テレビ Terevision TV      2004.2.21作成  2004.5.2更新
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2004.5.2更新  1-2地上波デジタル放送の動向について、追加。
2004.2.21作成  このページを初めて作成。テレビ放送が大きく変わろうとしているので、テレビをはじめとする放送事業全体に関して法規制や業者の提携、放送に関わる技術動向について記載する。


1.テレビ放送の動向
 ハイビジョンもBSも失敗と言えるだろう。地上波デジタル放送はひょっとしたらテレビ放送の終焉のきっかけとなるかもしれない。地上波デジタル放送は、放送と通信の戦いにおいて、放送が生き残るために生み出されたのである。私はこの戦いでは通信の勝ちと見る。無線LANや携帯の動画再生機能の現状を見ると、携帯の基地局を利用した無線通信によるオンデマンド(見たいときに見たい番組が配信される)放送(というよりも通信)がまもなく普及する。つまり地上波デジタル放送に飛びつくのはまだ早い。なお、地上波デジタル化で先行したアメリカでは失敗に終わりつつあるとのことだ。
1−1 地上波デジタルについて     2004.2.21作成
 
 (デジタル信号)地上波デジタル放送とは、今のアナログ方式と異なり、映像と音声の信号をデジタル信号にして電波で放送する方式。東京地区は東京タワー、大阪なら生駒さんのテレビ塔といった、従来のアンテナが使用される。2003年12月に首都圏、京阪神、中京地区で始まった。2006年末までには全国の主要都市で放送が開始される。2011年7月24日には現在のアナログ放送は完全に打ち切られ、全てデジタル放送に移行する。

 (画質や音質が向上)雑音や画面が二重になるゴーストが無く、画質はハイビジョンまたは多チャンネル同時受信、音質はCDレベルに向上する。具体的には、解像度はこれまで走査線が525本だったのが、1125本になる。画面は4:3から16:9のワイド画面となる。音声は、5.1サラウンド放送となる。なお、画像も音質も受像器が従来のままだと何も変わらない。
 なお、地上波デジタル放送で実際にハイビジョンで放送されるのは特に民放では番組全体の半分以下と言われている。

 (情報が増える)天気や交通、地域情報などが自由に表示できる。番組の解説や字幕を表示させたり、知りたい情報を検索する事ができる。

 (双方向通信)また、従来の放送は送り手と受け手が固定されていたが、地上波デジタル放送では受け手側からの発信ができる、双方向通信となる。家庭から放送局への送信は電話回線で行われる。

 (自宅アンテナによる受信方法)従来のテレビ受信機ではデジタル放送用チューナーを設置する。アンテナはUHFアンテナがデジタル対応であればそのまま使える。

 (集合住宅での受信方法)UHF帯を受信できる設備があればデジタル放送をそのまま配信するかまたは周波数を変換して配信する。いずれの場合も、各家庭ではそれぞれチューナーを取り付けるか、地上波デジタル放送対応テレビを使用する必要がある。

 (CATVによる受信方法)CATVの場合はケーブルテレビの会社によるが、従来通りの信号で送られるか、またはデジタル信号になる。私の予想では、早めにデジタル放送に移行し、地上波デジタル放送用チューナーが支給され聴取料が値上げされるだろう。

 (BSテレビの受信方法)BSテレビの場合も地上波デジタル放送用チューナーが必要となる。BS放送は、電波の周波数が異なるが信号の圧縮方式は同一であるため、共用チューナーが出現するかも知れない。私見だが、BSはNHKの難試聴区域解消を目的として始められた。今後NHKがさほど注力するとは考えにくい。

 (アナログ周波数変換) 地域によってはデジタル放送と既存のUHF放送の混信を避けるため、アナログ放送のチャンネル変更やアンテナの向きやアンテナそのものを変更する必要がある。この工事は無料で行われ、既に地域やチャンネルも決定済みである。この費用は国費で1800億円といわれ、非難されている。この財源は主として携帯電話の利用者が支払う電波利用料でまかなわれる。

 (デジタル放送の録画) デジタル地上波用テレビにはB−CASというカードが付属しており、本年4月以降は差し込まないとデジタル放送が見られない。デジタル録画を一度だけ可能とする仕組みに使用される。

