出口なし!


パルコ・プロデュース『出口なし!』☆☆☆☆

お芝居や映画を見ていて、何が幸福かと云って、見終わった後も、ふつふつと感動がくすぶり、体の中に、たった今まで見ていた「出来事」が残っている、と実感できる喜びにまさるものはないのであります。私にとっては。

そんな芝居は年に2〜3本しか出会えることは無いのだけれど、その感触が忘れ難いばっかりに劇場に出かけ、しばらくしてそんな感動があったことも忘れかけた頃、、、ふいに、、、出会うのです。そんな感動に。。。(^_^) これこれ、これこそ観劇の醍醐味といわずして、どうしてチーズがバターに似ているといえるのでしょうか!

とにかく役者がいいです。益岡さんの演技は必見です。「テラ戦士Ψボーイ」しかしらない私には、こんなにいい役者さんだったか、と驚きました。もっともっと活躍していい人です。宮本さんもいいです。映画にだけ出しておくにはもったいないです。唐沢さんは、いつも見る前は、なんか派手だし、舞台には向いてないのでは、、と躊躇してしまい、出てきてしばらくは違和感が残っているのだけど、見終わる頃にはいつも納得してしまうん役者さんです。やっぱりうまいのかしらん。森口さんは、ちょっと弱いかもしれないけど、表情が素敵なのでゆるしちゃいます。

私にとっては三谷さんの作品の中では、コメディよりもこちらの路線の方が向いているみたいです。そういえば、「ダァ!ダァ!ダァ!」にも少し似ていますね。

ストーリーは何にも知らないで見たほうが絶対たのしめると思いましたので、省略します。ただ以前、「私という他人」という三田佳子主演のサイコドラマがあったんですけど、それに匹敵する面白さでした。その手の物語が好きな人には絶対お勧めです。


パルコ・プロデュース『出口なし!』☆☆☆☆

【作・演出】三谷幸喜
【出演】唐沢寿明、益岡徹、宮本信子、森口瑶子
【装置】石井強司 【照明】服部基 【音響】井上正弘
【会場】バルコ劇場【期間】1994.7.8 〜 7.31
【観劇日】7.18

時かけ



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