「夜祭り」

お月様が東の山から顔をだし銀色の光で辺りを照らしました。
草花も眠りにつき静寂が広がっていきます。
遠くからはフクロウの「おやすみなさい」が・・・。
でも、今日だけはいつもと違いました。
動物達はお月様が良く見える広場へと集まってきます。
今日は年に一回しかない1番お月様が綺麗な日。


「きれー」

「今年はちょっと雲があって残念だね」

「でも・・・見れて良かった」

「早くみんな来ないかなー」


一番早く集まった動物達はお祭りの準備を終わらせていました。
ふだんと違う広場の雰囲気に虫達もおしゃべりを止めました。
少し冷たい風が動物達を撫でていきます。


「ブルブルブル・・・・まだかなァ?」

「う〜、もう始めちゃおう!」

「うん!!」


積み上げられた薪に火をともします。
赤や黄色やオレンジの炎がまっすぐに空へと・・・。
お日様の暖かさが動物達を包み込みました。
動物達は大きな炎に喜び踊り始めます。


リス「やっぱり始めちゃったね」

イヌ「うん・・、僕達もいく?」

リス「う〜ん、もうちょっとしてから・・」

イヌ「そうだね」


見晴しの良い場所でお月様を見ていた二人。
動物達の楽しい声はそこまで届いていました。


イヌ「やっぱり・・・僕、もう行く!」

リス「あっ、待ってよー」


暖かい光を見て他の動物達も集まってきます。
今日はいつもより賑やかになりそう・・・。
今日は1年に一回のお祭り。
お月様もいつもより綺麗な姿で空の上から見つめていました。