2020年07月


2020年07月23日  ポテサラ論議

 ポテサラぐらい作れ、と高級スーパーで見知らぬオバサンに言われた主婦が、ツィッターに投稿してこの1週間ほど話題になった。
まずこのツィッターが釣りでないとして、さらには私は高級スーパーで買い物してます自慢でないとして。SNSは深読みと勘ぐりから始まるのだ。

 この発言は中傷や恐喝や差別ではないので違法ではない。助言ではなく干渉レベルだが倫理に反してもいない。ところが大方の主婦の痛いところというか琴線に触れたというか逆なでした、というところか。

 「◯◯ぐらい作れ」の◯◯にはスーパーで売っている大抵のお惣菜が当てはまりそうだ。ポテサラが絶妙な理由は、結構手間がかかり家庭で美味しいポテサラを作るのは割合難しいし、居酒屋とかだとすごく旨いのだが安いスーパーはしょぼい味だし、高いスーパーのポテサラは食べたことないというのは私の経験だが、つまり主婦として家庭料理でどこまで手間をかけるべきかというテーマと、この主婦の料理の腕がいかほどかという2つのテーマにおいてこの主婦は貶められたと感じたのだ。この話題についてTVで別の主婦へのインタビューでは、「ポテサラは主菜じゃないし結構手間がかかるから、そんなこと言われる筋合いはない」といったところか。コメンテーターも主婦の反感を恐れてかこの話題は落としどころがないようだ。

 家庭料理は共稼ぎが普通になっている国では、ほぼ消滅しつつある。料理はできる主婦のアイデンティティかもしれぬが、惣菜が結構美味くて便利となると、できる主婦の価値は崩壊する。「家で作れ」発言はそういう主婦の断末魔に聞こえなくもない。
眠れぬ夜の作文でした。

 I can make potato salad well.


2020年07月17日  F1コンストラクターの概要(レーシングポイント、アルファロメオ、ハース、ウィリアムズ)

 A summary of F1 constructors. As the source is Wiki mainly, as for the details, please see WEB.

 F1は最高峰のカーレースと書いたが、70年の歴史全体がF1という存在である。チームの栄光と挫折の記憶を背負って今のチームが戦っていることを知るべき。

 1966年の映画「グラン・プリ」を、中学生の時に母に連れられて映画館で見た。前列で大画面を見上げて目が回ったことと大音響とを思い出す。何故この映画を小さな子供2人に見せようと思ったのか、母に聞いておけば良かった。

 F1コンストラクターズの第三弾。レーシングポイント、アルファロメオ、ハース、ウィリアムズについて簡単な歴史と現在のチーム状況についてまとめる。レーシングポイントはメルセデス、ハースはフェラーリとの関係が深く、PUの供給だけでなく技術的な支援を得ていると思われるが、アルファタウリのようなセカンドチームと言われるほどに密接な関係では無いようだ。

 車体については、コンコルド協定により過去2年以内のレースで使われた設計情報を共有できない。しかしF1テーム以外の設計情報を複数のテームが利用することができたのが抜け道であったのが2010年以降禁じられ、各チームは独自設計を余儀なくされた。なおPUは同じサプライヤーからは3チームに供給できる。

 レーシングポイント
 前身のフォースインディアは2007年にインドの実業家らがスパイカーF1チームを買収しフォースインディアとして10年間参戦した。
2018年にフォースインディアの破産手続きに伴い、当時ウィリアムズのドライバーであったランス・ストロールの父ローレンス・ストロールがチームを買収した。フォースインディアの時のドライバーはペレスと、2017年にメルセデスの育成ドライバーのオコンが入っていたが、レーシングポイントとなった2019年にオコンが去り(2020年からルノーで参戦)、ランス・ストロールが入った。
2020年のファーストドライバーは️ペレスで、昨年不調の️ストロールも今年は元気が良い。今シーズンからBWTがスポンサーとなった。
 ピンクの車体色でドライバーもピンクのツナギがよく目立つ。
 ローレンス・ストロールが今年アストン・マーチンの大株主となったため、2021年シーズンにはチーム名をアストン・マーチンに改名する予定。
 FIAに届け出るコンストラクター名とチーム名は異なり、コンストラクター名が変更されない限り記録やポイントなどは継承される。
レーシングポイントはフォースインディアの時代からメルセデスのPUを採用していて関係が深い。今年度上位に絡む実績を上げているが、PUのみならずメルセデスの2019年の車体を使っているのではないかとの疑惑が生じている。

