ラヴィータ


遊◎機械/全自動シアター『ラ・ヴィータ』☆☆☆

「すまなかったね」
「なにが?」
「夢をかなえてあげられなくて」
「結構楽しかったよ。‥‥でも、もうすこし愛されたかった」
という子供の自分との対話のシーンが泣かせてくれた。高泉さんは子供の役をやらせらると本当にうまい。高泉さんの演じる少年は子供らしい無邪気さと同時に、妙に人生を達観してしまった所を持っておりその部分で笑わせてくれるのだが、今回は「老人になってしまった自分」との会話のシーンで、すごくいい味を出していた。

 白井さんは最後まで出ずっぱり。人生を振り返るというこの芝居のテーマからすれば当然の事とはいえ本当に立派でした。

 人生を振り返って見て自分が何もできなかったと云う事を考えるのは、
本当に辛いことだ。僕自身、一体誰に愛されているんだろうか。
今までの人生の中で、本当に精一杯生きてきたか。
そして、果たしてこれから本当に生きてゆけるのか。

 普段、避けて通りがちな事を真正面から真剣に考えた芝居を作ったことに拍手をおくります。


『ラ・ヴィータ』 〜愛と死を見つめて〜 遊◎機械/全自動シアター
作:高泉淳子 演出:白井晃
新宿・SPACE ZERO  1991/11/10〜11/24
観劇:11/24 PM2:00〜

by. 時をかける少年


PS.音楽は「ゴッドファーザー」のようだったし、舞台は、幕が年代物だったし、これって、やっぱり「人生は舞台」という事だったのかな?

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