雨の縁側


プロジェクト・ナビ『雨の縁側』PICK POKET 2 ☆☆☆

プロジェクト・ナビの芝居を初めて見てきました。
テレビで『シェルター』を見たときに感じた抒情性は夢ではなかったです。 子供の頃の懐かしい記憶や濃密に流れていた時間の記憶がまざまざと甦ってきました。

縁側で土砂降りの雨を見つめていた時の記憶。
二人で、黙って、ただ時が流れて行くだけの
みじかかったけれど、永遠に感じた時間の記憶。
それらがまざまざと甦ってきました。

最初は、なんか、素人芝居の延長かな‥‥
などと、思ったのです。
北村さんのアドリブや、神戸さんの演技は、微笑ましいけれど
感動には程遠いな、などと思いながら見ていました。
やがて、少しずつ、人の心の痛みを、ちくちく感じ出しました。
スリの二人組の脳天気さと、それぞれの登場人物たちの‥‥

あれは、多分、演技ではない‥‥

なんていうか、だれもが共通して持っている痛みをそのまま
提示されたようで‥‥、

みんな夢だ、が、最後の台詞だったとおもうけど、
北村さんの抒情性は夢ではなかった。それが嬉しいです。


プロジェクト・ナビ 『雨の縁側』PICK POKET 2 ☆☆☆
1992/4/10〜4/14東京、本多劇場
1992/4/17〜4/19伊丹、AIホール
1992/5/8 〜5/10名古屋、名古屋市芸術創造センター
作・演出、北村想、 出、小林正和、佳梯かこ、田中ちさ、神戸浩、三股亜由美、ほか
観劇日4/11

by. 時をかける少年



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