 アルファロメオ
1993年より参戦しているザウバーに自動車メーカーのアルファロメオがタイトルスポンサーとなり、2019年にコンストラクター名を変更したため、新たなチームとして発足する形になった。
 スイスのコンストラクターのザウバーはもともとメルセデスのワークスであったがF1ではメルセデスとの関係解消後、フェラーリのセカンドチーム的存在であった。2006年にはBMWにチームを売却したが2010年にBMW撤退後はプライベーターに戻り、フェラーリのPUを搭載している。
 2019年のドライバーはライコネンとザウバーのリザーブドライバーから昇格した️ジョビナッツィ。2020年にはリザーブドライバーとしてウィリアムズからクビサが入った。

 ハース
NASCARチームを所有するハースがフェラーリと提携して2016年からF17に参戦したアメリカ国籍のチーム。
2016年にロータスからグロージャン、2017年にルノーからからマグヌッセンがはいった。同年およびコンストラクタズランキング5位となった翌2018年には多くの事故に絡み危険なドライバーと見なされていた。
作シーズンから日本人が技術ディレクターに就任している。
2020年もグロージャンマグヌッセンの体制。白い車体でサイドにHAASと赤く大書している。PUはフェラーリ。

 ウィリアムズ
 創設者フランク・ウィリアムズによる伝統あるプライベーターで、1977年からF1に参入した。これまでコンストラクターズチャンピオンを9回、ドライバーズタイトルを7回獲得している。
 フランクウィリアムズは1986年に自動車事故に遭いウィリアムズの全盛期には車椅子を使っていたので、見たことのある人が多いと思う。
 1984年にホンダのターボエンジンを搭載して1985年にナイジェル・マンセルがドライバーとして入った。マンセルは1985年のヨーロッパGPで初優勝をしたが出走72戦目で当時最も遅い優勝だったしおつむが薄いためもあるのか人気があった。マンセルのドライビングテクニックの評価も高くマンセルにはライン(コースを速く走るための走行ライン)がないとも言われた。翌1986年にネルソン・ピケが入りコンストラクターズチャンピオンを獲得するが、2人のドライバーの不仲が表出した。この年限りでピケがチームを去りまたホンダもエンジン供給を打ち切った。ウィリアムズはこの後もドライバー同士あるいはチームとの関係が悪化してドライバーが去ることが多い。
 1989年にターボエンジンが廃止されてルノーV10を搭載してホンダエンジン後のジャッドエンジンより大きく戦闘力が向上した。
 1992年にはアクティブサスペンションやトラクションコントロールを採用して、復帰したマンセルによりダブルタイトル(ドライバーズチャンピオンとコンストラクターズタイトル)を獲得した。しかしウィリアムズのドライバーとの関係は相変わらずで、この年限りでマンセルとセカンドドライバーのパトレーゼもウィリアムズを去る。
 1993年にはアラン・プロストとディモン・ヒルがドライバーとなり、ウィリアムズは前年からこの年にかけて24連続ポールポジションを獲得した。この年にキャメルとキャノンとの契約が打ち切られ、ファンの記憶に残る青と黄色の車体カラーも見られなくなった。
1994年にはアイルトン・セナが入ったが、この年のサンマリノGPでコンクリートウォールに激突し、亡くなった。ヘリで運ばれるシーンも多くの人々の記憶に残っているだろう。
 1995年はベネトンとシューマッハにダブルタイトルを奪われたが、翌年ヒルとジャック・ビルヌーブが入り、ルノーエンジンが撤退する1997年シーズンまでがウィリアムズの全盛期であった。
 その後2007年から2009年にはトヨタのエンジンを搭載した。2010年からはフォードコスワースエンジン、2012年からはルノーエンジンを搭載し、2014年にPUを導入するレギュレーションの変更に伴いウィリアムズはメルセデスと提携して現在に至る。
 2020年のドライバーはラッセルラティフィ、車体色は白に前後スポイラーが黒である。

