最新情報
●次回討論会- 討論会「大学闘争50年を振り返って」
- 問題提起者:長谷川宏さん(哲学者)
- 日時:2019年11月17日(日)13:30〜16:30
- 参加費:500円(学生は100円)
- 会場:文京区シビックセンター 5階 会議室C
- 問題提起要旨:1968〜9年に日本各地に広まった「大学闘争」とはいったい何であったのか? 当時の学生たちは何を目指し、なぜ挫折をしたのか? また、大学闘争の担い手や大学自体もその後どのような経過をたどったのか? 50年前の大学闘争の経験を踏まえて在野での思索を続けるとともに独自の教育を実践してこられた哲学者の長谷川宏さんを囲んで、以下の二つのテキストを読みながら、戦後史のなかでの大学闘争の意義を批判的に検証し、その残された課題を今日につなげることによって現代における大学や知の在り方の問題点を浮き彫りにします。(参加にあたりましては、以下の2点を予めお読みいただくことを前提とさせていただきます。)
- @長谷川宏著『同時代人 サルトル』(河出書房新社又は講談社学術文庫)の第3章「知識人の孤独」
- A竹内芳郎編『討論』(閏月社)の第V部A「全共闘運動―その評価をめぐる激論」
- 会場の都合上、席数が限られていますので、事前登録制とさせていただいておいます。参加希望の方は、必ず事前に事務局(メール:fuku(◆)aaa.email.ne.jp (◆)を@に置き換えてください。)までお申込みください。
- 当日の討論会の内容は、原則的にすべて録音し、報告書を作成いたしますので、ご了承ください(匿名希望の方などは配慮いたします)。
討論塾とは
いま、日本の社会からは、討論、論争、対話がすっかり姿を消してしまっています。政治の世界や言論界などでは、一方的な意見や主張がなされるだけで、真摯で生産的な対話がなされることはありません。internet上の空間を見ていても、主張の異なる人々が一方的に言葉を投げつけ合っているだけで、相互に言葉が交錯することはありません。学問や思想の世界では、専門家たちの閉鎖的な営みがなされているだけで、論争による相互検証が為されることはほとんどなくなりました。他方において、「忖度」、「KY」という言葉に見られるとおり、察しや馴れ合い(日本文化独特な集団同調主義です。)による組織や集団のあり方が蔓延しています。こうした状況が私たちの社会を閉塞した袋小路に落とし入れ、本来は言論自由によって促進されるはずの民主主義の発展を妨げてしまっているのです。
討論塾は、「討論なしには民主主義はあり得ない」という信念のもとに、こういう状況を乗り越えて、新しい言論空間を構築するために、思想・主張・立場などを異にする多様な人々が、<討論>を通じて互に学び合える<交差点>としての学習の場を提供することを目指します。
討論塾の特徴
- 現代に生きる人としてぶつかっているあらゆる問題を討論を通じて徹底的に明らかにしていきます。そのような営みを通じて日本人が苦手な討論の態度・方法も学習しています。
- より確からしい合意に一歩でも近づくために、真理性を基準にして徹底的に討論します。
- 合意に近づくためには異論が必要です。ですから、参加者の思想・主義・立場など全く問いません。様々な異論をぶつけ合うことを通して、一定の合意を目指します。
- 参加者の年齢、職業、性別、国籍などは様々です。
- 研究会ではありません。ある問題について専門家でも素人でも自由に発言できます。特に専門家は素人がわかるまで説明しなければなりません。
- 討論会はすべて録音し記録します。その記録をみながら再び討論し考えを深めます。
- 希望者が問題提起をして、それをもとに討論します。問題提起にあたってはさまざまな内容を取り上げます。
- 現在、原則として毎月、都内で行っています。詳しくは事務局までお問い合わせください。
問い合わせ先
討論塾事務局 福地俊夫(日本語教育専門家)→プロフィール等
メール:fuku(◆)aaa.email.ne.jp (◆)を@に置き換えてください。
創設者
哲学者・竹内芳郎(1924-2016・著作多数)が1989年に創設しました。
参考文献
討論の理念、過去の討論塾の記録など、討論塾に関してまとめてあります。ぜひお読みになり、ご参加ください。
- 『天皇教的精神風土との対決「討論塾」-その理念と実践』 竹内芳郎著 三元社
- 『討論 野望と実践』 竹内芳郎編著 閏月社
- 『討論 野望と実践』(序言・目次)
今後の討論会開催予定
●次回討論会- 討論会「大学闘争50年を振り返って」
- 問題提起者:長谷川宏さん(哲学者)
- 日時:2019年11月17日(日)13:30〜16:30
- 参加費:500円(学生は100円)
- 会場:文京区シビックセンター 5階 会議室C
