C++によるプログラミング入門4
オブジェクト指向について

 こんにちは。少し退屈してきたかなと心配もしています。プログラミングの勉強は、はじめがなかなか大変です。逆に、とてもおもしろいと思っている人もいるでしょう。(私の「講義」がいいというのではなくて、です。)その場合は自分に才能があると思ってよろこんでください。人生における最大の才能は「おもしろい」と思う性格でしょう。


 今日は「オブジェクト指向」という言葉についての一応の前置きです。

 プログラミングには「オブジェクト指向」という流儀があります。そして、C++はまさにオブジェクト指向に都合がよい言語なのです。(そのように作られた言語なのです。)(注:「C++はオブジェクト指向に都合がよい」ということを「C++はオブジェクト指向をサポートする」などといいます。初めて聞くと、何のことだかわからなくてびっくりしますよね。)
 実は、C++では、オブジェクト指向とはまったく関係ないプログラミング方法も可能なのですが、私の講義ではオブジェクト指向型のプログラミングを考えます。わざわざ「オブジェクト指向」というとものすごいことに聞こえるかもしれませんが、今では普通にある技術のひとつにすぎません。

 では、そのオブジェクト指向とはどういうことでしょうか? それは、あれこれ説明を聞くより、C++というすばらしい言語で、まず、実体験してみるのがよいと思うのです。

 要するに、私の講義ではオブジェクト指向型のプログラミングをしようと思いますが、オブジェクト指向についての解説をすぐにはしないということになります。ただ、指針は必要でしょうから、言葉だけあげておきます。それは、

 「C++でのオブジェクト指向型プログラムとは、クラス継承仮想関数を(有効に)使ったプログラムである。」

となります。クラス、継承、仮想関数はこれから説明しますので、安心してください。
 なお、もう少し一般的な言い方では、「オブジェクト指向は、クラス、継承、ポリモーフィズム」などとも言います。ポリモーフィズムの意味もあとで説明しますが、C++においてポリモーフィズムを成立させるための中心的な仕組みが仮想関数なのです。

 特に「クラス」はオブジェクト指向の出発点(終点ではない)なので、いやがらずについてきてください。(これは特に他の言語をしっている経験者へのコメントです。)
 ということで、次回はクラスについてです。


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