 フランク・ウィリアムズが今なおチーム代表を務める。今シーズンのスポンサーの離脱によりチーム株式の過半数の売却またはチーム売却が検討されていると言われる。今シーズンのF1は開始が遅れたことに加え現在は無観客で開催されている現状から、新たな投資先の開拓は困難であるだろう。

   レーシングポイントRP20

11セルジオ・ペレス/18ストロール
   アルファロメオC39

7ライコネン/99ジョナビッツィ
   ハースVF-20

8グロージャン/20マグヌッセン
  ウィリアムズFW43

63ラッセル/6ラティフィ
 

2020年07月14日  F1コンストラクターの概要(マクラーレン、ルノー、アルファタウリ)

 今週末はハンガリーGP。水曜日に書き始めなかなか手こずっているので途中ですが公開します。書き足してゆきます。

 今日はF1のコンストラクターズ中位の、マクラーレン、ルノー、アルファタウリ(昨年のトロロッソ)について。2019年のコンストラクターズポイントの順位でマクラーレンは4位、ルノー5位、トロロッソ6位。

 なぜこれを書いているかというと、自分のあやふやな知識を少ししっかりさせたい。もう一つは多少なりとも興味を持ってもらってちょっとはF1の話にも共感してもらいたいので。しかし楽しく読んでもらえるような文を書くのは難しく、読み返す都度編集してます。

 本題の前にレッドブルとアルファタウリのPUサプライヤーであるホンダのこれまでのF1の歴史を簡単にまとめてみる。
ホンダがフルワークスとしてF1に参加したのは1964〜68年と2006〜8年の2度で、レースでは計3回の優勝を果たしている。1983〜92にはエンジンサプライヤーとして参戦して、ウィリアムズとマクラーレンの黄金期を作り、日本でのF1人気が最も高まった時期となった。
 1984〜87はウィリアムズにターボエンジンを供給した。ナイジェル・マンセルとネルソン・ピケがドライブする青と黄のカラーリングの車体(ウィリアムズホンダ)が記憶にあるだろう。
 1988〜92はマクラーレンにエンジンを供給し、アイルトン・セナ、アラン・プロストがドライブした。マクラーレンの車体(マクラーレンホンダMP4/4)は赤と白のカラーリングで、これに黄と緑のブラジル🇧🇷カラーのヘルメット(セナ)が加わった映像は今なおF1の最も印象に残るシーンといえる。セナは1988,90,91 の3度マクラーレンホンダでワールドチャンピオンとなった。ホンダ撤退後93年は残留して、94年にウィリアムズに移籍した、その年にイタリアサンマリノGPで事故により死亡した。
 ホンダのエンジンが圧倒的な性能を示す都度不利なレギュレーションに変更されるということが繰り返されてきた。F1がイギリスを中心とするヨーロッパ発祥の文化であることを、都度思い知らされてきた面がある。
 2000年からはB・A・R、2001年と2年にはジョーダンにもPUを供給したが、2006年にはB・A・Rを買収して再びワークスチームとして参戦した。ドライバーはバリチェロ、バトンだったが結果を出せず2008年に撤退した。
 2015年にホンダは再びマクラーレンへのPU供給によってF1に参戦した。しかしレース結果は振るわずアロンソのホンダ責任論やマクラーレンとの不和が表出して2017年まででマクラーレンとの契約を解消した。2018年からはトロロッソ(今年からアルファタウリに改名)にPUを供給し、2019年にはレッドブルにも供給して現在に至っている。

● マクラーレン
 1966年からF1に参戦しているフェラーリに次いで伝統あるチームである。ホンダと黄金期を築き計8回のコンストラクターズタイトルを獲得している。当時の赤と白のマルボロカラーを誰しもが記憶していると思う。

