てんしんらんまん


天真爛漫『てんしんらんまん』☆☆☆

「はるらんまん(^_^;)

「高校教師」赤井英和さんもご推薦の『てんしんらんまん』みせて頂きました。見終わっての感想は、なんといっても、五人のアンサンブルがとても良かった、ということです。この内容で、この五人なら、おもしろくない筈がない、できれば次には、もっと別の内容の舞台が見たい、と思いました。

もともとエチュードから発展した、というこの芝居は、とあるしつけのきびしいお嬢さん学校が舞台で、一つの教室の中で物語が進みます。6人の生徒たちのうち、一人がどこかへ出て行き、いれかわりに、一人ずつ「先生」が出てくるという、エチュード的な展開は、それはそれで面白かったです。練りに練られた、オムニバス的構成の中、「心臓がポンコツな」かなちゃんの物語が少しずつ綴られて行きます。

クロッカスの球根の観察日記。

最近、スランプで芝居の感想をほとんど書いてないのですが、『てんしんらんまん』見させていただきました。面白かったです(^_^)

「かなちゃん」みたいな人、時々いますよね。僕の前いた会社の事務の女の子が、ちょうどそんなタイプの子でした。あと、大学のころ、クラブの後輩も似ていたです。あ、これは、芝居の中の「かなちゃん」という事で、実際のかなちゃん、とは違うかもしれないですけど。

全体としては、五人のアンサンブルが素敵でした。個人的には、馬場ちゃんのボケが、ばかばかしくって好きです。ストーリーも好きです。心臓の「トクトク」は、『小指の思い出』を思い出しました。普通、このような内容の場合、消えていく人を主人公が外から見る、というパターンが多かったけれど、この芝居では、時空に消えていく人の視点から見た、という点が新鮮でした。記憶の中の、欠落した部分。しかも、とっても大事だったこと。人間はそんなことさえ忘れてしまいながら生きていくのですね。「ナルニア国物語」のなかの、スージー(だったかな?)が大人になって、昔の冒険を忘れてしまったシーンや、「時をかける少女」の、和子が感じた、ラベンダーの香りの「なつかしさ」にも通じる所がありますよね。

時かけ


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