こんなまずいもん喰ったこと無い     2003.12.3 作成  2013.2.10更新



2003.11.24(金) カレーライス

 スパイシーなインドカレーよりも、いわゆる日本で独自の料理となった黄色いカレーのほうがはるかに多く消費されている。おなじカレーといっても全く別物だが後者は今後も日本人の食生活の一定の部分を占める筈だ。
 久々にほんとにまずいカレーを食べた。日展のレストラン(上野、東京都美術館)が長蛇の列だったため、裏手の東京芸大の学食へ行ったのだが、ここのカレーが今年一番まずいカレー大賞、グランプリである。芸大はだれでも入れる。正門を入って右手建物を回り込んだ1階にオープンテラスのある学食がある。ここでは注文の仕方やお金の払方、水の場所、セルフのようだが食器の戻し方など、システムがほとんど不明。そして窓口の配置が著しく非効率的。作業環境が非効率的。こんなひどいシステムは見たこと無い、そんなことで大変感心していたら、やっと最後に食べたカレーが最高にまずかったというわけである。レトルト袋を暖めた方がよほどまし。こうなった理由は簡単で、従業員はできるだけ客に来てもらいたくないのである。この店舗は研究対象になるぞ。


 2004.2.11(水) 東京のどんぶり

 浜名湖以北で昼飯で食べるような丼は、つゆが甘くて色が濃くてまずいというのが相場だ。ひと月ほど前に、五反田のとある蕎麦屋で食べた親子丼について。
 昼食用だから鍋で具を大量に作り置きしているらしい。これを丼飯に載せて出す。吉野屋の牛丼スタイルだ。吉野屋のほうは、一度つぶれて再建後は一度も喰っていないが、最近の牛丼はうまいらしい。BSEのおかげでまたつぶれるかもしれんが。BSEリスクを予測してない方がおかしい。食品事業は単品勝負だとリスクが大きいのはとっくに常識だ。
 横道にそれたが、私は最近自分で作るので、親子丼には特にうるさいのだ。吉田健一が子供の頃から、親子丼のネギは斜めに深く切って煮すぎてはいけないことがわかっていたと書いていたことを思い出す。そのとおりだ。
 その蕎麦屋の親子丼は、鳥は煮すぎて固くなり味が無くなっていた。白ネギではなくタマネギが大量に入っておりぐちょぐちょで甘すぎ、卵は甘ったるい汁を吸って卵の味がしない。東京の店はこういう丼を平気で客に出す。客も文句を言わずに喰う。テーブルをひっくり返したいと思いつつ、私も初めての店なので黙って喰う。大阪だとだれかれが文句を言うから、こういう丼は絶対あり得ないわけよ。


 2008.5.24(土) ファミレス
 
 新前橋駅を降りたが、食べ物屋らしい食べ物屋がなかった。交番で道を聞いたついでに、昼食の店を聞いた。「17号沿いにあるよ」、というがファミレスの名前ばかり出てくる。どっちみち経路なので、17号へでると、ほんとにチェーンのレストランばかりなのだ。それでやむなく入ったのが、スパゲッティ屋の五右衛門である。
 若い頃渋谷に壁の穴というのがあって、結構はやりだった。私が20代の頃はイタリア料理など食べたことがなく、パスタといえばナポリタンぐらいしか知らなかったので、タラコスパとかが結構めずらしくて、ハンズの向かい側の路上に良く並んだものだ。
 そのあと出現したのが五右衛門で、和風のパスタをいろいろ取りそろえて、都心でも結構店舗が多かったが、私は当時五右衛門で食べた記憶がほとんど無い。今は都心の店舗は無くなり、地方で展開しているというわけだ。
 貧相なサラダと縁にねぎが乾いてこびりついたスープが出てきたときから、いやな予感がした。ナスとモッツァレラのボロネーゼを頼んだのだが、どーんとでかい皿に120gはあろうか、という量がでてきた。肉の味がしない、ワインの風味がない。ガーリック臭がやたらに強い。チーズが居酒屋ででてくる冷凍ピザのろうそくのような食感。スパゲッティーニはやわらかすぎ重いソースがべったりとからむ。ブイヨン味が濃すぎて肉の味がしない。この濃いだし味がファミレスの特徴である。香りがない安物の素材をごまかし、インスタント食品になれたガキが喜ぶ味。980円也。禁煙席から子供の騒ぐ声が聞こえる。喫煙席に座ったのは正しかったが。
 群馬県民もわざわざ車で、1000円も払ってこんなまずいもんを食いに来んなよ。不味い食い物が無くならないのは、もちろん客のせいである。


