメッセージです。
 これからも男声合唱団として、お互いの交流が長く続くよう願っています。

3rd stage.. 男声合唱組曲「雨」

 この組曲は1967年に明治大学グリークラブによって初演されました。第1曲「雨の来る前」の作曲は少し早く60年の合唱コンクール課題曲入選作品。また、第4曲は初演当時の「十一月にふる雨」(堀口大學)から81年に「雨 雨」に差し替えられ、組曲に新しい魅力が加えられました。
 50を越える多田作品のほとんどがそれぞれ1人の詩人の詩によって組まれている中、この組曲は4人の詩人の詩が選び抜かれていることも大きな特徴です。夏から冬への季節の移り変わり、しっとりとした雨,激しい雨。自然の多彩な表情に重ねて、人の孤独、苦悩と希望、それらを乗り越えた心の充足と安らぎ、人の生き方が見事に描かれています。
 特に単独で歌われることの多い第6曲「雨」。私たちも何度か取り上げてきました。今回、組曲を通し第5曲「雨の日に見る」最後のffに続けて歌ってみると、特別でも何でもない「そっと」生きていくことの満ち足りた気持ちが、これまで以上に心の中に拡がってきます。
 まだまだ未熟な私たちですが、この曲に宿るミューズの力を借りて、自然と人生の起伏を少しでも感じていただければ幸いです。

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Last update : 2 March 2003

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