 1981年マクラーレンのチーム代表のロン・デニスのもとで、チーフエンジネアであるジョン・バーナードにより、最初のカーボンモノコックボディMP4/1(車両記号、特にマクラーレンの場合この記号で語られることが多い)が製造された。1982年に一度引退していたニキ・ラウダを起用、1984年にアラン・プロストを迎えMP4/2によって16戦中12勝、コンストラクターズチャンピオンを獲得した。1988年にアイルトン・セナが入った。この年はターボが禁止される前の最期のホンダターボエンジンを搭載したMP4/4という車両でプロストとセナのドライブによって16戦中15勝した。翌年二人の確執によりプロストがフェラーリに移籍しゲルハルト・ベルガーが入った。1991年にいち早くセミオートマチックトランスミッションとアクティブサスペンションを搭載したが翌年早くもこれらを装備したウィリアムズに勝てなかった。この1992年にホンダがエンジン供給を撤退した。
 1993年から2002年のファーストドライバー はミカ・ハッキネンで、フェラーリのミハエル・シューマッハと数多くのバトルを繰り広げた。2003年からはライコネン、2007年から2012年までハミルトン、2010年にはバトンが加わってハミルトンのメルセデス移籍後ファーストドライバーとなった。2015年にアロンソがはいり2016年バトンが引退し2018年にはアロンソも引退した。同年チームの体制が大きく変革された。
 チーム代表のロン・デニスはメカニック出身のレース界の実力者であり1980年からマクラーレンのCEOを務め、2017年に保有する株式を売却するまで37年間マクラーレンと関係を持った。数々の逸話があるF1界の著名人。

 2019年からドライバーがカルロス・サインツJr.ランド・ノリスとなりマシンの戦闘力も向上して、シーズン後半から表彰台に絡む戦績をあげられるようになった。同年はコンストラクターズ4位の成績を残し、トップ3チームに次ぐ評価を得ているチーム。オレンジを基調にフロントスポイラー(前車輪の前の羽根)とサイドのエアダクトをブルーに塗り分けたカラーリング。ルノーエンジンを使用。

● ルノー
 ルノーはF1レースにターボエンジンを持ち込んでフルコンストラクター(ワークスチーム)として1977年に始めてF1に参入した。ターボとは過給器つまりエンジンの燃焼吸気を加圧して増やす方式で、エンジンの回転による方式(スーパーチャージャー)と排気圧力によってプロペラを高速回転させて加圧する仕組み(排気ターボ)とがある。F1初期にはスーパーチャージャーが使用されたことがあったが、過給器を使う場合は規定の排気量を半分とみなすレギュレーションが制定されて以降は自然吸気のフォードコスワースエンジンが全盛であった。
 ルノー参入後ターボエンジンが全盛となり1988年に禁止されるまでターボエンジン車が優勝を続けた。ルノー自身はシャーシー性能が劣りワークスチームとしてはチャンピオンになれずに撤退した。
 1989年からはV10(V型10気筒)エンジンのサプライヤーとなり、ウィリアムズのちベネトンに供給し1992年から1997年はこれら供給先のチームがコンストラクターズチャンピオンとなったが、1997年に親会社のルノーの不振により撤退した。その後メカクローム社によって1997年のエンジンRS9が製造されスーパーテックという愛称でルノーが再参入する2000年まで各コンストラクターに供給された。
 2001年にベネトンを買収してF1に再び参入したルノーは2005年と2006年にはアロンソ、フィジケラによってコンストラクターズチャンピオンを手にした。
 2008年のシンガポールGPでネルソン・ピケがクラッシュしセフティカーが入ってアロンソが大きく順位を上げて優勝した。翌年チームを去ったピケが事故はチームが指示した故意であることをFIAに提訴して、かかわった首脳陣がチームを離脱し、チームは2年間の執行猶予付きの参戦資格はく奪という処分となったが、事実上ペナルティなしの裁定は寛大すぎるとして批判された。しかしこの事件はスポンサー離脱を招き、株式を売却して2010年にワークスチームとして完全に離脱した。
 2011年以降2015年まではエンジン供給のみを行う。レッドブルには2018年まで供給を続けた。
2014年にはエンジンのレギュレーションの重大な変更があった。それまでのV8 2,400ccの自然吸気エンジンだったのが、1,600cc V6ターボエンジンにエネルギー回生システム(ERS)となり26年ぶりのターボエンジンとなった。ルノーはこれにうまく対応できず、メルセデスが圧倒的な優位を発揮した。
 その後2016年に2000年代のルノーワークスチームを前身とするロータスを買収し3度目に参入して現在に至る。参入以来ワークスチームとしては何度かの離脱があったがF1のエンジンサプライヤーとしてはフェラーリ、フォードコスワースに次ぐ優勝回数を獲得している。
 2020年のドライバーはリカルドオコン。伝統の黄色をフロントトップからコックピット周りに配した車体カラーである。

