腹黒弁天町


ラッパ屋『腹黒弁天町』☆☆☆

新春第一弾の観劇は何にしようかと考えて、ラッパ屋を選んでみました。

正月ということで、幕開き後に口上があります。なんでも、この芝居は、パンチョ鈴木さんの元に、「私の人生を元に芝居を作ってほしい」という手紙が舞い込み、金に目が眩んだパンチョ氏が取材に訪れ、作った物語で、老人の屋敷にて上演されたのを、許可をもらって今回興行することになった、という事です。(^_^;)←「その笑顔はなんだ! 実話なんだぞ!」(パンチョ談)

もう見慣れたラッパ屋なので、一人の役者が出てくるたびに、前の公演ではあの役をやっていたな、などと思い出し、ニコニコしながら見ていました。人間関係とか、だいたい前回の関係をひきずってたりして興味深いです。(^_^)
話は、東京から14時間かけて、弁天町にやってきた新任教師二人。最初は理想に燃え、腹芸をくりかえす町の人々に不満をもっていたが、周囲の人間から、もっと大人になれよ攻撃をうけるうち、一人は変質していき、一人は芸者におぼれていく。という話です。(なんか違うよーな気もするが)

和田都さんの芸者ぶりは、「いい」です。前々回の「サクラパパオー」で、競馬で破滅する外交官がぴったりだった木村さん、今回も破滅するのかと思ったら、・・・でした。

役者の数をもてあましぎみのラッパ屋ですが、今回は、ちょい役でしか出ない人もいるなど、焦点がしぼってあって散漫にならず面白かったです。出さないというのも、あまりに個性的な人ぞろいで勿体ないし、そのあたり難しい所だと思いますけど。

与儀さんは、なんとかクッションのCM?で「売ってあげない」などに出てるから、それについての、ギャグとかやるかなと思ったけど、そういうの全然やらなくて、みんな芝居の世界に専念していたのは好感がもてました。去年の暮れに見た、「ア・ラ・カルト」で、「ボクがテレビに身を売った山田のぼるです」って、高泉さんがいってたノリもすきだけどね。


ラッパ屋『腹黒弁天町』☆☆☆

【作・演出】鈴木聡
【舞台美術】キヤマ晃二  【照明】板谷静男
【音響】(株)ステージオフィス 藤居俊夫、早川毅
【出演】ラッパ屋のみなさん
【劇場】THEATER/TOPS
【観劇日】1/3(初日) H−9

PS.照明と音響は、あいかわらずいいです。もちろん舞台美術も。 特に音は、サクラパパオーでも見せた、立体音響の技を使ってます。 それから、終演後、みかんをもらいました。初日だったからかな。(^_^)

時かけ



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