「コンにちわっ!」


│ 元気かい?                 │
│ 山はもう景色がすっかり変わったよ。     │
│ 弟が君に会いたがっているんだ。       │
│ 美味しい魚も手に入ったから遊びにおいでよ。 │



「う〜ん、よし! 遊びに行こう」


一通の手紙で友達の所へと遊びに行く事にしたキツネくん。
友達のペンギンくんはちょっと変わり者でたかーい山のてっぺんに住んでいます。


「すっごく景色が良いんだ」


それが海から山へ住み替えた理由。
そんなペンギンくんととっても仲の良いキツネくんはテクテクと
山道を頂上目指して登って行きます。


「元気にしてるかなぁ? 何ヶ月ぶりだっけ」


最初は草花が生い茂っていた景色もしだいに岩が多くなり、しだいに真っ白な
銀色の世界へと変わって行きます。
住んでいる森も、もう眼下に小さく見えるほど。
息が白くなりはじめ寒さも感じるようになりました。
でも、キツネくんは気になりません・・・ペンギンくんに会えるから。


「ふぅ〜。ずいぶん登ってきたなぁ・・・」


大きな大きな空を見上げれば、お日様や星に手が届きそうです。
甘い綿菓子のような雲が広がっています。
そして・・・いつもは雲の中に隠れている山のてっぺんも見えました。
ペンギンくんの大好きな景色がキツネくんを歓迎してくれています。


「キツネくん! いらっしゃい」

「コンッ!!」


再開を喜び会う二人・・・。
そしてペンギンの家へ向かいました。
だけど、今夜だけはお星様もお月様も眠れそうにありません。
ペンギンくん達とキツネくんの楽しい時間がはじまったから・・・。
いつもは静かな山のてっぺんに、明るい笑い声がいつまでも響きました。