● アルファタウリ
 2019年までトロ・ロッソ、イタリア語でレッドブルだった今年からスポンサーのレッドブルが展開するファッションブランド名に改名した。F1レッドブルのセカンドチーム。
 飲料メーカーのレッドブルがミナルディを買収して2006年からトロ・ロッソとしてF1に参戦、ベッテル、リカルド、フェルスタッペンらを輩出した。2018年からホンダエンジンを搭載している。
 2020年のドライバーはクビアトガスリー。ガスリーは昨シーズンレッドブルのアルボンと入れ替わり降格となった。車体色は白と濃紺のファッションブランドに相応しい美しいカラーリングである。

  マクラーレンMCL35 55サインツ/4ノリス
 
   ルノーR.S.20

3リカルド/31オコン
   アルファタウリAT01

10ガスリー/26クビアト

2020年07月13日  F1コンストラクターの概要(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)

Simple information about teams and drivers of the F1 car race.

 F1第2戦が第1戦と同じオーストリアで昨日開催され、メルセデスが1、2位。レッドブル・ホンダが3、4位という結果だった。今シーズンもメルセデスが優位なようで、ハミルトンがPP(ポールポジション、スタート位置が最前列)でぶっちぎりの一位だった。(pole to win)
https://jp.motorsport.com/f1/results/2020/shutaiamarukugp/

 F1レースはチームとドライバーの知識がある程度あれば一層楽しめる。いずれも毎年少しずつ変わるのだが簡単にまとめてみる。チームは今年度は10チーム、それぞれ2台がレースに参加するのでドライバーは20名。F1のチームはコンストラクター(マシン製造者)と言われる。自動車メーカーが自ら資金を出して車も作っているチームをレースの世界ではワークスというが、F1ではメルセデス、フェラーリ、ルノーがワークスチームである。その他のコンストラクターにはワークスチームのセカンドチームとプライベートチームがある。ワークスチーム以外はPUをワークスチームなどから供給してもらっていたり多くのスポンサーが付いている。

 コンストラクターは毎年のようにレギュレーション(主催者FIAが決めるルール)が変更されることもあるが、1周5㎞ほどの狭いコースを1分余りで走行してタイム差が1秒のなかに5台から10台かが入るぐらいの熾烈な競争に勝つため、常にマシンの開発にしのぎを削っている。つまり昨シーズンと同じ車体、PUではまったく勝てない。したがって車体とPUについてチームの技術力、資金力、マネジメント力を最大限に発揮する競争であり、かつドライバーは下位のレースから勝ち上がってきた世界最高峰のドライバー達である。このことがF1レースの凄みであり興味が尽きないところである。

 PUは現在メルセデス、フェラーリ、ホンダ、ルノーが製造し全てのコンストラクターに供給(サプライヤー)している。PUとはエンジンとモーター、回生システム(ERS、ブレーキ時などに発電してバッテリーに蓄えモーターを駆動)とこれらの制御機構を言う。つまり今のF1はプリウスのようにエンジンとモーターの両方を使って走っている。このことが昔のレースエンジンを作っていた小さなエンジンメーカーが居なくなりPUのサプライヤーが限られた大企業のみに絞られた理由である。
ホンダはレッドブルとアルファタウリの2チームのPUのサプライヤーであるが、いずれもレッドブルがスポンサーの伝統あるチームである。