2012.7.23 ダイニングバー「/so/ra/si/o/」
 
 久々に毒々しい色彩のこのページの更新ができて、うれしいやら悲しいやら。
 鼎泰豊(ディンタイフォン)で小龍包を食べた後、お茶を飲む店を探してカレッタ汐留の46Fにあるこの店に入った。
 案内されたのはバーカウンターだったので、私はダイキリを頼んだ。姿勢の悪い若いバーテンダーがこれ見よがしにシェーカーを振る。客の目の前でやるなよ。出てきたダイキリは甘ったるいばかりのひどい出来。こんなひどいダイキリは初めてだ。涼やかさが微塵もない、香りもないダイキリ。
 同行の女性達は珈琲や勧められたカクテルを頼んだが、出てくるのが遅い。そのうち二人の若いバーテンダーが同行の女性達に話しかける。オイオイ、スナックじゃないだろ。こいつらに勧められたようで、女性達が追加で頼んだスイーツ盛り合わせは出てくるまでにまた30分以上掛かった。
 サービス料はとられないが、チャージ10%はとられる。まずいカクテル各種は1,100円、スイーツ(contrast)は1,200円で、夜景鑑賞代として高いとは言えないのが救いか。
 この店は2フロアぶち抜きで大きな窓からの夜景がすばらしいのだが、従業員のレベルアップが必要。夜景を眺めるなら650円也の珈琲だけにしておくこと。


2013.2.10 全国設計事務所健康保険組合 レストランPAL 2013.2.7訪問

 またこのページに、あらたな店を紹介できてうれしい。

 千駄ヶ谷の将棋会館隣に、設計健保の会館「けんぽプラザ」があり、建設コンサルタントなどの組合員は年に一回この会館で健康診断を受診する。

 ここは立派な建物で、効率よく健康診断が受診できるのは結構である。検診が終わると建物内のレストランの割引券がもらえる。胃検診のために前日21時以降は飲食してないし、6割引というお得感もあって受診者の半数弱ぐらいはここで遅い朝食または早い昼食を食べるのではないか。
 
 先週の検診後に私がここで注文したメニューはソースカツ丼だった。私は普段はカロリー控えめ、蛋白質少なめの朝、昼食なのだが、12時間絶食による飢餓感が私にソースカツ丼というレアな選択をさせたと言える。おまけに定価900円、組合員540円のところ、割引券だと360円なのである。松屋、吉野屋クラスの価格ではないか。

 胃検査でバリウムを飲んだので、テーブルのポットの水をたくさん飲みつつカツ丼を待つ。サラダが先に来たが、キャベツにフレンチドレッシングががかって、丁度良い分量だがキャベツが硬い。硬いときはもっと細かく切れば良いのだ。ソースカツ丼にドレッシングが合わない、などと思いながら、待つ。

 ほどなく黒いプラスチックのお重風の箱に入ったソースカツ丼が来た。みそ汁は塩辛く味噌の香りがない。だがまあこんなもんか。カツは薄いが、きれいにソースとマヨネーズがかけられてやや色が濃いのが気になるが大いに期待させられる見かけであった。

 このカツを食べてみると、水分が抜けてカスカス、肉のジューシーさが微塵もない。揚げすぎて衣の香ばしさも無く、ただソースの味だけ、という代物だった。

 調理場を見ると、揚げたカツをバットに立てて並べている。これを客の注文があれば二度揚げして出しているのだ。薄いカツを二度揚げするから水分が完全に抜けるのだ。こういう場合はバッター液をたっぷり使い、衣を厚くしてB級らしく分厚くすればこの調理法でも良いのだが、上等の肉を使うときのように薄い衣で揚げるなら、注文の都度衣をつけて調理する必要があるだろう。

 これで900円だと客は怒るわな。組合員価格の540円でも来ない。360円でもすき屋か松屋へ行くだろ。 今この健保組合の財政は火の車だ。こんなレストランはつぶして、貸事務所にしたほうがよい。もしこのレストランを生かしたいなら、駅至近とはいえ表通りから引っ込んだこんな場所だと、もっとバランスの良い食事、低カロリーや減農薬野菜などの健康食を売り出すしかない。場所は高級住宅街なんだから、味さえ良ければ奥さん達も食べに来るはずだ。


