「初日の出」 |
出演協力 りかさん |
コード 「うわぁ〜、風がつめた〜い」 りか 「大丈夫? 我慢できない?」 コード 「うん・・・なんとか大丈夫。それに、ここまでやっと来たんだもん・・・帰れないよ」 ここは、とある岬・・・ まだお日様が出るにはしばらく時間があり、ようやっと東の空がほんのりと明るくなっ てきた程度。 辺りはまだようやっと見える程の明るさ・・・。 二人の目の前には崖がゆくてをはばんでいた。 二人が一緒に旅を初めてからいくつの素晴らしい景色を見てきたのでしょう? 心奪われる景色にあっという間に時間が過ぎていきました。 また、いくつの危機に遭遇したでしょう? 日の光さえ届かないジャングルの中・・・。 すぐ目の前さえ見えない闇の中・・・。 隠れる場所さえない広大な草原・・・。 大怪我をしたこともありました。 身を切られるような寒さの中で死を覚悟したことも・・・。 しかし、そんな体験をしても二人は旅を止めませんでした。 どれほど恐く辛い思い出も、大自然はその圧倒的な力で消してしまいました。 そう・・・「大自然の魅力」という薬で。 コード 「いろんな事があったね・・・」 りか 「うん・・・いっぱいあったよね」 コード 「ねえ? 「見せたいモノがある」っていってたけど、ここでは何が見れるの? 滝? 湖? それとも・・・蜃気楼?」 りか 「全部ハズレ〜。ねえ、今日は何の日か知ってる?」 コード 「えっ? ・・・たしか1月1日だったはずだけど・・・・・・あっ、ひょっとして 初日の出?」 りか 「そう、もうすぐね・・・空の明るい、あの部分からお日様が出てくるの」 そう言ってりかの差した方向の空はさっきよりも明るさを増していました。 今まで輝いていたお星様は、しだいにその姿をゆっくりと空の中に溶け込ませます。 真っ暗だった空が紺色へとかわり、青色へ・・・。 先ほどよりも明るくなると、目の前に広がる海にコードは驚きました。 コード 「すごぉい・・・水がずーっとずーっと遠くにまである・・・」 りか 「ふふふ・・・これが「海」よ。私の生まれた所・・・お父さんやお母さんや友達と すごしたところ」 コード 「海・・・かあ・・・・・・」 りかから聞いていた「海」の中の世界・・・。 見る事のできない世界は、しだいに思いが強くなり夢の世界のように感じられました。 そんな夢の世界を見たい・・・その思いから二人は今、ここまでやってきたのです。 コード 「あっ!!! 見て見て、あそこっ!」 りか 「うんっ! お日様が出てきてるっ」 海の向こうのはるか東の空からゆっくりとお日様がその姿をあらわしました。 はじめは恐いくらいの真っ赤。 でも、しだいに黄色くなっていくと、輝きも強くなって動物達の住む世界の隅々まで 照らしていきました。 りか 「あけまして、おめでとう・・・・」 コード 「おめでとう・・・今年も、一緒にがんばろうね」 りか 「うんっ」 新しい年が二人の目の前ではじまりました。 何が起こるか分からない、新しい年・・・・。 楽しさでいっぱいの素敵な年になるんでしょうか? それとも・・・・・・。 どんな困難にも負けないようにがんばりましょう。 龍のように強く、たくましく、そして大きな翼を持って。 これから何が起こるかは自分しだい。 決してあきらめず、希望を持って進みましょう。 そう・・・・・この二人のように。 |