● メルセデス
 メルセデスは1954年とその翌年にF1に参戦したが、1955年にル・マン24時間レースで大事故を起こし1980年代まで全てのレース活動を中止した。
 F1では1993年からザウバー、1995年にはマクラーレンにエンジンを供給した。その後ブラウンGP(チーム名)を買収して2010年にほぼ半世紀ぶりにワークスチームとしてF1に復帰した。
 2013年に元レーシングドライバーであったトト・ヴォルフが、ウィリアムズから引き抜かれてチーム代表に就任した。メルセデスの株式を30%所有する。ウィリアムズと契約を済ませていたドライバーのボッタス引き抜いた。
2014年から昨年まで、6年連続でコンストラクターズチャンピオンとなり、今年度も第1戦ではボッタス、第2戦ではハミルトンが優勝して他のチームを圧倒している。
 メルセデスのレース活動は1930年代から始まり、当時アルミボディだった頃からの伝統のシルバーアローと言われたカラーだったが、今シーズンの黒人差別反対運動の高まりを背景としてF1の車体色を黒にした。ファーストドライバーは唯一の黒人ドライバーのハミルトンで、今シーズンはレース内外で黒人差別反対をアピールしている。
 メルセデスは現在レーシングポイントとウィリアムズにPUを供給している。

● フェラーリ
 F1が初めて開催された1950年から現在まで、ワークスチームとして参加し続けている伝統のチームであり、車体色は赤、フェラーリのシンボルの跳ね馬を車体に掲げている。
 エンツォ・フェラーリはアルファ・ロメオのレーシングドライバーであったが1929年にレースチームを創設した。2次大戦後の1947年に再びレーシングカーと市販車の販売を始め、1950年に創立されたF1レースに参戦した。
フェラーリの戦績やドライバー名はとても書ききれずここでは割愛する。しかしWEBで少し調べてみれば、私ぐらいの世代なら聞き覚えのある逸話や知ったドライバーの名前を多く目にするだろう。これまでにコンストラクターズチャンピオンは16回、ドライバーズチャンピオンは15回獲得しているが、コンストラクターズチャンピオンは2009年以降遠ざかっている。
 フェラーリはワークスチームであるが、ハースとアルファロメオにPUを供給している。
 今シーズンのドライバーはベッテルルクレール。昨シーズンは若いルクレールが優位となりベッテルはアグレッシブでないと言われた。来年ベッテルはフェラーリを去るが移籍チームが未定で引退の可能性がある。
 昨夜は序盤でフェラーリの2台が接触しリタイアして、ドライバーの不仲を一瞬想像したが、レース後ルクレールがベッテルに謝罪してちょっと安心した。昨シーズン2位のチームに今シーズンはやや精彩がない。
 昨シーズンはPUの性能がメルセデスを凌ぐと言われてコンストラクターズポイントでメルセデスに次ぐ2位になったが、PUについてレギュレーション上の疑惑を向けられていた。FIAの調査、裁定でシロとされたが、今シーズンはパワー不足が露呈して、昨年違法な改造があったのは間違いないと考えられている。FIAに影響力があるフェラーリゆえに昨シーズンは表沙汰にされなかったようだ。

● レッドブル
車体のドライバー後ろの高いエアインテークに赤い雄牛を描き、サイドインテークにはRED BULLと大書された車は一目で印象に残る。
 大手飲料メーカーのレッドブルは1995年からザウバーなどF1チームのスポンサーであったが、ジャッキースチュワートのF1チームであったジャガーレーシングを2006年にフォードから買収した。クリスチャンホーナーを代表とするプライベートチームである。チーム名はスポンサー名。正式チーム名称に含まれるアストンマーチンはタイトルスポンサーである。
2010年代前半はセバスチャン・ベッテルとウェバーがドライバーでチームは4度のコンストラクターズチャンピオンとなったが、その後レギュレーションの変更によりルノーエンジンが振るわず、メルセデスの後塵を拝すことになった。ドライバーは2014年から2018年までリカルドで、その後任はガスリーだった。
 2019年からそれまでのルノーのエンジンに代わってホンダがPUを供給している。レッドブルはもう一つのF1チームとしてアルファタウリ(昨年までトロロッソ)を所有している。アルファタウリはレッドブルのセカンドチームで、ドライバーはアルファタウリで頭角を現してレッドブルに移籍する(逆もあり)。
 今シーズンのドライバーはフェルスタッペンアルボン。ファーストドライバーのフェルスタッペンは23歳のベルギー人で、2015年に17歳でF1デビューしている。若いがすでにベテランでテクニックはトップクラスといわれる。男前でないのが残念。アルボンは昨年アルファタウリから昇格しガスリーと入れ替わった。チームはほぼ同一の車で走行するために運転技術の差が明白になる。新人が頭角を現してくるとベテランドライバーとの軋轢が生じ、レースに影響することはよくある。序列が明白な場合にはファーストドライバーを優先したレース運用をするので、この場合も新人ドライバーがチームの指示に不満を抱くようなことがある。

