龍野の紹介

 

 龍野は2005年に周辺市町村と合併して「たつの市」となり、瀬戸内海に面する人口8万人の市となった。姫路と赤穂の間の網干というところで揖保川が瀬戸内海に注いでいるが、旧龍野はこの揖保川を10kmほどさかのぼった右岸にある。

 

 龍野は狭い曲がった道などに城下町の面影を残し、古い民家も多い。鶏籠山(けいろうざん)西麓の旧龍野藩脇坂氏の城趾は現在龍野公園として整備されており、公園内には脇坂氏上屋敷跡の聚遠亭(しゅうえんてい)があり、浮堂(茶室)がたつの市の指定文化財とされている。紅葉の名勝であり、龍野公園は桜も良い。

 

 童謡「赤とんぼ」を作詞した三木露風の出身地で、公園内の国民宿舎は赤とんぼ荘と名付けられている。うすくち醤油の「ヒガシマル」の本社と工場があり、手延べそうめんの「揖保乃糸」も知られている。

 

 和菓子は吾妻堂の鮎菓子。瀬戸内海の魚が室津から入り、神姫バス営業所隣にあるよこ田本店の穴子寿司は今もわたしの好物。
 
 
 龍野の将来

 現在の龍野は姫路や網干に通勤する人々のベッドタウンであり、合併後さらに特徴のない地域となりつつある。龍野公園が花見の頃に近隣の住人を集めてにぎわうほかは揖保川左岸の旧城下町は全く活気が無く、揖保川右岸は揖保川左岸はスーパーやコンビニなど全国どこにもあるような店舗がある。

 龍野の城趾と旧城下町は観光資源であり、龍野公園は小動物を集めた動物園や遊歩道があり史跡も豊富であるが、「播磨の小京都」といわれるほどの集客力はない。
 しかし、この落ち着いたたたずまいにこそ価値があり、揖保川の澄んだ流れを取り戻せば以前の龍野が戻って来る。人のネットワークがとぎれないように、そしてささやかな文化的な行事や催しが、龍野の魅力を保ち続けてゆく。
 


 END

 2011.10.09 作成