「君はだあれ?」


雲一つなく綺麗に澄み渡る空。
お日様の光が降り注いでいます。
仲良しのシーマとオゼは誘われるように散歩へと出かけました。


シーマ
「いいお天気だね」

オゼ
「うん・・・今日はどんなことがあるのかな?」


二人が散歩を始めてしばらくした時、今まで見たことのないモノに出会いました。


オゼ
「シーマ、見て、あれ!」

シーマ
「!? オゼ、なんだろ、あれ・・・」

オゼ
「すっごく大きいよ・・・どうする」

シーマ
「後をつけてみよう」


二人は時には高い木の枝から、時には岩の影からと隠れながら後をつけていきま
した。
その大きなモノは楽しそうに森の中を歩いていきました。
花を見つけるとその甘い匂いをたっぷりと吸い込み、果実を見つけると熟れた実
を美味しそうに頬張り、動物達を見かけると脅かさないように、こっそりと見守
っています。


シーマ
「ねぇオゼ、なんか・・・恐いやつじゃないみたいだね」

エゾ
「うん、もう少し近寄ってみる?」


はじめはその大きな姿に恐さを感じていた二人ですがしだいに好奇心が出てきま
した。
もう少し近くで見てみたいな・・・。
いったいどこから来たんだろう・・・。
どこに行くのかな・・・。


いつしかお日様が空の真ん中まで登った頃、その大きなモノは疲れたのか小さな
原っぱで立ち止まり座り込みました。


オゼ
「行こう!」

シーマ
「あっ、待ってよ」


二人は思いきって休んでいるモノの目の前に飛び出していきました。
胸がすごくドキドキして苦しいくらいです。
半分は食べられちゃうのかなっていう恐さ。
そしてもう半分は友達になれるかなって・・・。


シーマ
「こんにちは、僕ね、シーマって言うの。それとね、こっちはオゼ。僕の友達な
んだよ」

オゼ
「僕、オゼ。シーマとね、向こうの森に住んでるんだ。君はなんて言うの?
どこから来たの?」

シーマ
「このお花ね、さっきそこで見つけたんだ。いい匂いがするんだよ」


突然の出来事に休んでいたモノはおどろきを隠せませんでした。
でも、可愛い二人のお客さんを見て二人に優しく微笑みかけてきました。
シーマとオゼも安心して笑顔になりました。
さあ、二人にまけないくらい元気に挨拶をしてみましょう。


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