   メルセデスW11

44ハミルトン/77ボッタス
   フェラーリSF1000

5ベッテル/16ルクレール
  レッドブルRB16

33フェルスタッペン/23アルボン
 

2020年07月09日 洪水被害とダムの有用性

I object to dam construction in Japan basically. I feel uneasy deeply about the current situation that the river water of main rivers of Indochina is exploited for irrigation, and is decreasing.

#洪水 #ダム #河川管理 #総合治水 #環境 #ダム廃止

ダムが必要だという番組をTVで見た。ほんの少し前には「コンコリートから人へ」というキャッチーな言葉を掲げた政党を始め、野党は声を揃えてダム反対を唱え、マスコミも一様にダム反対だったのにゲンキンなものだ。

私のかっての仕事に関わるテーマなのでここで整理しておく。ダムはできるだけ作らない方が良いということを伝えたい。

ダム建設はそもそも50年くらい以前からの計画があって、水道水の需要減少や河川や海域環境への悪影響がわかってきたのに、必要性の検証がなされないまま進められて来たことが指摘されたのではなかったか。また、計画当初から業者が決まっていて莫大な建設費がゼネコンから地元までの多くの土建業者に流れ、政権や地元市町村の実力者の利権になっていたことが、建設や規模を見直せない理由であったことも否めない。

ダムの環境へのマイナスの影響は以下。貯水による富栄養化、河川の水量の減少(水質悪化、景観悪化、水上交通阻害)、河川の栄養物質が海域に供給されないことによる生態系の変化(漁獲の減少)、魚類の遡上を阻むこと、河川流域の湿地の減少、下流部では潮止め堤防と言われる農水確保のためのダムでは汽水域の減少、海域の砂浜の減少による海岸の侵食、干潟の減少(海鳥の減少や浄化機能の毀損)。これらは部分的な対策が可能なものもある。
ダムの社会的な課題は、莫大な建設費により水利権が高額となること、貯水池となる地域の住民の立ち退きが必要になること。なお、ダム湖は観光資源になる面がある。

ダムの目的は治水、発電、利水(水利権の設定=農水、上水、工水)である。このうち水力発電については、化石燃料を使わずCO2が発生しないことが好ましいが発電コストが高額となり、新規の建設は電力会社に望まれていない。なお、電力調整のため夜間は水を組み上げ昼間発電する揚水発電所として改修されることがあった。また、小さな落差を利用して小水力発電が行われているが、これもコスト面で普及は今ひとつだ。

利水については、既存の河川の水利権(河川水を専用する権利。日量)を設定するために貯水池を作る。かっては開墾に伴う農水を確保するために全国で溜池が作られた。しかし今や水道は需要水量が減少の一途であり農水も減反で然り。ただし野菜、果樹、花きなどは農水供給が欠かせない。なお工水は全国的には50%以上が余剰で、高額の水利権が事業体(都道府県や市町村)の負担になっている。地域的に新たな水利権が必要なケースはあるだろうが、マクロ的には利水目的の大型ダムは無用。水利権というものも公に議論されたことがなく不合理極まるものだがここでは触れない。

