山の動物        2003.2.11作成   2005.7.23更新

始めに
 いままでは高山へ登って雄大な景色を眺めるのが大いに楽しみだったが、いずれ体力が衰えたら花や鳥を愛でる山行もいいなあと思った。だからホームページにはタイトルだけずっと置いてあったのだが、実は花も鳥もほとんど知らないのだ。これまで蓄積した乏しい記憶や知識から書き初めて、その後は覚えたことをひとつずつ書き足して行くことにする。
かもしか 
 確か息子が小学校4年の時だったと思う。小雨の中、横尾のテントサイトを目指して梓川沿いのなだらかな道を息子と早足で歩いていた。横尾まであと10分程の梓川の河川敷が大きく視界に入ってきたところで、直ぐ道の下の流れの中に、大きなカモシカがすっくと立ってこちらを眺めていた。息子と二人でじっと見ていたらカモシカも此方をみつめたまま動かない。しばらく眺めた後、カモシカを脅かさないように我々がゆっくり立ち去った。
 私もカモシカを見たのはこの時が始めてである。そしておそらく野生の大型動物を間近にみたのもこれが初めての体験だった。その日は息子も私もしばらく興奮がさめやらぬといった感じで、横尾に着くまでに出逢った登山者達に「カモシカがいますよ」と教えたものだ。(写真はそのうち掲載します)
 
 その次カモシカにであったのは秋の八ヶ岳だ。息子と二人で赤岳からの下山時、小さな沢をはさんだ反対側の雑木の斜面をゆっくり登っていた。他の登山者達が立ち止まって眺めていたので気付いたのだ。随分腹が大きかったのはたっぷり食料のある季節を過ごした秋だったからかも知れない。(写真はみつからないかも)

 
 学生時代に何度か登山の起点にした室堂で茶色い雷鳥をみた。白い羽根が部分的に抜け残っているのもいた。近づいても逃げようとせず、触るぐらいに近づくと少しだけ遠ざかる。鳩よりもふたまわりぐらい大きく、烏や鳶などと違ってまるっこくてかわいらしい鳥だ。

(ひぐま)
 学生時代に札幌に下宿していた弟と北海道を車で回った。地図でキャンプ地とされている場所へたどり着いてテントを立ててメシを食い終わっても、他のキャンパーは誰も来ない。シュラフに潜り込んで静かになってしばらくすると、「カラカラ」と空き缶を転がす音がする。結構大きな音で、なかなか静かにならない。熊が残飯をあさりに来たのではないかということになった。登別の熊牧場で見た、大きくどう猛な熊の姿がちらつく。鍋を叩いて大きな声を出し、大声でしゃべった。10分ぐらいそれを続けて、その後鍋を鳴らしながらテントをでて少し離れて駐車した車に逃げ込んだ。もちろん真っ暗だったので羆を見たわけではない。しかし至る所に「熊に注意」と書いてあるし、北海道の人里離れた山の中では、山の中で枝葉が大きく動いたりすると大変緊張するのだ。こんど北海道で寝静まったキャンパーを見つけたら、空き缶をカラカラと鳴らしてやりたいもんだ。実は野生のひぐまに出逢ったことはない。

岩燕
 高山の岩稜をかすめて飛ぶのが岩燕だ。小さくまるまっちい鳥だが、南洋まで渡るらしい。剣の岩稜の明るい茶。空の青。遙か眼下には雪渓の白と這い松の緑。その岩にしがみついた孤独な青年に、あふれる生命力を感じさせてくれたのが岩燕だ。

オオサンショウウオ
 1967年夏、高校1年生の夏山合宿で、農鳥岳から塩見岳へ行くときに池ノ沢へ下りた。白い石の広い河原だったが、浅い流れのなかに、10cm弱の真っ黒のオオサンショウウオの子供が沢山いた。私は食べていないぞ。

ウグイス
 日本中にいて、夏でも高原へ行くとそのさえずりを聞くことができる。関西の低山のウグイスはなかなか上手に鳴く。「ホー」と始まって、「ケキョ」までが長く、声が澄んでいる。上高地辺りでは「ホケキョ」としか鳴かなかった記憶がある。

  
 この夏(’03.7.26)六甲山で野生の猪を見た。極楽茶屋跡では親子連れが笹の中からなんと人が大勢いる駐車場に出てきたのである。ベビーカーの奥さんが子供に見せようと近づきすぎるので、はらはらする。犬や鹿と同じだと思っている。ところが猪は全く動じず、豚のような印象なのだ。どうやら観光客にエサをもらいすぎてホントに飼い慣らされてしまったようだ。同じ日に六甲山ゴルフカントリーでアベックにエサをねだって金網越しに前足を上げて鼻をすりつけているのも見た。いつか奈良曽爾高原近くで食べたボタン鍋がうまかったことを思い出す。

[2005.7.23追加]new
 梅雨最中(2005.5.22)六甲山中の小雨の夜、最終の摩耶ロープウェイから摩耶ケーブルに乗り換える道を下っていた。街灯があるものの道路は薄暗く両側の灌木は真っ暗である。歩いていると前方10mぐらいの所を黒い固まりが二つ、比較的広い舗装道路を左から右へ動いてゆく。一瞬間を置いて、今度は大きな固まりが一つ、かなりの早さで駆け抜けた。この陰は猪とはっきりわかった。20時前の最終摩耶ロープは我々以外にだれもおらず、後で思い出して怖くなる出来事でした。
 神戸市バス(摩耶ケーブル駅時刻表) http://www.city.kobe.jp/cityoffice/54/020/time/jikoku/0180112012.htm


 上と同日(’03.7.26)、おなじ六甲山の凌雲台近くのハイキングコース上に大きな狐がふわっと出てきた。蓼科あたりのドライブウェイでヘッドライトに照らされて夜道を横切るのは狐というよりたぶんイタチだとおもうが、今回は大きなしっぽといい間違いなく狐である。此方を見ずにコースを横切ってゆっくり草むらに消えた。

おまけ
  西丸震哉の「山の博物誌」(中公文庫)のように、私も書いてみたい。

リンク  new
  森のコンサート  http://www.asahi-net.or.jp/~yi2y-wd/a-uta/uta.html
  小鳥のさえずり  http://midopika.cool.ne.jp/
  野鳥の名前  http://www2.starcat.ne.jp/~asakurak/bd-name00.htm
  

END

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更新履歴 
2005.7.23  「リンク」追加。「猪」アップ
2003.9.16  「猪」、「狐」を追加
2003.2.11  作成