- 問題提起要旨:1968〜9年に日本各地に広まった「大学闘争」とはいったい何であったのか? 当時の学生たちは何を目指し、なぜ挫折をしたのか? また、大学闘争の担い手や大学自体もその後どのような経過をたどったのか? 50年前の大学闘争の経験を踏まえて在野での思索を続けるとともに独自の教育を実践してこられた哲学者の長谷川宏さんを囲んで、以下の二つのテキストを読みながら、戦後史のなかでの大学闘争の意義を批判的に検証し、その残された課題を今日につなげることによって現代における大学や知の在り方の問題点を浮き彫りにします。(参加にあたりましては、以下の2点を予めお読みいただくことを前提とさせていただきます。)
- @長谷川宏著『同時代人 サルトル』(河出書房新社又は講談社学術文庫)の第3章「知識人の孤独」
- A竹内芳郎編『討論』(閏月社)の第V部A「全共闘運動―その評価をめぐる激論」
- 会場の都合上、席数が限られていますので、事前登録制とさせていただいておいます。参加希望の方は、必ず事前に事務局(メール:fuku(◆)aaa.email.ne.jp (◆)を@に置き換えてください。)までお申込みください。
- 当日の討論会の内容は、原則的にすべて録音し、報告書を作成いたしますので、ご了承ください(匿名希望の方などは配慮いたします)。
●今後の討論会開催予定
- (準備中)
最近の討論会から
- 討論会「討論塾の今後の在り方」
- 問題提起者:特に定めずに参加者全員で意見交換・討論を行いました。
- 日時:2019年9月8日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京区湯島地域活動センター
- 参加者:6名
- 問題提起要旨:討論塾の1年間の活動を振り返り、今後の討論塾の在り方に関して意見を交わします。討論の社会的意義、討論の方法・テーマ、塾報(報告書)の作り方・役割、討論塾の運営方法などについて徹底的に討論します。批判や異論も大歓迎です。時間があれば、現在の政治・経済・社会の状況について意見交換を行う予定です。多くの方の参加をお待ちしております。
- 討論塾の今まで活動に関しては、以下をご参照ください。『天皇教的精神風土との対決「討論塾」-その理念と実践』「T理念とその実践」(竹内芳郎著・三元社)、『討論 野望と実践』「第T部 A討論実践の暗夜行路」(竹内芳郎編著・閏月社)
- 学習会:格差拡大と現代金融理論の最前線〜大西つねき『私が総理大臣ならこうする』を読む。
- 問題提起者:特に定めずに参加者全員で意見交換・討論を行いました。
- 日時:2019年7月21日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京区湯島地域活動センター
- 参加者:9名
- 問題提起要旨:私たちの社会の経済的格差拡大の原因がじつはお金そのものの発行のしくみにあるということがわかってきており、このことが指摘されはじめています。いま現代金融理論の最前線でいったい何が起こっているのか? これまでは、私たちにとって日常的であるはずの金融や経済に関するしくみはなぜか分かりにくく、敷居の高いものと見なされてきました。大西つねきさんの『私が総理大臣ならこうする』(白順社)は、こうした金融や経済の根底にある、負債を前提とするお金発行のしくみが、政府の借金、格差拡大、公共資源の私有化などの根本原因であることを非常に分かり易く解説するだけではなく、今後のあるべき金融や財政の姿を提示してくれています。私たちはこの本を検証することによって、現在話題の現代貨幣理論(MMT)を含めた現代の金融・経済の最前線の問題群を考えます。
(なお、討論塾では、後日、大西つねきさんを囲んだ討論会を検討中ですが、この学習会は、その討論会の準備作業として行うものです。)
本学習会に参加される方は、 大西つねき『私が総理大臣ならこうする』(白順社)の第1〜5章を読まれるか、あるいは、以下の講演動画をご覧になったうえで参加されることをお勧めします。
https://www.youtube.com/watch?v=dtjg6BEcd_A&list= https://www.youtube.com/watch?v=nqPaeIYx1DE&t= https://www.youtube.com/watch?v=zzwKRQ4jJ7g&t=
- 討論会:「直接民主制が世界を変える〜スイス・イタリア・スペイン・韓国・台湾の事例」
- 問題提起者:外山麻貴さん(ピープルパワーTV)
- 日時:2019年5月12日(日)13:30〜16:30
- 会場:新宿会議室倶楽部 ルームA
- 参加者:15名
- 問題提起要旨:
皆さん、民主主義ってなんだと思いますか?