治水について。これが本題であるが、先ほどテレビで熊本の河辺川ダムがあれば流域の降水の4割を貯水できたと、さも洪水被害は川辺川ダムに反対したからだと言わんばかりの解説があった。しかし流域の降水がいつどれだけダムに流入するかは、降水量だけでなく地面に浸透する雨水の割合(浸透率)やダムにたどり着くまでの時間遅れによって変わるし、浸透率は直前までの雨量によっても大きく変化する(解析が可能)。ダムがあればある程度の貯水はできただろうが、4割などと言い切れる十分な解析が一両日でできるはずがなく、川辺川ダム計画時の説明用文句をそのまま鵜呑みにしているのではないか。現在の解析技術でシミュレーションしてきちんと検証してもらいたい。また、降雨時に貯水可能な量は貯水池の総容量よりもかなり少ない。ダムには水利権を発生させるために最低貯水量が設定されていて、特に農繁期の直前にはたっぷりと水を溜め込むので治水のための水を溜め込む余力はほとんどない場合がある。また多くのダムは夏場は水位を下げて豪雨に備えるのだが土砂が堆積してそもそもの貯水量が大きく減少している場合もある。しかし治水のための一定の機能はあり、河川の流域全体で捉えて計画、管理することはできるので、建設の是非を検証することはできる。

流域全体の治水の方法について。以下は熊本県のダムなし治水政策。注記は石田が補追。
・引堤防-堤防を河川を広げるように後退させる。
・河川掘削-川床を掘り下げて川を深くする。
・堤防のかさ上げ
・遊水池-上流に増水時だけの貯水池を作る。
・既存ダムの再開発-ダム湖の浚渫、ダムの嵩上げ
・放水路-河川のバイパスを作る。農業用水路などの活用

さらに付け加えると、雨水浸透のための浸透舗装や浸透式下水道(雨水を地中に浸透させるような管路やマンホール)、緑地、雨水滞水池(都市部の大深度地下貯水池など)。近年圃場整備が進み農業の機械化のために田んぼの区画を大きく長方形にして農道も整備されたが、田んぼは実は水を漏らさないために森林などに比べると浸透量は少ない。河川沿いの圃場は洪水を溜め込める可能性があるが、遊水池としての整備を農水省はまったくやらなかった。数年に一度の洪水を溜め込むと米がやられ土砂の堆積を取り除く必要があるが、それは税金で補償すれば良い。

省庁をまたがるような、流域ごとの総合治水対策ということは言われるばかりで、お役所内で組織横断的な施策になるので実現は困難。一級河川とそのダムは地方整備局(国交省)が管理、建設しているが、支流は県管理のような場合、内水(一級河川の堤防の外側)が溢れて洪水になる場合もよくある。
米作りが成立しなくなって山間の田んぼ毎に集落があったのがどんどんなくなりつつある。山間の集落では住人の命を守ることには力を注ぐべきだが、多くの費用をかけて洪水や土砂崩れの危険を取り除くことは出来ない。また交通の確保も同様である。流域全体の治水のコストと洪水による財産の消失というコストのバランスが重要で、その中でダムの是非を問うべきである。

大型ダムは環境へのマイナス面が大きく、治水面ではもっとコストがかからず環境被害が生じにくい方法がほとんどの場合あるだろう。つまりダム建設には反対すべきだ。建設するためには他の治水対策と比較してその必要性をきちんと立証すべきだ。
/以上


2020年07月07日 本音連発

(西村大臣) インフルで毎年2,000人が死ぬのにコロナはまだ1,000人だから大したことない。若い人は症状が出ない人がほとんどだからなーんも問題なし。高齢者はなるべく死んでくれ。医療費も年金も助かるし。コロナはもう忘れてウハウハの経済優先。

(都知事) コロナでマスコミに露出して石破様の次の総理を目指すのよ。夜の街は主婦の敵。この際潰してやるわ。PCR検査はほどほどにして見かけの感染者数を減らせば御の字よ。

(国交省) 山は崩れ川は溢れるのが自然の摂理。治山治水は金がかかるので無理。危ないところに住んでる方が悪い。どうせ田舎はもっと過疎になって人がいなくなる。昔より風水災が増えたのは温暖化のせい。わたしゃちっとも悪くないのさ。

(気象庁) 警報と特別警報出せばうちらの仕事は終わり。避難指示は市町村の責任。職員はなーんも仕事してないのに、スパコン様様。

Japan has very many natural disasters. However, structure protecting human life and property is insufficient.
Economic restoration is given priority, and, as for the coronavirus measures, human life is downplayed now.


END