くじらの降る森


青年座「くじらの降る森」☆☆☆

最初、劇場に入ると、真っ先にくじら鳥さん(*1)が目に入りました。で、早速、サイン本を購入し、名前まで書いていただきました。稽古場オフに参加したかいがあったというものです。(^_^) ありがとうございました>くじら鳥さん

で、次に目に入ったのは、ドタペンさん(*2)です。とてもお元気そうでした。前回、稽古場オフが終わった後、偶然お会いした時には、ずいぶんお疲れのようでしたが、今日は別人の如く、いきいきとしてました。(^_^)

さて芝居です。稽古場見学の時よりも随分熟成されていました。いいです。正直、初演出でここまでやるのかぁ、って感じです。もう少しで突き抜ける所までいってました。もし、ストーリーとか知らないで見ていたら、危なかったかもしれません。(^^;) 空間の見せ方とか飛躍の仕方とか、遊眠社をほうふつとさせる展開があり、はっとさせられました。なかなか一筋縄ではいかない舞台です。照明は稽古場で見たときから格段に良くなっていました。あの時は、灯りが最初に入った時だから当然ですけど。。。あの時気になった、格子の影が全然気にならなくなっていたのはさすがでした。

音響はほとんど目立たず、セリフだけのシーンが結構長く続きます。その単調な積み重ねの中で舞台がだれることがないのは、役者さんがしっかりと役を掴んでいるからでしょう。そして最後に見せてくれました(^_^) あのラストは思わずうならされました。もうひと押しほしいかな、とも思いますが、あれ以上は趣味の世界だし、初演出でそこまでやられてはたまりませんからね。(^^;)
実に堂々とした舞台だったと思いますよ。ハプニングといえば、「吾平」が客席に飛び込んできて、大混乱に陥ったことくらいではないでしょうか。(^^;) (^^;) じつは、一か所記憶のとぎれた所があるのと、鯨の向きを確認したかったので、もう一回見ておきたい所なんですが、予定が立たず、残念です。

今回、本で読むのと舞台とは、別物なんだな、という気がしました。特に最後の場面は、全く同じにもかかわらず、変わるかもしれない、という予感がありました。「白い猿」というのが、青年ではなく、本物の白い猿ではなかったのか、とかね。

非常に不思議な余韻のある舞台で、私は思わず拍手をしそびれてしまいました。最後に役者が出てくるかな、と思っていたら出てこなかったので、いま、ここで拍手を送りたいと思います。パチパチパチパチパチ。

時かけ


くじら鳥さん(*1)‥‥この芝居の原作者
ドタペンさん(*2)‥‥この芝居の演出家

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