4年に1度、自分たちの代理人を決める選挙をする。私たちの政治参加はそれだけでいいのでしょうか。
世界では、直接民主制(Direct Democracy)が少しずつ広まってきています。スペインのマドリードでは、予算1億ユーロの使い道を、市民の住民投票で決定します。
また、誰でも参加できるデジタルプラットホームがあり、そこで住民の1%の署名が集まれば、住民投票が発議でき、住民投票によって可決されれば条例が制定されます。
そこに住んでいる、街を愛する住民が主役なのです。
地域のためにいいことしよう。自分たちのことは自分たちで決める。政治家さんに任せるだけでなく、自分たちで生活のため、地域のため、地球のために考え、行動すること、これが直接民主制です。
自分が提案したことが条例になったり、投票した結果に税金が使われるようになったら、政治が「他人事」から「自分事」になることでしょう。
議員さんに全て任せるのではなく、自分たちも市政の決定事項に参加できるのです。
間接民主制を否定するものではなく、相互補完して、政治への住民の主体的参加を促すもの、それが直接民主制です。
世界中で広がっている直接民主制の動きを、イタリア、スイス、スペイン、台湾、韓国などの事例を具体的に紹介しながら、これからの市民運動のあり方を探ります。
- 討論会:「1965年日韓条約 何が決められ、何が決められなかったのか」
- 問題提起者:徳宮峻さん
- 日時:2019年3月17日(日)13:30〜16:30
- 参加費:500円(学生は100円)
- 会場:文京区湯島地域活動センター 会議室洋室A
- 参加者:4名
- 問題提起要旨:昨今、日韓関係が著しく悪化してきました。長く続く「慰安婦」問題、紛糾する「レーダー照射」問題、そして「徴用工裁判」などです。一見して、時代の変遷による両国関係の変化の表れのように見えますが、一方で、日本の近代化・植民地化以来長く変わることのない屈折した関係が噴出したと見ることもできます。そうした両国関係の歴史と現在とを、1965年に結ばれた日韓条約を手がかりにして、考えてみたいと思います。条約については、『日韓会談1965』吉澤文寿(高文研、2015年)を参考にします。
- 学習会:竹内芳郎「国家の原理と反戦の論理」(1968)を読む
- 進行役:鈴木一郎さん
- 日時:2019年1月27日(日)13:30〜16:30
- 参加費:500円(学生は100円)
- 会場:文京区湯島地域活動センター 多目的室
- 参加者:4名
- 内容:安倍政権による安保法制定、軍備拡大、改憲準備が着々と進行して居るのに反して、我が国の戦後民主主義における反戦・平和運動が大きく後退してしまっているのは何故なのか? 本学習会では、竹内芳郎の上記論文を読みながら、国家の原理まで遡ることによって、護憲運動の脆弱性を検証しつつ、今日必要な真の反戦の論理を再構築します。
- 討論会「これまでとこれからの日本」
- 問題提起者:藤澤豊さん
- 日時:2018年11月25日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京区湯島地域活動センター 会議室洋室A
- 参加者:5名
- 問題提起要旨:個々の事業所や事務所内での生産性の向上だったものが、インターネットの普及により地球規模で生産性を追及する時代になった。その結果がグローバリゼーションで、インターネットなくしては今日のグローバリゼーションは起きなかった。 次なる生産性の向上をめざして新しい技術や考えを実現して豊かになる一握りの人たちと、便利になった社会で単純労働者として下層階級に押し込まれる大勢の人たち。この経済格差拡大プロセスが繰り返されて社会が二極化していく。 明治以降欧米で実現された製造技術や管理手法をノウハウのように取り入れて、即の成果を求め続けて世界第三位の経済大国になった。即の成果が文化にまでなって、即戦力の使いやすい人材の育成が学校教育に求められた。モノ造りの工業国は歴史だが、次の社会の骨格を作り上げる人材の枯渇は将来にかけての社会問題。
- 討論会「討論塾の今後の在り方」
- 問題提起者:特に定めずに参加者全員で意見交換・討論を行いました。
- 日時:2018年9月23日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京区湯島地域活動センター 会議室A
- 参加者:6名
- 問題提起要旨:討論塾の今までの活動を振り返り、今後の討論塾の在り方に関して意見を交わします。討論の社会的意義、討論の方法・テーマ、塾報(報告書)の作り方・役割、討論塾の運営方法などについて徹底的に討論します。批判や異論も大歓迎です。多くの方の参加をお待ちしております。
