三十郎大活劇


ラッパ屋『三十郎大活劇』☆☆☆☆

この手の映画作りを背景にしたドラマは、考えて見ればたくさんあるし、作り手が戦争に巻き込まれていくのも、よくある話。だもんだから、話の細部の作りや、キャラクター設定が、よく出来ていたにもかかわらず、なんとなく乗れぬまま、それでも結構笑いながら舞台を見ていました。

随所にでてくるコピーはさすがだし、映画撮影現場の雰囲気もよく再現されている。でも、それだけかなー、と油断していた所に、いきなり「表現の高み」に到達。戦争の中での映画人の心意気、どうにもならない現実、今なにが出来るのか、これは映画じゃない、「でも撮った!」。。。不意をつかれて思わず涙ぐんでいました。

「アロハ颱風」以来、スランプから抜け切れていないと思っていたラッパ屋さん。でも、もう大丈夫でしょう。これからは安心して見ていられそうです。


ラッパ屋第19回公演『三十郎大活劇』☆☆☆☆

【作・演出】鈴木聡 【出演】ラッパ屋のみなさん
【美術】キヤマ晃二 【照明】板谷静男 【音響】島猛
【会場】青山円形劇場 【期間】94.11.24 〜 12.04
【観劇日】94.11.27 ※空席多数

時かけ



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