この講座はプログラミングの初心者を対象としてC++を楽しくおぼえていくというものです。ぎちぎちした文法や細かい知識は話しません。そういうことは、
この講座をおえれば、一人でも本を読んでおぼえていけるでしょう。
また、用語はすべてキチンと解説していくと百科事典になってしまうので、ウソにならないように気をつけながら、なるべく簡単な説明で講義を進めていくつもりです。
ところでコンピュータはこのソースの内容を直接理解することはできません。ソースをコンピュータにわかる言葉(バイナリなどといいます)に翻訳する必要があるのです。 この翻訳をコンパイルといい、翻訳するソフトをコンパイラといいます。実はコンパイルするだけでは、まだ、そのプログラムを実行することはできません。そのあと、リンクとよばれる作業が必要です(リンクをしてくれるソフトをリンカといいます)。これは、コンパイルされたプログラムを実際に使える形につなぎあわせるということなのですが、初心者にはこの「リンク」はピンとこないと思います。このような知識はずいぶん先にならないと必要ないので、今は「ソースプログラムを実行可能ファイルにするのに、コンパイルやらリンクやらとよばれる作業がある」とだけ理解すれば十分です。
このコンパイル・リンクは「処理系」などとよばれるソフト(ソフト群)が一発でやってくれますので、気にすることはありません。「コンパイラとリンカ」、あるいは「コンパイラ、リンカ、およびエディタなどを含む統合開発環境を提供するソフト」などを簡単に「処理系」などと言います。また、これらの作業で中心的役割をはたすのはコンパイラなので、全部をひっくるめて「コンパイラ」とよぶ人も多いと思います。厳密には誤りですが、上に書いた事情をわかった上で簡単に言っているのです。
こうしてできあがった実行可能ファイルをコンピュータは理解して、実行してくれるわけです。
以上をまとめると、プログラムを書いて実行するということは
1.ソースを書く
2.コンパイル+リンク
3.実行
ということになります。ここで、2と3は簡単にできます。自分のインストールしたC++処理系(つまりコンパイルやリンクをしてくれるソフト)が、クリックやコマンド一発でやってくれるからです。
Borland C++とVisual C++ .NETを使う場合については、簡単に付録1で説明します。ただ、知っている人が近くにいれば、その人に聞いてみてください。他の開発環境についても同様です。質問を嫌う人もいますが、ソースの入力方法とコンパイル+リンクの簡単な方法なら、相手にもそれほど迷惑にならないはずです。(もちろん、聞くのですから、礼はつくすべきですが、、、。)
私たちがおぼえることは、要するに「どのようにソースプログラムを書くか」ということになるわけです。