- 討論塾の今まで活動に関しては、以下をご参照ください。『天皇教的精神風土との対決「討論塾」-その理念と実践』「T理念とその実践」(竹内芳郎著・三元社)、『討論 野望と実践』「第T部 A討論実践の暗夜行路」(竹内芳郎編著・閏月社)
- 討論会「日本の入管政策と排外主義」
- 問題提起者:永野潤さん(首都大学東京ほか)
- 日時:2018年7月22日(日)13:30〜16:30
- 会場:渋谷区勤労福祉会館第3会議室
- 参加者:12名
- 問題提起要旨:2017年、日本で暮らす外国人は250万人を超えました。人口減少と人手不足が深刻化するなか、大勢の人々が外国から移住しています。その一方で法制度は整ったとは言えず、「外国人技能実習制度」などによって過酷な生活を強いられている人たちがいます。そんな現実と制度の間のひずみのなかで、違法とされ、収容所に入れられた人々は、人権を剥奪され、ハンストが実行され、自殺者が出るまでにいたっています。今回の討論会では、収容された人や収容所を仮放免された人たちの支援の現場から、いま、何が起こっているのか、どうあるべきなのかを考えます。
- 討論会「現代日本語の混乱と国語政策―現代かなづかい批判」
- 問題提起者:鈴木一郎さん(塾員)
- 日時:2018年5月20日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京区湯島地域活動センター
- 参加者:5名
- 問題提起要旨:討論塾では、現代日本語における「カタカナ英語」の氾濫を、日本人の言語感覚の劣化・腐敗として批判してきた。それに加えて、今回の討論会では、 森鴎外、芥川龍之介、山田孝雄、橋本進吉、時枝誠記、石川淳、福田恒存らの国語観に基づいて、 現代日本語の「現代かなづかい」の普及・流通を、戦後日本人の言語意識の浅薄化の表れとして、検証・批判するとともに、あるべき国語政策の在り方を考える。
- 討論会「企業に関わる人権問題---食品・日用品の裏にひそむ労働搾取」
- 問題提起者:土井 陽子さん(公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本)
- 日時:2018年3月25日(日)13:30〜16:30
- 会場:渋谷区立勤労福祉会館
- 参加者:4名
- 問題提起要旨:現在、国際的な企業活動が人権に悪影響を及ぼし、人びとをより深い貧困に追いやる例が少なくありません。 今回の討論会では、特に、スマートフォンやパソコンなどの小型IT機器のリチウムイオン電池に含まれるコバルトの採掘現場の労働問題、 シャンプーや石けんといった日用品やパンやお菓子などの食品に含まれるパーム油の原料となるアブラヤシのプランテーションでの労働問題について、報告していただきます。その後、報告内容を基に、質疑応答・討論を進めていく予定です。私たちが日常生活で使っている物と人権問題とのつながりを考える機会にしたいです。
- 討論会「メディアが報道しない自衛隊の先島---南西諸島配備の実態」
- 問題提起者:小西誠さん (軍事評論家)
- 日時:2018年1月28日(日)13:30〜16:30
- 会場:東京しごとセンター
- 参加者:17名
- 問題提起要旨:2015年7月、安全保障関連法案が衆院本会議で可決されました。自衛隊発足以降、歴代内閣が否定してきた集団的自衛権を安倍内閣がはじめて認め、以降日本は一歩一歩、戦争へと歩を進めています。自衛隊の配備もかつての対ソ抑止戦略から対中抑止へと転換、沖縄・南西諸島へと大々的にシフトされました。着々と進められる国家による戦争準備と、それによって踏みにじられる地元住民の現状を、現地取材と防衛白書等の情報をもとに報告し、反戦理念の追求にとどまらず、非道な国家戦略に対抗するための市民側の具体策を考えます。
- 討論会「戦後日本の社会科学の戦争責任問題」
- 問題提起者:安川寿之輔さん(近代日本思想史研究家)
- 日時:2017年11月26日(日)13:30〜16:30
- 会場:文京シビックホール
- 参加者:16名
- 問題提起要旨: 今、日本は、安全保障法や特定秘密保護法などの立法化を通して、再び戦争国家への道に踏み出そうとしています。こうした状況を引き起こす背景には、日本軍性奴隷問題に見られるとおり、かつての侵略戦争と植民地支配の過去への謝罪と反省を怠り、「戦争責任」を放置し続けてきたことが挙げられます。このことを考えるためにも、日本人が戦争責任にどのように向き合ったのかという問題について、帝国主義や植民地支配の問題を自らの思想体系から捨象してしまった政治学者・丸山眞男の場合と、最晩年に至って自らの犯した誤りの認識・告白を通して戦争責任論を探究した教育学者・五十嵐顕の場合とを対比して検証したいと思います。そして、日本国憲法の前文冒頭の理念に立ちかえり、日本社会が二度と再び戦争への道を歩むことを許さないという私たちの「戦後責任=未来責任」の問題を考えます。