2015年12月3日  ホットモットののり弁当 HOTMOT hottomotto

 20年以上も前「ほかほか弁当」のチェーンが全国展開して260円ののり弁当が気に入りだった。子供の頃から母が時々おかかと海苔を2段に敷き詰めて、その上に卵焼きを敷き詰めた弁当を作ってくれていたせいかもしれない。小さな白身魚のフライとちくわ天がどんぶり風に上に乗り、醤油を掛けると適当にご飯にもしみこむのがよかった。
 それ以来コンビニの海苔弁はたまに買うのだが、唐揚げやコロッケが入っていたり小さな卵焼きが入っていたりそれが大変にまずい代物であることが多く、たまに本家の海苔弁を食べてみたいと思いつつも、高速以外で弁当を買う機会がなかった。

 このたびその夢が実現したのだ。たまたま入院中の母の日赤高槻病院へ通う道にホットモットがあり、そこに昼時通りかかったのである。ホットモットで弁当を買うのは初めてだが、ホカ弁と袂を分かって自立した良いイメージがあり、期待はふくらんだ。

  さて、数分待って海苔弁350円也を受け取り、早速ふたを開けると期待通りのシンプルな昔と同じ姿をしているではないか。ふたを開けて醤油を掛けようとすると、なんとソースなのである。海苔やおかかに合うのは醤油しかない。フライにはソースを掛けたい場合もあるだろうが、フライは海苔の上にあり、醤油味とソース味が混じることは耐えられないーという人が普通ではなかろうか。

 そこで、店へもどりソースの小袋を醤油に換えてくれ、と言ったら若い店員が怪訝な顔をして、調理場に「醤油に換えられますか?」と聞く。この対応からしてホットモットはアウトだ。以前ホカ弁の時もいろんな客がいたらしくてしょうゆかソースか聞いてくれたこともあった。しかし王道は醤油だろう。こういう対応を想定した教育もなされていない。

 さて、見かけは昔のままの海苔弁に箸を付けた。海苔が薄い、とおもったが、食べるとひどい安物の海苔だ。香りがない。その下にあるはずの醤油のしみたおかかがなくて、昆布の佃煮が申し訳程度に入っている。さほど甘い味付けではないのと醤油ベースなのでまあ許せるが、ここはおかかで行って欲しかった。昔のホカ弁の海苔弁はちゃんとうまかったぞ。

、それにしても海苔弁の命の海苔が湿気て香りの抜けたようなのにはがっかり。というわけで、また20年ぐらい食べないことにする。昼時に客はだいたいとぎれずに来ていたが、この味とこのサービスのレベルで大阪で商売できるのが不思議。大阪も北摂あたりは東京並みにまずいものを平気で喰うようになったのか。



 2018年2月28日(水) 鮫洲自動車試験場の食堂 
 試験場内に一カ所セルフの食堂があり、ほかに食品は販売されていない。
 写真の入ったショーケースには、ラーメンとうどんの二種しかない。トッピングがいろいろあるのみ。うどんそばがあるとのことだったが、食券の販売機の前に立つとうどんそばはバツ印がある。やむなく、醤油ラーメンを選んで食券をカウンターに置くと、数分で出来上がり、箸を取ってテーブルにすわる。
 麺は腰がなくざらっとして味が無い。汁はインスタントの粉末スープ以下。ラーメンはカロリーが多いしインスタントは添加物が多いので、原則食べないのだが、ソバだけでも、と思い外食で十何年かぶりに食べたら、ひどい代物だったということだ。良くこんな店が営業を続けていられるものだ、と思う。東京人が店に文句を言わないせいもあるが、さほどまずいと思っていないのではないか、と感じたほどだ。まあ残す人が多いのはささやかな意思表示か。
 思い出せば3年前もこの店でカレーを食べて腹を立てたのだ。ラーメンを食うまでこのまずさを忘れていた。今度はちゃんと記憶にとどめておこう。
 免許の更新後、大井町の美竹でトンカツを食った。もちろん機嫌が治りましたよ。



 END

2018.2.28更新 「鮫洲自動車試験場の食堂」を追加
2015.12.3更新 ほっともっとの「海苔弁」を追加
2013.2.10更新 全国設計事務所健康保険組合 「レストランPAL」を追加
2012.7.23更新 ダイニングバー「/so/ra/si/o/」を追加
2008.5.24更新 「五右衛門」を追加
2004.2.11更新 「東京のどんぶり」を追加
2003.12.3作成