 (携帯電話への配信)圧縮方式であるMPEG−2の使用料について未解決の問題があり、当面開始されないようである。むしろ携帯への配信が地上波デジタル放送の将来を決めるような気がする。

new 2004.4.3追加、3.25日刊工業新聞より。
  05年度、携帯向け地上デジタル放送がサービスを開始する。新動画圧縮技術(MPEG4のAVC/H.264)により、圧縮率を従来の20/100から、12/100に高められる。携帯端末の電池長寿命化が今後の課題。
 
new2004.5.2追加
1−2 地上波デジタル放送の将来
 欧州ですでに失敗し、アメリカでもほぼ失敗が明白になりつつある地上波デジタル放送だが、困難と言われていた携帯端末へのデジタル放送開始が急遽決定したのは、放送業界の危機感の現れだ。ほぼ日本人の二人に一台が普及した携帯電話だが、今後個人認証やICカード機能を備えることが確実だ。携帯の機能の一つとなる放送受信機能は果たして家庭のTVのように利用されるだろうか。
 携帯画面がもう少し大きくなるとしても、15分以上の番組はだれも視聴してくれないだろう。また、見たい時に見られるオンデマンドでないと成立しない、つまり放送ではなく通信なのだ。携帯には携帯向けの短時間のコマーシャル入りの番組が制作され,視聴者が任意に選択した番組が都度ダウンロードされる。ビッグニュースのみリアルタイムの膨大なデマンドが発生するだろう。
 家庭でのTV放送はどうなるか。2日付けの朝日新聞では、視聴率30%を超える番組が激減したと報じられていた。たとえば我が家ではテレビを見るのはほとんど私だけである。TV放送は約40年前、私が小学生の頃普及し始め、数年後にはテレビが無いと生きて行けない世代も生み出したが、いまやようやく、テレビはテレビにふさわしい位置に据えられつつあるのかもしれない。
 朝、朝食を取りながら、天気と電車の運行状況などをBGMならぬBGVとして見るような場合はともかく、本当に見たい番組はビデオ録画で見る人が多いと思う。後者はCM入りの通信で供給され、放送はBGV的な番組だけになるというのが現時点の私の予想。時期はアナログ放送打ちきりの2011年としよう。
2.テレビ受像器の種類と特徴
2−1 ブラウン管、液晶、プラズマ
  大画面液晶はようやく使えるレベルとなった。プラズマは性能は良いが消費電力が大きすぎる。ブラウン管は価格が安い。
表2.1 VDTの比較(visual display terminal) 液晶やプラズマはFDP(Flat Display Panel)という表現が一般的になりつつある。
ブラウン管 液晶 プラズマ 備考
解像度 液晶と同程度 解像度が同じでも素子間隔が狭いのでしっとりした画面 垂直方向の画素数が650を越えるものをハイビジョンという。再現色数は、1677万色から最近では10億色。
応答性 なめらかな動き 早い動きでは残像が残る なめらかな動き
明度 最も明るい。色の再現性は良い。 プラズマよりやや暗い。反射が少ない。黒い部分がくっきりと黒い。グラデーションに段階差が見える。450cd/m2〜500cd/m2 明るい。蛍光灯などの写り込みがある。黒い部分が灰色で、髪の毛がつぶれやすい。グラデーションの段階差が液晶より目立つ。900cd/m2〜1100cd/m2
視野角 最も広い。 素子の後ろにバックライトが光るので視野角が狭い。最近はかなり改善された。 素子が発光体なので視野角が広い
消費電力 やや大きい。 ブラウン管の2/3。200〜300W(37インチ) ブラウン管とほぼ同じで液晶の1.5倍。冷却ファンの音がある。かなり改善されたが、50形で360W〜600W。
寿命 60,000時間。1日7時間見て24年 20000時間。一日7時間見て8年。
形状 10インチから30インチ程度が実用的。奥行きが幅と同程度となる。 50インチ程度が限界。小型化も可能。薄型。 60インチ以上も可能だが、30インチ以下は難しい。薄型。
重量 最も重い 30〜42インチで20キロから30キロ 32から50インチで25キロから50キロ
価格 28インチで10万円 37インチで60万円 37インチで50万円
総合評価 設置場所が問題なければ性能は最高。 プラズマよりも良い。国産ではシャープが各社の液晶を製造。 ハイビジョンプラズマは、スペックを見る限りではパイオニア製が良いようだ。

2−2 その他の装置
 (作成中)

END