『青空』   Z/H




  
オレは空に向かって吼えていた
口には草の根が絡まり
風は冷えていて
歯列には まっしろな波が宿った
オレの地中に オレの根っこは蜃気楼をつかんでいた
数多の星屑がオレの脳裏に投げかける
そこらの泥を 身体を揺さぶり あの弾けるような青にぶつけたくなる
僕は空に向かって吼えた
手をかざし 足を広げ
つま先は びゅうびゅう風に吹かれていた

あちこちで残骸が 砂丘を造るなか

かつて大陸に沈んだ海洋が のぶとい声で吼えていた


死ぬまえに生きろ

死ぬまえに生きろ


すると 起立した空が 晃る一本の手をあげた


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